鹿児島県に伝わる巨人「弥五郎どん」に会いに、道の駅の弥五郎まつり館へ!ホール状の空間に圧倒的な存在感でたたずむその姿を拝むことができます。この巨人、いったい何者なのでしょうか。
伝説の巨人・弥五郎どん
鹿児島県の曽於市を走っていると、あちこちで目にする「弥五郎どん」の文字。この地に伝わる伝説の巨人であり、11月3日に行われる岩川八幡神社の祭事において登場します。
地域の人々の力で引っぱり起こし、袴や刀を装備、そして市内パレードへと進む巨人の祭。この祭事は約900年の歴史を持っているそう。
1年に1度しか姿を見せない巨人ですが、道の駅おおすみ弥五郎伝説の里へ訪れれば、一年を通してその姿を見ることができます。ということで、道の駅の敷地にある「弥五郎まつり館」へとやってきました。
迫力の立ち姿
弥五郎どんのテーマソングらしき音楽が流れるにぎやかな館内。吹き抜けの空間の中心には、褐色の衣をまとった巨大な弥五郎どんが立ちはだかります。その身長は4.85mと、かなりの迫力です。
こちらはレプリカであり、本物は岩川八幡神社に納められているそう。中身は竹籠で組み立てられているため、ばらばらの状態で保管されているとのことです。ちなみに着物、中身の竹籠ともに4年に1度作り替えられています。
下からだとほとんど顔が見えませんが、周囲に伸びるスロープを上っていくと、御尊顔を拝見できます。牙をはやした形相、頭にはハチマキとサギのような飾り。一般的な日本神話の神様とは異なる風貌は、独自の存在感を放ちます。
弥五郎どんとは何者?
この弥五郎どんの正体として考えられているのが、隼人族の首領。隼人族というのは、かつて鹿児島の地に暮らしていたとされる人々。当時の政権である大和朝廷の支配に対して抵抗し「隼人の反乱(720年)」を起こすも、1年半にもおよぶ戦いの末に鎮圧されてしまいます。
その戦いにおいて隼人族の戦没者があまりに多く、慰霊のために放生会を行いました。それが弥五郎どん祭りのはじまりといわれています。(※「放生会」というのは、捕獲した生き物を野に放ち、生命を慈しむ儀式のこと)
1年に1度、隼人族の首領を復活させることで隼人族の霊を慰める、そんな意味が込められているのです。
実はこの弥五郎どんの正体は諸説あり、別の説として武内宿禰ではないかとも考えられているそう。
武内宿禰は300年以上生きたとされ、実在したかどうか定かではない伝説の人物。ただし、こちらは大和朝廷に仕えており、隼人族の首領とは立場が真逆です。さきほどの慰霊のためという流れもしっくりきますので、やはり隼人族の首領であると考える方が自然な気がしますね。
まちを見守る巨像
まつり館の裏の丘をのぼると巨大な銅像がそびえ立っています。
もちろん、こちらも弥五郎どん。高さ15mと、さきほどの弥五郎どんの3倍という巨大さ。1996年に地域おこしのシンボルとして建立されたものであるそう。
広い背中からは、人々を率いた力強さを感じます。
なお、弥五郎どん祭は、この鹿児島県の岩川八幡宮の他にも、宮崎県都城市の的野正八幡宮(円野神社)、日南市の田ノ上八幡神社でも行われています。的野正八幡宮は「長男」、田ノ上八幡神社は「三男」、そして今回紹介した岩川八幡宮は「次男」であるという三兄弟の設定もあるそうです。
アクセスと営業情報
東九州自動車道の曽於弥五郎ICより車で5分ほど。
弥五郎まつり館は、「道の駅おおすみ弥五郎伝説の里」の奥にあります。駐車場も建物の目の前にあるので、車の方は奥まで進んでしまうのがおすすめです。
開館時間 | 9:00~17:00 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.city.soo.kagoshima.jp/kurashi/koukyousisetu/kannkousisetu/yagoroudennsetunosato.html |
※掲載の情報は2023年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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