あちこちに隠れたウサギ探しが楽しい!『調神社』(さいたま市)

埼玉県

2023年は卯年!ということで、ご利益を求めてウサギにまつわる神社である調神社へ行ってみました。境内入口を守る狛ウサギをはじめ、境内にはウサギがたくさん!隠れた「ウサギ探し」が楽しめます。

訪問日:2023/2/4(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

住宅街に佇む神社

さいたま市浦和区、浦和駅から徒歩10分ほどのところに佇む調神社。「調」は「つき」と読み、地元では「つきのみや」とも呼ばれているそうです。すぐ隣には調公園もあり、憩いの場といった雰囲気もある場所です。

この神社は開化天皇年間(起源前158~98年)に創建されます。その後、崇神天皇の命により派遣された倭姫命によって伊勢神宮に献上する調物(ちょうもつ)を集める倉が建てられました。「調」の名は、ここにちなんでいると言われています。

御祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)、豊宇気姫命(とようけびめのみこと)、素盞嗚尊(すさのおのみこと)の三柱。

ウサギがたくさん

境内入口には狛犬ならぬ狛ウサギ。よくみると左右どちらも小さな子ウサギを連れていてとってもかわいらしい。

手水もウサギ。耳が後ろに垂れているので、ちょっとだけハムスター感もあります。カメやカエルといった水に暮らす生き物ならまだしも、ウサギの口から水が出ているのはちょっと不思議な感じ。

拝殿の彫刻にも、獅子や龍と並んでウサギの姿。渦巻く模様とともに軽快な姿で刻まれています。

他にも拝殿では飾りや灯籠にも小さなウサギが記されています。普通に見ているだけでは気がつきにくい場所にもウサギがいるので、じっくり観察してみましょう!

まだまだ続くウサギ探し

境内にある調宮天神社。まわりには多数の絵馬がかけられていますが、もちろんウサギが記されています。

神池をよく見ると池の中央にはウサギの噴水が。手水と同じく口から水が流れる姿、まだちょっと違和感ありますね。

神池の奥に建つ稲荷社。透明な建屋の中を覗いてみると、色鮮やか姿の社殿が安置されています。こちらは江戸時代に造られたもので、かつて調神社の旧本殿であったそう。

その彫刻もよく見ると、ウサギの姿。白と金のウサギが軽快に波乗りしています。先程の拝殿の彫刻でもウサギと波でしたが、ウサギってそんなアクティブに泳ぐ生き物でしたっけ?

この組み合わせは能の謡曲「竹生島」にて “月のウサギが湖面に映り、波に乗っているよう” といった表現があったことに由来しています。ウサギといえば月のイメージが強いですが、かつては波とウサギというのも好まれた組み合わせ。火伏せの象徴でもあったため、そのような効果も期待されていたのではないでしょうか。

なぜウサギがいるのか

なぜこんなにウサギがいるのでしょうか?出雲大社のように大国主神でしたら因幡の白兎との関連があるので頷けるのですが、祀られている三柱にウサギに関わる神話など思い当たりません。

どうやら、月待信仰という民間信仰が関係しているようです。日々形を変えていく月を拝む進行で、室町時代頃から生まれ、江戸時代に全国的に流行したそう。

調神社は、その名の響きから月待信仰と結びつけられます。この流れで、月の動物であるウサギを神の使いとして祀るようになったそう。

境内に伝わる七不思議

この神社には七不思議があります。まずは「①鳥居が無いこと」。これはこの神社がかつて調物を蓄える場所であったことに由来しているそう。倭姫命の命で、調物を運ぶ際に妨げとなるため撤去されたといわれています。

続いて「②松がない」こと。確かに無いように見えましたが、これはそれほど不思議な感じはしません。

「③御手洗池に魚を放つと片目になる」。これは不思議な現象ですが、現在のところ御手洗池が無いため検証はできませんね。

「④神使がウサギであること」は、先程の月待信仰との関連でクリアになった気がします。

「⑤日蓮聖人駒つなぎのケヤキ」は、かつて日蓮が駒(ウマ)をつないだケヤキがあるということらしい。伝説としては面白いですが、不思議かといわれると難しいですね。

最後の2つは、「⑥蝿がいない」「⑦蚊がいない」。今回は冬場の訪問だったのでどちらもわからず。境内には池がありますが、これで蚊がいなかったらそれは不思議です。

もし夏場に訪問される方は、ウサギ探しと合わせて「七不思議検証」してみてはいかがでしょうか。

アクセス情報

浦和駅西口より徒歩10分。参拝者用の駐車場もあり、警備員さんが案内しておりました。

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