日本の初代天皇・神武天皇を祀る神社『橿原神宮』(橿原市)

奈良県

神武天皇が最初に都をおいた地に建てられた、神武天皇を祀る神社。最初の天皇が日本を建国した、いわば「日本のはじまり」ともいえる場所です。国宝や文化財といった派手な見どころは少ないですが、自然が豊かで澄み切った空気の境内は、歩いていて心地良い気分になります。

2021/9/19(日)

神武天皇を祀る神社

奈良県橿原市にある橿原神宮は、神武天皇と、その皇后である媛蹈鞴五十鈴媛(ヒメ タタラ イスズ ヒメ)を祀る神社。神武天皇は紀元前660年という、今から2,600年前に即位したとされる天皇で、日本国における初代天皇とされています。

神武天皇は奈良盆地一帯を征服する神武東征(じんむとうせい)を行い日本国を建国します。その際に「畝傍橿原宮(うねびかしはらのみや)」という都を置いたこの地に建てられたのが橿原神宮。

さぞかし深い歴史のある神社かと思いきや、創建は明治23年(1890年)と比較的新しめの神社。民衆の請願を受けた明治天皇によって建立されました。

大鳥居と参道

高さ10mにも及ぶ立派な一の鳥居をくぐると、100mの表参道が広がります。砂利が敷き詰められており、歩くたびにジャッジャッという音が響きます。夕暮れの訪問だったため、参拝客もまばら。静かな境内は荘厳な雰囲気。

宮川にかかる神橋を渡ると二の鳥居。一の鳥居と同規模の木製鳥居です。いずれも「素木造り(しらきづくり)」という、塗装の無いタイプ。一般的には、御祭神が天皇である神社で見られるそうです。

歩いていると、どこからか柑橘系の良い香りが漂ってきました。この香りの正体は、おそらくキンモクセイ。9月に訪問したところ、芳醇な香りを楽しむことができました。

外拝殿と内拝殿

参道を抜けて、南神門を抜けると、広々とした空間に建つ大きな建築が見えてきます。こちらは昭和14年に完成した外拝殿(げはいでん)。向かって右側には、幅5m以上の巨大な絵馬も置かれています。

外拝殿の中へ進むと、内拝殿が見えます。通常時は外拝殿からの参拝ですが、毎年2月11日に行われる紀元祭をはじめとした祭典や特別参拝の際にはこちらが拝殿となるそうです。

外拝殿から内拝殿までは外院斎庭が広がっており、その周りを廻廊が取り囲んでいます。等間隔に並べられた柱と燈籠がとても美しい。

千木と鰹木

内拝殿の屋根の向こうには、X上にのびる先端が見えています。こちらは千木(ちぎ)、そしてその根元に横たわっているのは鰹木(かつおぎ)。いずれも神社建築の屋根に見ることができる飾りです。

拝殿の奥にあるのは本殿。この千木は本殿の屋根が見えているのかと思いきや、本殿の手前にある幣殿のものとのこと。

通常は本殿に千木・鰹木が付けられるのですが、橿原神宮の本殿は明治天皇より賜った京都御所の内侍所(ないしどころ)という建物を移築したもの。天皇からいただいた御殿に手を加えることは恐れ多いため、千木と鰹木は本殿には置かれず、代わりに幣殿に置かれたとのことです。

深田池

橿原神宮の境内には深田池(ふかだいけ)という大きな池が広がっています。この池は、神宮が建立されるよりも以前から存在していたそう。静かな水面を眺めていると、心が穏やかになっていきます。

池の周囲には遊歩道がつくられており、中央には対岸へと渡るウッドデッキも設けられています。神宮閉門後もこちらは出入り自由となっており、夕暮れの中集まって話す人々やウォーキングしている人の姿が。まるで公園のように長閑な雰囲気です。

野鳥も多く見ることができ、観察小屋も設置されています。コサギやカモを見かけましたが、他にもオナガガモやカワセミなど様々な種類の野鳥を観察できるそうです。

アクセスと情報

橿原神宮前駅より徒歩10分。車の場合は京奈和自動車道の橿原北ICから約20分、南阪奈道路の葛城ICから約20分ほど。駐車場は1日500円です。

橿原神宮から1kmほどのところには神武天皇陵もあります。時間に余裕がある方はあわせての参拝もおすすめです。

開門時間 6:00~18:00
料金 無料
公式サイト https://kashiharajingu.or.jp/

周辺の他の観光スポットと比べて、開門時間が長いのがポイント!社務所は閉まっておりますが、早朝や夕暮れに訪問すると、静かで凛とした空気の中での参拝が行えます。

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