大量のペンギンと大迫力のクロマグロをはじめ、とにかく膨大な数の生き物を展示している大きな水族館。小笠原までを含めた東京の海や、北極から南極まで網羅した世界各地のサカナなど、ここでしか見ることのできないレアな生き物もたっぷり。時間をかけてじっくり楽しみたい水族館です。
入口は巨大なガラスドーム
葛西臨海公園内を進んでいくと、目に入るのが地上30mを超える巨大なガラスドーム。こちらは1992年にオープンした水族館・葛西臨海水族園。インフィニティプールのように広がる水辺に建つ姿はなんともフォトジェニックで、晴れた日に訪れたい水族館です。
設計を担当したのは谷口吉生。金沢の鈴木大拙館やGINZA SIXなどを手掛けた日本を代表する建築家です。このドームの中が水族館かと思いきや、ここはエントランス。エスカレーターで降りていくと、水族館の展示室が広がります。
すぐに目に入るのは大水槽。アカシュモクザメやツマグロ、ハガツオ、スマなどのサカナが泳ぐ椅子も設置されており、ぼんやりと眺めて過ごすのもおすすめ。
圧巻のクロマグロ
葛西臨海水族園に来たらゼッタイに見逃せないのがクロマグロの遊泳。シアターのように広がるホールからは、円形水槽を悠々と泳ぐクロマグロを眺めることができます。
大きいもので170cm・100kgにも及ぶ巨大なクロマグロ。そんな魚たちが総勢約70匹も泳ぐ姿は迫力満点!巨体がスイスイと行き交う様子は、ずっと眺めていられます。
まるで金属加工されているかのようにメタリックなクロマグロ。かっこよくも美しく輝いています。
人気者のペンギン
この水族館には、通常水族館の人気者であるイルカやアザラシなどの海獣類がおりません。それを補って余りあるのが大量のペンギン!屋外のペンギンプールにはフンボルトペンギンやミナミイワトビペンギンがたくさん。水中の様子が見れる観察窓も設置されており、のびのびと暮らすペンギンを飽きるほど楽しめます。
小型のフンボルトペンギンに混じって、よくみるとオウサマペンギンの姿も!他のペンギンよりもずっと大きく貫禄があり、名前に違わぬ王様オーラを放ちます。写真の右奥に佇んでいるのですが、見つけられますか・・・?
こちらの小さいペンギンは、こどものペンギンではなくフェアリーペンギン。大人になっても30cm程度という、世界に18種類いるペンギンの中で最も小型の種類です。
ペンギンに見えますが、こちらはまったく別の鳥。黒い羽毛にオレンジ色のクチバシがエトピリカ、モノトーンの方がウミガラスという種類になります。どちらも水中を泳ぐことができる鳥類。翼を使ってかなりハイスピードに泳ぐので、水中を飛んでいるかのようです。
世界のサカナが大集合
「世界の海」エリアをはじめ、世界中の個性的な生き物を多数展示しているのも特徴の一つ。木の影でじっとしている大きな魚はバラ・ムンディ。オーストラリアに生息しているアカメの仲間です。
タツノオトシゴの進化系のような姿のウィーディシードラゴン。ただ流れにまかせているように見えますが、実は透明な胸ビレと背ビレをめっちゃ小刻みに動かしてます。
北アメリカに棲息する巨大な海藻・ジャイアントケルプ。世界一大きな海藻とも呼ばれており、大きくなると40mを超えることもあるそう。コンブの仲間ですが、食べてもそれほど美味しくはないようです。
レアな北極と南極
他の水族館では滅多に見かけないレアな展示が北極と南極エリア。極海に暮らすレアな生き物の展示に加えて、北極と南極の違いや、実際に海に潜った人からの一言など、読み物も充実しています。
まだら模様のショートホーンスカルピンは北極海のサカナ。大きな口でエビ、サカナ、カニなどなんでも飲み込んでしまうそう。
こちらの大きなサカナの標本はアンタークティックトゥースフィッシュ。南極海最大級のサカナで、第57次日本南極地域観測越冬隊員が2016年に釣り上げたもの。日本ではライギョダマシとも呼ばれています。
忘れてはいけない東京の海
この水族館のご当地エリアが東京の海。東京湾のアマモ場や干潟に暮らす生き物など東京の海が再現された水槽が並びます。これだけだと他のエリアに比べて少し地味ですが、東京の海には小笠原と伊豆諸島の海も含まれます!太平洋に浮かぶ島々も東京都に属していることを思い出しました。
こちらはユウゼン。友禅染めのような模様からその名がついたと言われています。このサカナは日本固有のチョウチョウウオで、小笠原と八丈島以外では滅多に見ることができません。
オレンジ色に白いラインの入ったオビシメ。こちらも小笠原・八丈島でしか見つかっていないそうです。
なお、この東京の海エリアは、キャットウォーク(空中通路)があります。水槽を上からみたり、バックヤードを見学できてワクワクする演出です!
マニアックな生き物たち
さてさて、一通り水族館の紹介も終わったところで、最後は私が気になったちょっぴりマニアックな生き物たちをご紹介したいと思います!
まずは深海の生物エリアのキヌハダクモヒトデ。まるでナスカの地上絵のような不思議な模様を全身で描いています。隣にいるキホウボウも、心なしか不思議そうな顔して見えますね。
ふゆふよと漂うように泳ぐサケビクニン。よく見るとアゴのあたりにヒゲのようなものが生えていますが、こちらはヒレが伸びたもの。なんと味覚を感じる感覚器があり、これでエサを探すそう。
数々の生き物の中でも一番インパクトがあったのがノドグロヒメアンコウ。マストのように高く伸びたトゲが生えており、まるで沈没船のような渋さを醸し出しています。よく見ると、瞳がとってもキレイなブルーで吸い込まれそう・・・!
ざっくり見るだけなら1時間程度で見終えそうですが、じっくり見た結果、滞在時間は2時間ほど。イルカショーなどが無いため、マイペースで見学できるのも逆に魅力。いろんな生き物をたっぷり観察できる、生き物好きにはたまらない水族館でした。
アクセスと営業情報
JR京葉線の葛西臨海公園駅から徒歩5分。混雑することが多いので、朝一番か15:00以降のピークタイムずらしがおすすめ。
開館時間 | 9:30~17:00 |
---|---|
休館日 | 水曜、年末年始 |
料金 | 700円 |
公式サイト | https://www.tokyo-zoo.net/zoo/kasai/ |
※掲載の情報は2022年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント
[…] ゴンドラはぐんぐんとあがっていきます。東側にはホテルシーサイド江戸川、展望レストハウスクリスタルビュー、そして葛西臨海水族園のガラスドームがよく見えます。 […]