古代ロマンがとまらない!『キトラ古墳と四神の館』(明日香村)

奈良県

古墳が数多く存在する奈良県明日香村。そんな中でもキトラ古墳を一躍有名にしたのは、古墳内部石室に描かれた壁画の存在。そこには、当時の色づかいや信仰など様々な情報がつまっています。1400年前の人々は、いったい何を描いたのでしょうか?

訪問日:2017/4/15(土) ※掲載内容および写真は訪問時のものです

キトラ古墳と四神の館

奈良県の明日香村にあるキトラ古墳は、7世紀末~8世紀初頭につくられたと考えられている古墳です。

昭和58年(1983年)に発掘調査が行われた際、石室にカラーの壁画が描かれていることが発見されました。高松塚古墳に続く2例目の壁画古墳として大きな注目を集めます。

さあ、壁画には何が描かれていたのでしょうか?

そんなキトラ古墳の壁画について詳しく知ることができるのが2016年9月にオープンした「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」。広々とした国営飛鳥歴史公園内にあります。

館内では、キトラ古墳の調査で分かったこと、また、未だ解明されていない謎について学ぶことができます。

薄暗い館内はとても神秘的。映像やプロジェクションマッピングなどデジタル技術を駆使した展示も多く、とても見やすい内容となっています。

石室に描かれていたのは?

館内には石室のレプリカがあります。さて、石室の壁画にはいったい何が描かれていたのでしょうか?

そこに描かれていたのは四神。マンガやゲームなどでもお馴染み、玄武・白虎・朱雀・青龍の4体の神獣です。そのうち玄武と白虎は肉眼でも確認できます。

しかし、青龍は泥で見えなくなっています。またレプリカ石室は、人が覗くため南側の壁は作られてません。そのため朱雀の姿も見ることができません。

他にも獣頭人身十二支像、十二支の頭をした人たちが描かれていました。イメージだとこんな感じです。

そして、石室の天井には天文図が描かれていたそう。館内の天井には、その図をライトで再現した展示も設置されています。

そこに描かれているのは、北斗七星をはじめとした中国式の星座たち。金箔の太陽、銀箔の月もあったといいます。なんと、現存する東アジア最古の天文図であるそう。

この天文図を見る限り、科学の発達する以前の遥か昔から天体の動きを意識していたことがはっきりとわかります。

壁画の発掘と保管

キトラ古墳の調査がはじまったのは1972年。高松塚古墳の壁画発見のニュースの直後に、近隣住民からの知らせで調査がはじまりました。シアタールームでは当時の発掘作業の映像を見ることができます。

発見された時点で劣化はかなり進んでおり、また発掘調査時に入り込んだ湿気でカビも発生。様々な問題が発生し、毎日が技術開発の連続であったそう。

このままでは保存することは困難であるため、取り外して保存処理を行うことに決まったのです。その取り外された壁画は、こちらの四神の館の1階に保管されています。

通常は非公開ですが、青龍、朱雀、白虎、玄武がそれぞれ別々に、年に1回ペースで公開されています。気になる方は公式HPにてスケジュールを確認してから訪問するのがおすすめ。

今回私は非公開の時期での訪問だったので、壁画を見ることはできませんでした。しかし、ガラスの向こうの真っ暗な部屋に横たわっている様子をちらっと見ることはできます。

1400年以上も昔の壁画がそこにたしかにあるのです。生まれてはじめて古代ロマンで感動して泣きそうになりました・・・!

キトラ古墳を見に行こう

四神の館の1階から地上に進むと、実物のキトラ古墳へと道が続く。きちんと整備されており、気軽に見学することができます。

真ん丸な円墳スタイルの古墳で、直径9.4m×高さ2.4mの上段と、直径13.8m×高さ90cmの下段の、2段構成となっています。

丸くぽちょんとした姿がなんだかかわいらしい。小さい頃に好きだったパンに似てます。

誰が眠っているの?

古墳というからには、誰かのお墓。そこには誰が眠っているのでしょうか。様々な説がありますが、正確なことはまだわかっていません。

<被葬者の候補>
・天武天皇の皇子である高市皇子
・高官の百済王昌成
・右大臣の阿倍御主人

わかっていることは、骨や歯から大柄な熟年男性であること、虫歯やかけた歯から歯の病気をもっていたこと、上の右側犬歯がへこんでいたのでモノをくわえる習慣があったこと。また、豪華な服装品から身分の高い人であると予想されています。

気になるのはその名前。カタカナ表記の「キトラ」ってなんだかとても引っかかる言葉です。「亀と虎の壁画」「住所の北浦」「方角(北西)」など、こちらも様々な説がありますが正確にはわかっておりません。

とにかく謎だらけなキトラ古墳、今後の研究が楽しみです。

充実のキトラグッズ

四神の館・キトラ古墳の見学もこれにて終わり。でも、帰る前にぜひ覗いてほしいのが四神の館の隣にあるミュージアムショップ。ここではキトラ古墳に関連する様々なグッズを販売しています。

特に注目なのが、怒涛の四神グッズたち!四神マグネットや四神絵文、さらには四神クッキーまで、いろいろなカタチで四神をご家庭に持ち帰ることができます。

一番インパクトがあったのがこちらのキトラ醤油。朱雀はたまごかけごはん、青龍は刺身、白虎はステーキ、玄武は豆腐やサラダと用途にあわせて使い分けができます。

4つ集めて、食卓の東西南北に配置してみたいところですが、わたしのお財布がそれを許してくれませんでした。

アクセスと営業情報

近鉄吉野線の壷阪山駅より徒歩15分、飛鳥駅より徒歩30分。飛鳥駅からは直通バスも出ており、これに乗車すれば5分ほどでアクセスできます。

開館時間 9:30~17:00 ※12月~2月は16:30まで
休館日 水曜、年末年始
料金 無料
公式サイト https://www.nabunken.go.jp/shijin/

※掲載の情報は2022年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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