能取湖のほとりに静かに佇む、水産科学センター併設の見学施設。水族館と呼ぶには小さな施設ですが、無料で利用することができます。生き物が好きな方は、近くを通った際の立ち寄りスポットとしておすすめです。
ちいさな水族ミュージアム
能取湖の東岸には、漁業の振興を図るために網走市水産科学センターが設置されています。ここには川と湖の学習館という小さな見学施設が併設。
予約は不要、さらに無料にて見学可能です。訪問時は受付にスタッフさんはおらず、自由に見学して良い感じでした。
館内には水槽が20基弱。飾りっ気のない雰囲気はバックヤード感があふれています。
まずは淡水の生き物から
展示室は左が淡水生物、右が海水生物と分かれて水槽が設置されています。まずは淡水魚から観察していきますね!
人が近づくと寄ってくるウキゴリ。ハゼの仲間ですが、最大13cmとかなり大型の種類です。
砂利に刺さったカワヤツメ。名前の由来となっている目の後ろにつづく鰓孔(えらあな)を見たかったのですが、まったく出てきてくれませんでした。
水槽のすみっこでじっとしているエゾサンショウウオ。「蝦夷(えぞ)」の名が示す通り、北海道のみに暮らす固有種です。
個性的な海の生き物
プールタイプの水槽に泳ぐシマソイ。関東では見かけませんが、北海道では比較的ポピュラーなサカナ。白身であり、タイやヒラメのような扱いであるそうです。
触れそうな雰囲気ですが、このイラストを見る限りキケンなのだと思います。
東京農業大学のアクアバイオ学科から提供されたというホッカイエビ。網走では、能取湖沿岸に分布しています。えびかご漁で獲られており、漁期や漁獲量を定めて徹底した資源管理が行われているそう。
こちらの真っ白い物体はマナマコ。通常は赤茶色の種ですが、色素異常によってこのような姿になっているようです。生き物というより、掃除道具に見えます。
わくわくのタッチコーナー
海の生き物にさわることができるタッチプールもあります。ざらざらしたイトマキヒトデや、ごつごつしたマナマコなど、いろいろな生き物がおさわり自由です。
エゾバフンウニもさわれます!トゲだらけで痛いかと思いきや、ちょうど気持ち良いくらいの刺激。こちらもまた能取湖にて漁獲されるそうです。
貝類や棘皮動物中心かに見えて、さり気なくヌマガレイも混じっています。さわったらすぐ逃げちゃうかと思いきや、けっこうたっぷりさわれます。ざらざらした独特な感触はちょっぴりクセになる肌ざわり。
他にもクリガニ、クロガシラガレイなどもいます。お好みの手触りを見つけて見てはいかがでしょうか。
漁業や湖を学べる資料展示
生態展示だけでなく、様々な資料も展示されています。中心に置かれているのは様々な漁具。ニシンを背負って運ぶ「モッコ」、シジミを獲るための「タモ網」や、より分けるための網「トオシ」、ホタテガイの養殖に使用される「育成篭」など、実物が展示されているためイメージしやすいです。
壁のパネルでは、「ホタテガイの種苗生産」「サケの放流事業」など、水産センターらしく漁業の解説がなされています。
ユニークなのは湖の紹介。網走市には「網走湖」「能取湖」「藻琴湖」「濤沸湖」という4つの湖があり、それぞれでどんな水産物が獲れるのかなどの解説が続きます。これらの湖はいずれも、海からできた海跡湖というタイプであるそう。
さきほど紹介した海水魚は、ほとんど能取湖に分布していたもの。オホーツク海と繋がっているため、海水が出入りしており、多くの生き物が棲息しているのです。
そんな比較的まじめな展示コーナーにおいて、ひときわ目立っているのはこちらのアザラシの剥製。サイズ的に子供のアザラシなのですが、口元が黒く、まるでヒゲが生えているかのよう。「おじさんアザラシ」と名付けました・・・!
アクセスと営業情報
網走駅より車で約15分、女満別空港より車で約25分ほど。
開館時間 | 9:00~16:00 ※12月~3月は冬期休館 |
---|---|
休館日 | 月曜、祝日、年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/040shisetsu/090sangyou/660suisankagaku/index.html |
※掲載の情報は2023年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント