飛鳥に散らばる不思議な石造物めぐり (明日香村)

奈良県

多数の石造物が散らばっている明日香村。レンタサイクルでお寺や古墳を巡りながら、「亀形石造物」「酒船石」「亀石」「鬼の雪隠」「鬼の俎」と巡ってきました!

訪問日:2025/5/11(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

①亀形石造物

最初に向かったのが亀形石造物。万葉文化館というミュージアムのすぐお隣にあります。ここは自由見学ではなく受付が必要なタイプで、営業時間は9:00〜17:00、料金は300円でした。

受付の先を進むと、すぐに見えてきます。写真では伝わりにくいですが、全長約2.3m、幅約2m。金魚鉢くらいのサイズでイメージしていたので、想像の3倍くらい大きいです。

甲羅の部分が窪んでおり、水槽となっております。まわりの装飾は、頭や脚のようであり、たしかに亀に見えます。

亀形石造物の頭の先には、手前には貯水槽のような石桶が。こちらは小判型石造物。ちょっとだけ和式トイレみたいな姿。

この石造物は、斉明天皇の時代に造られたとされています。祭祀に使われる場所という説や、水の細かい砂や石を取り除くのに使われたのではないかという説があるそう。くぼんだ谷のようなスペースにあるところから、やはり何か儀式に関連してそうな予感です。

②酒船石

亀形石造物のすぐ近くにあるのが酒船石。訪問時は工事が行われており、通行止め。①亀形石造物の受付の方に尋ねると、回り道で行けることを教えてくれました。ということで、南側へ。

階段を上るとすぐに目的のものが見えてきました!

長さ5.5m、幅2.3m、厚さ1mの巨石に刻まれているのは、模様のような溝。一部は破損しているようですが、その不思議な様は十分に感じることができます。

この石は、酒をしぼる槽とも、油や薬を作るための道具とも、さらに庭園の施設であったとも考えられています。

中でも有力なのが、天皇が古代に笹で作った船をこの石の溝に浮かべ、占いに使っていたという説。「笹船石」が、語り継がれるうちに「酒船石」に変化したのではないかともいわれています。

この模様を見て、カバラの「セフィロトの樹」が浮かんだ方は私だけではないハズ・・・!でも、さすがにユダヤと結びつけるのはロマンが強すぎますね。

③亀石

お次の石造物は亀石。①亀形石造物や②酒船石に比べると加工が見えずただの巨石に見えます。

良く見てください!

下の方に眼が2つあります!


ちょっぴり眠たそうな表情。目の位置が頭の上にあるため、どちらかというとカエルに見えます。

この亀石、これまでの石造物と異なり、使用用途などは不明。その代わり、こんな伝説が残されています。

かつて大和が湖であった頃、ここと対岸の「当麻」という土地で争いが勃発。長い戦いの末に湖を当麻にとられてしまい、湖に住むたくさんの亀が命を落としてしまいます。哀れに思った村人は亀の形の石を供養したそう。今は南西を向いているが、もし西の当麻をにらみつけたとき、大和盆地は泥沼になるといわれている。

今も当麻という土地はあるのでしょうか?葛城市に當麻寺で知られる「當麻(たいま)」という場所がありますが、もしかしてここのことでしょうかね。

④鬼の雪隠

田園風景の中に突如現れるのが鬼の雪隠。「雪隠(せっちん)」という耳馴染みのないコトバ、なんとトイレを意味しています。

トイレだとしたら見晴らし良すぎますね!!!

この鬼の雪隠、もともとは古墳の石室のパーツであると考えられています。たしかに、この規模でなおかつ部屋のようにも見える姿は、石棺を納めるのにぴったりです。

⑤鬼の俎

鬼の雪隠のすぐそばにある階段を上った先の竹林にあるのが鬼の俎。「俎(まないた)」はその名の通り、包丁で食物を切る時のあれです。

鬼が霧を降らせて通行人を迷わせ、そこを捕らえて俎で料理したとう恐ろしい伝説があります。「俎」で調理し、「雪隠」で用を足したと考えられていたそう。

と、ファンタジックな話は凄く面白いのですが、ここも雪隠と合わせて古墳の石室のパーツ。底石として利用されていたものであるそうです。

⑥益田岩船

最後にご紹介するのが益田岩船。竹林に包まれた不思議な石造物は、これもまるで何かのパーツのようですが、古墳の石室とは形状が異なっています。

こちらは長くなるので、次回にしますね!

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