南国の雰囲気がぎっしり詰まった植物園。沖縄や奄美群島で見られる植物に加えて、東南アジアをはじめとした海外の植物も多数栽培されています。園内をゆったり歩いて、島時間を過ごすことができる場所です。
島の亜熱帯植物園
与論島の南部にあるユンヌ楽園は、300種類以上の植物を見ることができる島の植物園。集落からは少し離れた高台にあります。ちなみにユンヌというのは琉球方言で与論島のことを意味するそうです。
しっかりした受付がありますが、ここも赤崎鍾乳洞と同じく無人。虫除けスプレーが置かれているのがとっても親切。
園内の多くの植物には解説板が立てられています。写真つきでとってもわかりやすく、栽培ポイントの記載もあるのが植物園らしくて面白いです。
トロピカルな花
四季折々の花が楽しめる植物園、訪問した9月下旬に見ることができた花を紹介させていただきますね!
オレンジ色の花は、キバナキョウチクトウ。アメリカ原産で、明治初期に導入されたそうです。周年開花するが見頃は6月〜10月ごろ。毒性があるから触らないようにとのことでした。
こちらはオオホザキアヤメ。白い花が穂状につくのですが、一度に1から3こしか咲かないため不思議なバランス。茎や葉が薬用、根が食用として利用されるそうです。
真っ赤な花はオオベニゴウカン。原産地は南米のボリビアで、その姿から英語ではパウダーパフとも呼ばれるそう。なんかこんなおもちゃありませんでしたっけ?
花が咲くということは、虫もたくさん!華やかなチョウに加えて、こんなきらきらの甲虫も見つけました。
カナブンなどのコガネムシかと思いきや、よく見るとカメムシの姿。おそらくナナホシキンカメムシという種類だと思います。
個性的な樹木
花はもちろんのこと、ユニークな樹木もたくさん植えられています。受付そばにそびえたつのは巨大なガジュマル。風鈴がたくさん付けられており、爽やかな音色が響き渡ります。
こちらの針葉樹はコバノナンヨウスギ。ニューカレドニアのノーフォーク島にしか自生しない樹木で、環境適応力に優れるそう。
本州ではポピュラーですが、スギ科の植物は南西諸島ではけっこうレア!と思ったのですが、通常のスギがヒノキ科に属するのに対して、こちらはナンヨウスギ科。沖縄本島の海洋博公園や東南植物園でも見ることができます。
マダガスカル原産のビヨウタコノキは、島ではアダンと呼ばれています。葉も根も直線的でなかなかのインパクト。この葉っぱはゾウリに、根っこは筆に利用されるそう。
こちらの細い低木はアフリカ原産のコーヒー。コーヒー豆がなる細い枝がしなやかに伸びる不思議な姿をしています。枝を意図的に増やすと収穫量が増やせるというウワサも。
この竹はキンシチク。中国・東南アジア原産の竹で、1995年頃に沖縄に導入されたそう。竿に金色の線が入ることから「金糸竹(キンシチク)」という名が付けられております。まるでポスカで塗り分けたようなカラーリングがあざやか。
ちょっとした民俗養素も
園内には寄棟造の古民家もあります。
中を覗いてみると、カゴ、カメ、ビロウの葉で編んだフバガサなどの民具がたくさん並んでいます。日の丸のハチマキなど、戦争を感じるものも。
大きな木製の道具はサタグルマという名が記されています。これは何に使う道具なのでしょうか?
解説は見当たらず、貼られていたのは薄い写真のみ。上の木を回しながら、歯車に何かを入れている様子がぼんやり見えますが、もしかしてサトウキビでしょうかね。
かつては他にも昔ながらの家屋があったそうですが、台風の影響で倒壊。しばらく休業していましたが、ここ数年で再開したそうです。園内を歩いていると、整備しきれていないように見える箇所がちらちらありましたが、おそらく台風被害から完治していないのでしょう。与論島で植物を感じられる貴重なスポット、今後も続いていくと嬉しいです!
アクセスと営業情報
与論空港・港から車で10分弱。入口の前にちょっとした駐車スペースがあります。
開園時間 | 9:00~17:00 |
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休園日 | 不定休 |
料金 | 300円 |
※掲載の情報は2024年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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