島後 Part 3 神秘的な隠岐杉の巨木めぐり 乳房杉・かぶら杉・八百杉・大山神社の杉(隠岐の島町)

隠岐諸島

深い森が広がる島後には樹齢数百年を超える杉の巨木がたくさん残っております。山道を歩かなければいけないかと思いきや、いずれも車があれば気軽に見に行けるものばかり。島内観光の中に組み込んでみてはいかがでしょうか。

訪問日:2022/5/2(月)

①玉若酢命神社の八百杉

玉若酢命神社の随神門に被さるようにそびえる杉の巨木は八百杉(やおすぎ)。樹高は約30m、幹周りは11mもあります。玉若酢命神社が西郷港から車で5分とアクセス良好なため、この杉も非常に見に行きやすい杉です。

近づくとその力強さに圧倒されます。周囲から支える支柱が、まるで集中線のようにその迫力を引き立てる。

かつて若狭の国(福井県)より、人魚の肉を食べて不老長寿を得た八百比丘尼が参拝に訪れ、その記念に植えたとされています。この八百比丘尼について、詳しくはこちらの記事にて。

②中村のかぶら杉

島を南北に走る県道316号線(中村津戸港線)沿いにあるため、こちらもアクセス良好な杉。すぐ近くの路肩に駐車スペースがあるため、気軽に立ち寄りやすいです。

樹高38m、樹齢600年の巨木で、根本から複数の株に分かれているのが特徴的。現在は7本ですが、かつては12本であったそう。

旅行雑誌などでよく見かけるのは根元にクローズアップした写真ですが、少し離れて見るとだいぶ印象が変わります。枝分かれした株が天高くそびえており、この杉1本だけで森と呼びたくなるような存在感。

分かれたあとはすらっと垂直にのびています。このような杉を「ウラスギ」と呼びます。雪で枝が折れにくく成長する日本海側のスギの特徴です。なお、日本のスギは枝が水平に広がる太平洋側の「オモテスギ」、そして枝が太く背丈が低い「ヤクスギ」と3つのグループに分けることができます

③岩倉の乳房杉

①八百杉、②かぶら杉とこちらの乳房杉島後三大杉と呼ばれています。

樹齢800年・樹高40mの巨木で、深い森にそびえる姿はまさに森の巨人といった出で立ち。三大杉の中で最も見ごたえがあります。

地上4~8mの部分から15本に分岐し、その先はすらっと天へ伸びています。先ほどのかぶら杉でも見ることができたウラスギの形状です。

今から7万年前から1万年前の最終氷河期の時代、寒冷化を避けて杉は隠岐、伊豆諸島、屋久島へと避難していったそう。その後、気温の上昇に伴い西日本を中心にその範囲を広げていったそうです。

今回紹介した杉の中で、この乳房杉は少々アクセス難易度が高め!道路沿いではあるため徒歩移動は無いのですが、その道路が幅の狭い山道。今回、西側の銚子ダムから行ったのですが、落石も多くなかなかの悪路で神経を使いました。もし特別なこだわりが無いならば東側から行くのがおすすめ。

(ネット情報などでは通行止めとなっていましたが、現地にはそのような案内表示は無く、2022年5月時点では普通に通行可能でした・・・!)

④大山神社の杉

大山神社の杉は島後三大杉にはカウントされていませんが、乳房杉と同じルート上にあるためセットでの訪問がおすすめ。

大山神社に社殿は無く、鳥居の先にそびえるのは樹高40m、樹齢800年といわれる古木。山全体を祀る、非常に原始的な神社なのです。

島後三大杉に比べるとすらっとした樹形のため細く見えますが、幹回りは4.5mとかなり立派なスギ。この神社では西暦偶数年の4月第一日曜日には「布施の山祭り」が行われており、山から伐り出したカズラを杉に巻き付けて、山仕事の安全を祈るそう。

 


余談になりますが、今回乳房杉に向かう途中の山道にて、いつか出会いたいと思っていた「ヤマドリ」を見ることができました!キジに似た大型の野鳥なのですが、人里には滅多に姿を見せないため、かなりレア。

さらに、隠岐で最大の野生哺乳類である「オキノウサギ」も見かけました!ローソク島遊覧船が欠航してしまったのは残念でしたが、レアな生き物にたくさん出会えてラッキーでした!

コメント

  1. […] これはヤマドリの羽だ!キジのような長い尾を持つ鳥ですが、人里には姿を表さないため実際に見るのはなかなか困難。いつか生で見てみたいな~。(※実はこの数年後、隠岐にて遭遇するのですが、それはまた別の話) […]

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