国立競技場内に併設された秩父宮記念ギャラリーは、「スポーツの宮様」と呼ばれた秩父宮様に関する展示品がそろうミニミュージアム。非常にコンパクトな展示室ですが、無料で見学できます。
国立競技場にある展示室
国立競技場は、東京都新宿区にある日本を代表するスタジアム。現在の建物は、それまでの旧国立競技場に代わる形で2019年に完成しました。設計は建築家の隈研吾。木材を多く使ったやわらかな外観が特徴です。

主にサッカーや陸上競技の会場として使われ、2021年開催の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムにもなりました。約6万8千人を収容可能で、スポーツだけでなくコンサートや大型イベントにも利用されています。
そんな国立競技場に設置されているのが秩父宮記念ギャラリー。

スポーツを愛し、振興に努めたことから「スポーツの宮様」と呼ばれていた、故・秩父宮雍仁親王。彼を慕うスポーツ関係者の協力により昭和34年(1959年)に旧国立競技場内に「秩父宮記念スポーツ博物館」が開設されます。その後、平成26年(2014年)に国立競技場建て替えに伴い閉鎖、令和4年(2022年)に、「秩父宮記念ギャラリー」としてリニューアルオープンしました。
ひと部屋だけのギャラリー
入り口の自動ドアを進むと、小さな受付があります。入館料は無料!記名などの手続きも不要です。ちょっと入りにくい雰囲気もありますが、丁寧なお兄さんが受付してくれました。

ギャラリーは小さな展示室が一部屋のみ。写真撮影は一部を除いて可能でした。

受付にて、こんなポストカード型の観覧券がもらえます。映されているのは展示室の写真です。

展示品は時期によって変わるようです。訪問時は「常設展」でしたが、「全国スポーツ写真・スポーツ俳句コンクール入賞作品展」や企画展が開催されている時期もあるようです。
様々な展示品
展示室の中心に鎮座するのは殿下登山の像。丸メガネにハット、ネクタイを締めてピッケルに両腕をのせた姿。登山者らしくない服装ですが、登山を含むスポーツ自体が上流階級の嗜みであった時代、皇族ともあれば屋外で身なりを整えるのは当然だったのでしょうね。

この像は朝倉文夫によって造られた像の原型を用いて、秩父宮記念スポーツ博物館の開設にあわせて昭和34年(1959年)に新鋳されたもの。オリジナルは昭和3年(1928年)に2つ鋳造されており、一つは東京都の「朝倉彫塑館」、もう一つは静岡県の「秩父宮記念公園」に所蔵されています。
奥にあるのが秩父宮家紋章の扉。松に菊の花の紋章が描かれたこの扉、旧国立競技場内の秩父宮殿下御遺品室で使用していたものが移設されています。

撮影不可となっていましたが、秩父宮様に献上されたスキー用具や、ミラノコルティナ2026冬季オリンピックのポスターなども展示されていました。
功績を示す年表
秩父宮様の生涯を記した年表や、タッチパネルで閲覧できるアルバムも展示されています。秩父宮様は、大正天皇の第二子であり、昭和天皇の弟にあたる人物。幼少の頃よりスキーや登山、ボートやテニスなど、さまざまなスポーツを行なっていたそう。

年表を見ると、「フランス・ニースにてテニス」「ロンドン・テムズ川にてボート」「スイスにてアルプス登山」など、日本だけでなく、ヨーロッパでもさまざまなスポーツを楽しまれていたことがわかります。
スポーツを行うだけでなく、日本ラグビーフットボール協会総裁や、日本体育協会総裁、日本陸上競技連盟総裁などに就任。スポーツの振興にも務めました。
こちらは秩父宮杯。全日本学生スキー選手権大会に臨席した秩父宮から下賜された銀の杯。皇室の下賜は、競技や団体へのお墨付きとなり、普及につながったそうです。

映像で見る秩父宮様
モニターには、4分弱の映像が流れています。

スポーツというものは、人間にはつきものの競争心、闘争心を最も平和的に発散、解決させるために存在しているものとさえ思われる。スポーツによって、社会を明るくし、スポーツによって、世界の平和をもたらすためには、世界のスポーツ人、世界のスポーツ愛好者が、一層の反省をしつつ、スポーツをもりたててゆかねばならない。
そんな秩父宮様の言葉から始まる無声の映像。スイスのユングフラウ登山をする姿は、先ほどの銅像と同じ服装。
青森市にて秩父宮様を歓迎するために開かれた奉迎体育会に参列される姿や、英国から帰国中に氷川丸船内でデッキゴルフをする姿など、様々な様子が映されます。スポーツ振興に尽力したことはもちろん、本当にスポーツが好きだったことが伝わってきました。
アクセスと営業情報
・JR総武線各駅停車 千駄ヶ谷駅/信濃町駅:徒歩11分
・都営大江戸線 国立競技場駅(A2出口):徒歩7分
・東京メトロ銀座線 外苑前駅(3 番出口):徒歩11分
| 開館時間 | 10:00~17:00 |
|---|---|
| 休館日 | 月曜 |
| 料金 | 無料 |
| 公式サイト | https://www.jpnsport.go.jp/muse/annai/gallery/tabid/372/Default.aspx |
※掲載の情報は2026年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


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