国内最大規模の円墳に登ろう!『茶すり山古墳』(朝来市)

兵庫県

こんもりとしたグリーンの姿が美しい、国内屈指の大きさを誇る円墳。墳丘にはハニワが並べられており、当時の面影を感じさせてくれます。山頂部分で発掘された埋葬施設は、そのまま保存展示されており自由に見学することができます。

訪問日:2021/9/23(木)

緑が美しい古墳

兵庫県の朝来市、北近畿豊岡自動車道に寄り添うように立つこんもりとした小山。こちらは茶すり山古墳という、古墳時代の中期に築造された円墳です。

戦国時代には古墳上に砦が築かれ、築造当時に敷かれていたであろう葺石などは流出。平成13、14、17年の発掘調査によりその全貌が明らかになり、現在は国の史跡にも指定されています。

その大きさは直径約90m、高さ約18mにも及びます。目の前に立って見るとなかなかの迫力です!

古墳に登ろう

墳丘はきちんと整備されており、自由に登ることができるタイプ。

かつて墳丘の斜面には葺石(ふきいし)という石が敷かれていたようですが、現在は草に包まれています。9月下旬に訪問したところ、緑がとってもキレイです。

ずらりと並んだ埴輪。円筒形を中心に、ラッパのような口を空けた朝顔形の埴輪が配置されています。埴輪と合わせて木の柱も立てられていたと考えられており、そちらも再現されています。

山頂の埋葬施設

埴輪がサークル状に並べられた山頂。周囲一帯は山が広がっており、遠くには雲海で有名な竹田城跡の姿もちらっと見えます。

茶すり山古墳の埋葬施設は、横穴の石室ではなく山頂に2ヶ所確認されています。第1埋葬施設はガラス窓が設置されており、横たわる農耕具や鉄剣、鉄鏃(てつぞく=やじり)などの副葬品の姿を見ることができます。

第2埋葬施設は覗くことはできませんが、イラストの解説があり、第1と同様に様々な副葬品が埋葬されていたことがわかります。

いったいどのような人物が埋葬されているのでしょうか?

正確なことはわかっていませんが、4面の鏡や豊富な副葬品が出土したことから、但馬地域を治めていた「但馬の王」ではないかと考えられています。また、畿内でしか出土していないという襟付短甲などの副葬品から、大和政権とも深いつながりがあったのではないかと考えられています。

最大規模の円墳

国内最大の古墳は言わずと知れた大仙陵古墳(仁徳天皇陵)。鍵穴のようなカタチの「前方後円墳」です。全国の古墳の大きさランキングの上位は、ほぼ全てこの前方後円墳が占めています。

では円墳に絞ってざっくりとした大きさランキングを作ってみると、いったいどのようなラインナップなのでしょうか?そして、この茶すり山古墳は第何位なのでしょうか?

1位 富雄丸山古墳(奈良県) 直径109m
2位 埼玉丸墓山古墳(埼玉県)直径105m
3位 小盛山古墳(岡山県)  直径95m
4位 甲山古墳(埼玉県)     直径90m
   茶すり山古墳(兵庫県)  直径90m
5位 磯浜車塚古墳(茨城県)   直径88m
(※Wikipedia調べ)

なんと、茶すり山古墳は全国4位の大きさでした!それほど知名度があるわけではありませんが、実はけっこうスゴイ古墳だったのですね。

1位の富雄丸山古墳はもともと86mとされていましたが、2017年の調査の結果106mまで復元できると測定され、一気に1位へと躍り出ました。今後も調査の結果次第で、ランキングが変動する可能性は大いにあり得ます。

もっと知りたい方は

墳丘のすぐ隣には茶すり山古墳学習館という小さなガイダンスセンターも。私が訪問時は残念ながら閉館しており、内部を見ることができませんでした。口コミによると、ここはパネル展示や写真を見ることができるそうです。

すぐ近くにある「道の駅 但馬のまほろば」には、朝来市埋蔵文化財センター古代あさご館というミュージアムもあります。

なんと、こちらも休館中でした・・・。

ということで、古墳とは全然関係ありませんが、道の駅のフードコートにある但熊の卵かけご飯で朝ごはん。但熊というのは豊岡市但東町にある卵かけご飯の有名店。少々アクセスしにくいところにあるのですが、この道の駅ではその卵かけご飯を食べることができます。

新鮮な卵に、海苔、ネギ、わさび、そしてもち麦味噌を混ぜて食べる卵かけご飯は絶品!朝ごはんにぴったりです。卵が足りない人は、50円で追加できます。ちなみに本家はでは卵は無制限らしいです・・・!

アクセス情報

北近畿豊岡自動車道・播但連絡道路の和田山ICから約1分。駐車場は古墳の近くの路肩に5台ほど停めるスペースがあります。

古墳自体は24時間見学可能ですので、私は竹田城跡の雲海を見た後、朝早い時間に訪問しました。

車中泊して雲海チャレンジ!『竹田城跡』(朝来市)
「天空の城」として全国的に有名な城跡。秋の早朝に立雲峡をプチ登山すれば、雲海に浮かぶ幻想的な姿を見ることができます。今回は駐車場の混雑回避のため、車中泊して雲海チャレンジしてきました!

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