国内最大の古墳は名前の多さも日本一?『大仙陵古墳(仁徳天皇陵)』(堺市)

大阪府

言わずと知れた日本最大の超大型古墳。教科書でもおなじみの前方後円墳は、ほとんどの方がぱっと頭に浮かぶのでは。そんなメジャー古墳ですが、名称がとにかくたくさんあります。いったい何が正しいのでしょうか?

※夕暮れの訪問となってしまったため、写真と現地情報が非常に薄い記事です。ゴメンナサイ。

2021/9/20(月)

謎多き巨大古墳

5世紀半ば頃に築造されたと考えられている大仙陵古墳。百舌鳥古墳群の中で最大、そして国内の古墳の中で最大、そして世界でも最大級の墳墓といわれています。

古墳ということは埋葬施設。こんな規格外の超メガ古墳に眠るのはさぞかし強力な権力者であったはず。いったい何者なのか気になるところですが、正確な被葬者は判明しておりません。2021年時点で宮内庁は仁徳天皇の陵であると治定しており、「仁徳天皇陵」や「仁徳陵古墳」という名称でも呼ばれています。

2019年には世界文化遺産「百舌鳥・古市古墳群」の構成資産として登録されました。

「陵(りょう)」は天皇・皇后などの墓のことで、「みささぎ」とも呼びます。天皇陵には「○○天皇陵」という名称とは別に御陵名が存在しており、ここ仁徳天皇陵は「百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)」という名が付いております。

絶たれた古墳一周

さあ、来たからには古墳の周りをぐるりと一周してみよう!古墳の周囲につくられた周遊路は1周約2,750m。ゆっくり歩いても1時間あればいけるはず。

そう思っていたのですが、応神天皇陵土塔といった史跡をめぐっていたところ、すっかり日が暮れてしまいました!!

うふふ、濠に映る夕焼けがきれい(現実逃避)。

古墳の周りの道は街灯が設置されており、ランニングしている人の姿が目立ちます。きっと古墳一周ランは、この辺りの住民の間ではおなじみのコースなのでしょう。

「ここまで来たんやから一周しろや」と天の声が聴こえてきた気がしましたが、絶賛時短営業中の夕飯とお風呂タイムが迫っており、さらに今日はこのあと翌日の淡路島に向けての夜移動が待っています。今回は断念して、また次の機会にしましょう。

日没の拝所

大仙陵古墳は宮内庁によって管理されているため、陵域内は立入禁止。加えて、周囲は幅の広い濠で囲まれているため、ほぼ近づくことができません。

最も古墳に近づけるのが、古墳の南側に位置する拝所。薄暗い中、人が立ち入ることができない森が広がる様子からは畏怖を感じます。

古墳一周は諦めましたが、ここまで来たからにはせめて拝所へとお参りを。

仁徳天皇を想定してお参りしましたが、もし眠るのが応神天皇だったら、「わしは仁徳天皇の父親ぞ」と、履中天皇だったら「仁徳天皇はわしの父ぞ」と言われそうです。

被葬者が明らかでない場合はどなたへ参ればよいのでしょうかね。

上から見る方法

さてさて、どうしても気になるのは、どうやったらこの古墳を上から見ることができるのか。ポピュラーになりつつあるドローン撮影なら空撮もお手軽ですが、やはり自分の目で見たいものです。

近くにある高い建物からなら・・・・そんなときにおすすめなのが堺市役所。高層館21階の展望ロビーは自由に立ち入ることができ、地上80mから古墳の姿を見ることができます。

訪問時は閉鎖中だったので、以前訪れたときに撮った写真を載せますね。

森にしか見えません・・・。

全貌は見えるため、地上から見るよりははるかに古墳らしいのですが、やはり前方後円墳たる姿で見たいです。もう少しこの市役所が古墳に近ければ・・・。もしくは、あべのハルカスがあと10kmほど南にあればばっちり見えたのに・・・。

上空から古墳を見る、セスナ遊覧やヘリクルージングなんかも催行されているとのウワサ。気になる方(そして懐に余裕のある方)はぜひ調べてみてくださいね。

名前のバリエーション

大仙陵古墳について調べていると、気になるのはその名称の多様さ。「大仙古墳」「大仙陵古墳」「大山陵」「大山古墳」「仁徳天皇陵」「仁徳陵古墳」「大千陵」「御陵」など、非常にいろいろなパターンがあります。結局のところ、何が正しいのでしょうか。

どうやら時代によって名称の変遷が見られるようなので、ざっくりとまとめてみました。(※もちろん諸説あります)

江戸時代~「仁徳天皇陵」「大山陵」
被葬者と形状、2種類の切り口から2つのネーミングが使用されていたようです。

1970年~「仁徳陵古墳」
被葬者が仁徳天皇であるかどうか判明していないため、天皇という表記を避けた仁徳陵というネーミングへ。

1976年~「大仙陵古墳」
他の遺跡と同様に、被葬者ではなく地名をとった表記へ。地名が大仙町という表記を採用した影響もあり、大山→大仙が一般的に。

とりあえず、発掘調査が行われて被葬者が明らかになるまでは、「大仙陵古墳」「大仙古墳(伝・仁徳天皇陵)」といったように地名を優先させて呼ぶのが良さそうです。個人的には古墳として話すときは「大仙陵古墳」、陵として話すときは「仁徳天皇陵」と使い分けるのがしっくりきます。

ところで前述の通り世界遺産に登録された大仙陵古墳ですが、そちらではどの名称が採用されているのでしょうか?

日本ユネスコ協会連盟のHPへアクセスしてみたところ・・・・・

公益社団法人日本ユネスコ協会連盟
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟では、世界寺子屋運動・世界遺産活動・未来遺産運動・東日本大震災子ども支援募金などの活動を行っています。

 

なんと更新されておらず掲載が確認できませんでした・・・!!(2021年10月時点)

ということでEnglishなユネスコのWebサイトへ飛んでみたところ、こちらにはきちんと掲載されており一安心。

Mozu-Furuichi Kofun Group: Mounded Tombs of Ancient Japan
Located on a plateau above the Osaka Plain, this property includes 49 kofun (“old mounds” in Japanese). These tombs were for members of the elite. These kofun h...

気になる表記は・・・・”Nintoku-tenno-ryo Kofun”

Really!?

もし被葬者が仁徳天皇でなかった場合は、ちゃんとアップデートされるのでしょうか??

アクセス情報

古墳南側はJR阪和線の百舌鳥駅、北側はJR阪和線と南海高野線の三国ヶ丘駅が最寄り駅。いずれも徒歩すぐです。

駐車場は複数ありますが、大仙公園第3駐車場がビジターセンターや拝所に近くておすすめ。料金は2時間200円ほどです。

南側にある大仙公園内には大仙陵古墳について詳しく知ることができる堺市博物館もあります。詳しく知りたい方は合わせての訪問がおすすめです。

No.2も見ておきます?

国内で2番目の超巨大古墳『応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳)』(羽曳野市)
誉田御廟山古墳は、古市古墳群で最大の巨大な前方後円墳。応神天皇陵とされているため立ち入ることはできませんが、濠の外からその巨体を眺めることができます。

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