面積・人口ともにトカラ列島最大の島。2つ目にして恐ろしい上り坂で来島者を出迎えます。滞在時間が最も長い島ですが、トカラ馬や民俗資料館、温泉などの見所も多く体力・時間配分を試される島です。
滞在時間:2時間15分
心臓破りの坂
時刻は7:50。夜明け前に到着した最初の島である口之島とは打って変わり、すっかり明るくなって日光が降り注ぎます。
口之島と同じように、やっぱり集落までは坂道。しっかり舗装はされていますが、ひたすら続く登り坂はかなりハード。
登れども登れども先は見えない・・・・。日が昇ったことにより直射日光が加わったため、体力の消耗が激しい。
こちらは与助岩。海賊「日向の与助」の名前を冠した岩です。
海賊である与助は、トカラ列島の島々を荒らし回っていました。
そんな与助の素行を見かねた郡司が、美女をおとりにして酒盛りを開き、すきを見て退治しました。(※郡司=中央より派遣された地方官)
その後、与助の霊はこの岩になり、体は灰となって血を吸うブヨになったという伝説が伝わっているそうです。
そんな伝説を噛み締めながら進むと、やっと道が開けたところへ。立ち並ぶ電柱は、集落への道しるべ。
港から徒歩40分くらいかかりました。つかれたーー
あまりにも集落が見えないので、道を間違えたかと思った!!
トカラ馬が暮らす牧場
この中之島の見所の1つはトカラ馬牧場。現在8種存在している日本の在来馬のうちの1種である「トカラ馬」を見ることができます。
広々とした草原でのびのび過ごすトカラ馬たち。まだ小さな子馬もいます。
トカラ馬は、先ほどの口之島牛に続く、レアな在来種。やはり秘境の島々と呼ばれるトカラ列島だけあって、固有種が保たれているのですね。
ちょっと調べてみたところ、トカラ列島に暮らすトカラ馬は一時はわずか1頭になったときもあったそう。鹿児島本土に送っていたトカラ馬を再移入、繁殖に成功して現在では10頭ほどが暮らしています。
ただしサトウキビ産業もほとんど無くなった今、農耕馬としての役割はもうないらしいです。
牧場のうしろには中之島の火山、御岳がかまえています。トカラ列島最高峰でもあり、トカラ富士の別名もある立派な山です。なんでも野生化したトカラヤギが暮らしているらしい。
トカラの文化を知る民俗資料館
トカラ馬牧場の向かいにあるのは民俗資料館。ここでは中之島だけでなく、トカラ列島各島の文化が展示されています。
トカラの祭といえば『ボゼ』。悪石島で行われる祭に登場する仮面神ですが、その日本とは思えないどこか東南アジアのような風貌はインパクト抜群。
まさかのコケシ登場。東北地方がメインかと思いきや、まさかこんな南の島にもコケシがいるなんて。本土でみかけるコケシに比べて実際の人間に近いデザイン。鼻もあります。
あれ、この鳥はもしかしてアカコッコでは!?三宅島を中心とした伊豆諸島にだけ生息していると思っていたのですが、トカラ列島にも生息しているらしいです。
時刻は9:00。滞在時間の半分切ったのでそろそろ戻ろう。万が一船に乗り遅れたら、いつ島から出られるかわかりません。時間配分は恐ろしく大切です。
行きは気がつかなかったのですが、道端にはパパイヤの木が。こういった樹木が普通に自生しているのは、さすが南の離島です。
徒歩で行けた場所
今回歩いて行けたのはこの辺りまで。
滞在時間は7つの島の中で一番長いのですが、その分集落までの道のりはとても険しいです。
40分かけて上り坂を進み、トカラ馬牧場、民俗資料館まで行けました。体力に自信がある方は、もう少し先の集落まで行けると思います。
温泉目当ての人は、東区温泉と西区温泉が港近くにあります。
こちらは上り坂を越えなくても良いので、足腰に余裕が無い方はこの島では無理せず温泉休憩にあてるのも良さそうです。ただし日差しが強く気温も高いので温泉気分じゃない可能性も。
港に戻るとアイランドマーケットやってました。
中之島Tシャツや島らっきょなど、名産&おみやげを販売してます。おそらくレントゲン便の旅で唯一買い物ができるタイミングではないでしょうか。
早めに船に戻ってシャワーあびました!
さっぱりしたらお腹がすいたので、レストランにて焼きそば(490円)。
『2つ目からハードでしたね』
『次はもう少し楽だと良いんですが・・・』
苦労を乗り越えたお陰で、旅人同士に妙な一体感が生まれました。
ちなみに大阪のおっちゃんは、港近くの西区温泉まで行こうとしたのですが、ちょっとの坂道で諦めてしまったらしい。この人が楽しめる島は来るのでしょうか。
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