古代から続く和歌山の歴史『和歌山市立博物館』(和歌山市)

和歌山県

古代から現代まで続く和歌山の歴史を感じることができる歴史博物館。再現された石室や、国内唯一の「金の勾玉」、精巧に造られた和歌山城のジオラマなど、様々な展示がそろっています。

訪問日:2025/10/21(火) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

駅チカの歴史博物館

突然決まった4日間の大阪旅行、最終日は和歌山に行ってみます!宿のある新今宮駅から南海線で1時間ほどで和歌山市駅へアクセスできることに加え、和歌山市内は和歌山城や貴志川線をちらっと見た程度でまだまだ未訪問のスポットがたくさん。ということで、和歌山市駅周辺にある博物館や美術館をめぐってみることに。

まず最初に向かったのは南海線の和歌山市駅から徒歩5分ほどのところに建っている和歌山市立博物館。和歌山城の築城から400年経ったのを記念して昭和60年(1985年)に開館しました。シンプルな外観は、これぞ市立博物館といった出で立ち。

内部は3階建て。1階が常設展示室となっています。2階以降は立ち入り禁止でしたが、おそらく特別展の会場となっていそう。

和歌山城の近くに「和歌山県立博物館」という非常に似た名前のスポットがあるので混同注意。展示内容は紀伊徳川家の歴史資料が中心と少し被っていますが、大きな違いは写真撮影。県立博物館は展示室内撮影NGとなっていますが、今回の市立博物館は一部を除いて撮影可能です!

レアな古代の歴史資料

まずは古代から。最初に目に付いたのは馬の顔を覆う馬具の一種・馬冑(ばちゅう)。1957年の大谷古墳の発掘調査で出土したものです。中国や朝鮮の壁画では確認されていたものの、実物が発見されたのはアジア初であったそう。

展示されている多数の埴輪の中でも、インパクトがあるのが囲形埴輪。車駕之古址(しゃかのこし)古墳から出土したもので、古墳時代の豪族の居館を表していると考えられています。家形の埴輪は何度か見かけましたが、囲いを表現しているものは初めて見ました!

見逃せないのが金の勾玉。囲形埴輪と同じく車駕之古址古墳より発掘されたものです。実は金製の勾玉は国内で唯一とのことです!超レアですね!!

6世紀前半に築造された天王塚古墳は、約10mという大きな石室を持つ古墳。展示室には、その石室の4.2mの玄室部分が復元されています。

この石室は中に入ることが可能。大きさはもちろん、入ってみると感じるのは天井の高さ。高さ5.9mにも及ぶ広い空間となっており、天井には石の梁が8本も備えられています。

御三家の紀州徳川家

元和5年(1619年)、徳川家康の10男である徳川頼宣が入国。尾張・水戸と合わせて「御三家」と称される紀州徳川家が誕生します。

そんな紀州徳川家・紀州藩ゆかりの資料は大充実。将軍の肖像画が描かれた掛け軸、東照宮建立の経緯を記した絵巻物、葵紋があしらわれた蒔絵大名火鉢など、様々な品が展示されています。

こちらは和歌山城の復元模型。江戸時代後半の姿を1/500で再現したものです。

城郭はもちろん、それを中心にずらりと並ぶ屋敷まで精巧に作られています。今も現地に復元されている屋根付きの「御橋廊下」も確認できました!

ちなみに、この頃の和歌山は全国7番目の都市であったそう。1~6位はおそらく、江戸・大坂・京都・名古屋・金沢・仙台でしょうかね。

近代以降の和歌山

展示室の後半に広がるのは復元された和歌山の農家。内部には半円形式の竈門や機織機、糸紡ぎ車などの民具がたくさん。藁の放つ独特な香りがたまりません。

突然現れる人形は、淡嶋神社奉納雛人形。淡嶋神社は様々な人形が奉納される神社として知られておりますが、その中で最も多いのが雛人形。災厄を人形に込めて流し送る信仰と、すべての流し雛が淡嶋神社に流れ着くという信仰が混在して、現在の淡嶋信仰が成り立っているそう。

こちらは御坊人形。日高地域で3月の節句に飾られるものです。鯛を抱えた犬「鯛狆」、「夫婦達磨」など縁起物がメイン。男の子には御坊天神、女の子には立ち雛が贈られていたそうです。

最後は昭和のくらし。ちゃぶ台に並ぶ食事、黒電話、ブラウン管テレビ、壁に貼られたペナント、ピンク・レディのソノシートなど、経験していない時代であるにも関わらず何故か懐かしく感じてしまいました。

このあとは和歌山城へと向かいます!久しぶりに訪ねる城郭、やっぱり「小人」は見つけておきたいところです。つづく。

アクセスと営業情報

南海線の「和歌山市駅」から徒歩約5分。

開館時間 9:00~17:00
休館日 月曜、年末年始
料金 100円
公式サイト http://www.wakayama-city-museum.jp/

※掲載の情報は2025年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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