「花博記念公園 鶴見緑地」は1990年に開かれた「国際花と緑の博覧会」のメイン会場であった場所。広々とした園内には、「いのちの塔」をはじめとしたパビリオン建築もいくつか残っております。遠い昔の万博に思いを馳せることができるスポットです。
かつての花博会場
1990年4月1日から9月30日までの183日間に渡り開催された国際花と緑の博覧会、通称「花博」。日本を含む83ヶ国と55の国際機関、212の企業・団体が参加しており、「住友館」「三菱未来館」「ガスパビリオン」など2025年大阪・関西万博と同じパビリオンの名前も。
そんな花博の会場となったのは大阪市鶴見区と守口市にまたがる鶴見緑地。戦時中である1941年に、空襲における避難場所および延焼防止のための防空緑地として整備された場所です。
閉幕から35年がたった今でも、園内にはいくつかの建築が残されているそう。大阪・関西万博に行って万博熱が高まっているので「かつての万博跡地を見てみたいー!」という一心で向かいました。きっと静かな公園となっているはず!

めっちゃにぎやかです!!

キッチンカーが多数出ており、フリーマーケットも開催。日曜ということもあってか、思っていたよりもたくさんの人で大賑わいです!
陳列館(花博記念ホール)
まず目に入ったのはこちらのインパクト抜群な建築物。ここは花博記念ホール。花博では「国際陳列館」として利用された建物です。

このパビリオンは、松下幸之助が私財を投げ売って建設したものであるそう。建築を担当したのは磯崎新。最上部85mのうち、左右20mが空に張り出す、迫力のある建築です。
Wikipediaによると様々なイベントを開催するホールであり、4階にはヨーロッパ20都市が共同で出展したヨーロッパパビリオンとなっていたとのこと。
そんな国際陳列館、閉幕後は大阪市に寄贈されます。現在はイベントホールであるため、通常時は中には入れないみたいです。

水の館(ハナミズキホール)
こちらは「水の館」であった建築。同じく磯崎新が設計を担当しています。

閉幕後も水の館ホールとして利用されてきましたが、花博20周年を記念して公募によりハナミズキホールに改名。内部は広々とした空間となっており、フリーマーケットなどのイベントが開催されています。訪問時はメダカや観葉植物が販売されていました。

なお、Wikipediaの水の館の説明には「とある出展ブースにてひっそりと月の石が展示されていた。」との記載が。万博といえば月の石。花博でも展示されていたのかと思うと感慨深いですが、正確な資料が見つからずです。35年前の情報だと、なかなかWebで見つけられませんね。
閉鎖されたいのちの塔
花博のシンボル、「いのちの塔」も健在です。その高さは約90m。高さ54mの地点が展望台となっており、園内を見渡すことができたそう。

閉幕後も展望タワーとして利用されていましたが、2010年にクローズ。現在は撤去を待っている状態とのことです。
そんな花博の気になる総来場者数は2,312万6,934人であったそう。2025年の大阪・関西万博の一般来場者数は2,557万8,986人であったので、それに近い人が訪れていたのですね。
そして、超余談ですが花博の忘れ物は35,418件。そのうち多かったベスト3が、「帽子」「カメラ」「傘」という、いずれも忘れそうな品々です。ユニークな忘れ物としては、「犬」が2件、そして「スカンク」が1件あったそう。スカンクを連れて入園した人がいたことにびっくり。そしてそれを忘れてしまうところにさらにびっくりです!
パビリオンのひとつである屋内植物園「咲くやこの花館」は、現在も営業しております。ということで、次回はこの植物園について!あと、参加した各国がそれぞれの個性を詰め込んだ「国際庭園」も一部残っていて非常に面白いので、次の次の回にてまとめようと思います。ということで、鶴見緑地は3部構成でお送りしますね!


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