小人が隠れている連立天守の平山城『和歌山城』(和歌山市)

和歌山県

和歌山市の中心部に広がる和歌山城は、小高い山の上にそびえ立つ風格あふれる城郭。連立天守や御橋廊下など、個性的な建築も見応えたっぷり。城内に隠れた、「石垣をよじ登る小人」探しもお忘れなく!

訪問日:2025/10/21(火) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

和歌山市のシンボル

和歌山市のシンボル、和歌山城。「虎伏山(とらふすやま)」の山頂に建つ梯郭式平山城です。

築城は1585年。豊臣秀吉の弟・秀長によって、紀州統治のために築かれました。江戸時代には徳川御三家のひとつ、紀州徳川家の居城となり、徳川家の重要拠点に。明治維新後に発布された廃城令で一部取り壊されますが、城跡は公園として利用されるように。1945年の空襲で天守などが焼失してしまいましたが、1958年に鉄筋コンクリートで再建されます。

そんな和歌山城は今でも和歌山市のシンボル!観光で訪れたならば、ぜひとも訪ねておきたいスポットです。

見どころの多い二之丸

城への入り口はいくつかありますが、今回は和歌山市駅のある北側から。「わかやま歴史館」というミニミュージアムから進んでいくと、屋根が設けられた橋が見えてきます。こちらは御橋廊下と呼ばれる建造物。かつては藩主と付き人専用の橋だったため、中の様子が外から見えないようになっています。

現在の御橋廊下は誰でも無料で渡ることが可能。靴を脱ぐのですが、滑らないように段々になっている「だんだん張り」の床がけっこうイタイ。常にツボ押しされているような感じで、素足にはなかなか厳しい床です。

渡った先は、二之丸広場。かつて大奥があったとされる場所です。

二之丸広場の近くにあるのが西之丸庭園。お城の内堀を池に見立てているというアイディアがユニーク。そこにせり出して立つ「鳶魚閣(えんぎょかく)」も非常に絵になります。秋には見事な紅葉が見られることから、「紅葉渓庭園」とも呼ばれているそう。

二之丸広場の先に置かれているのは伏虎像。現在のかつらぎ町の工芸作家・角田蘇風が昭和34年(1959年)に造ったコンクリート像で、和歌山城が建っている虎伏山にちなんでいます。戦前は別の姿の虎の像が置かれており、これは2代目であるそう。

この虎の像は、「小人」と並んで、和歌山城を代表するフォトスポットになっています。小人って何かといいますと、それはもう少しお待ちくださいね。

坂を登って天守閣へ

ここから天守閣までは、裏坂登り口を進みます。石畳の道は思っていたよりもずっと急斜面。一気に登ろうとすると息が上がってしまうのでゆっくりと進みます。

この坂道の入口には例の「小人」がいるのですが、それは後ほど。もう少し引っ張ります。

天守閣の手前にあるのが本丸御殿跡。藩主の屋敷が置かれていましたが、地形的に不便で手狭になったことから、後に二之丸へ移転します。

ここは天守閣のビュースポット。美しい天守閣をちょうど良い角度から望むことができます。この記事のトップの写真も、ここから撮影したものですよ!

櫓が連なる連立式天守

和歌山城の天守閣は、姫路城や松山城と同じ連立式天守。大天守に加えて小天守や二の門櫓が立体的に連なっている様子が面白いです。

天守閣への入り口となる楠門。木造であるため、再建とは思えない風格があります。ここから先は有料エリア。

すぐに見えてくるのが大天守。三層の「層塔型」天守で、その高さは約23m。近くで見ると、先ほど本丸御殿跡から見たときよりも小さく感じます。

内部は歴史資料館

前述の通り、鉄筋コンクリートで再建された天守閣。内部は資料館になっており、刀や甲冑、陣羽織といった武具、輿など様々な資料が展示されています。靴を脱ぐ必要がないのは、再建天守ならではのポイント。

上層へと繋がる階段もそれほど急ではありません。最上部まで上ると、そこは展望フロア。車輪のような照明がレトロな雰囲気です。

最上部は外に出ることができます。フェンスにぐるっと囲われているのは、簀子が敷かれた細い回廊。風が強い日はちょっとだけスリルを感じます。

天守から見える景色

虎伏山に建っているため、標高は70mを超える高さ。360度遮るもののない景色を楽しむことができます。東側には先ほどビュースポットだった「本丸御殿跡」が見えます。

西側は、櫓が連なる連立天守の様子がよく見えます。奥に見える海は「紀伊水道」。「友ヶ島」や「淡路島」まで見渡せて爽快な景色。

北側からは先ほど渡った「御橋廊下」が見えます。その奥には「和歌山市役所」や「和歌山城ホール」といった都市機能。

南側を覗くと、眼下に広がるのは「和歌山城公園動物園」。右側には幾何学的な建築が特徴的な「和歌山県立博物館」と「和歌山県立近代美術館」。遠くに「和歌山マリーナシティ」、名草山の中腹に立つ「紀三井寺」もなんとなく見えます。

建築などは大きく様変わりしていますが、海や山のパノラマは昔からそれほど変わっていないはず。かつての城主もこの景色見ていたのかなと思うと、なんだか感慨深いですね。

隠れた小人を探せ

ちらちらと匂わせてきましたが、和歌山城の城内には小人が隠れています!せっかく来たならぜひ挑戦してほしいのがその小人探しなのです。

と、ここで白状しますが、実はわたし以前訪問した際に、お城にいた忍者の方からヒントをもらって小人探しに成功しております!

ということで、今回は楽勝・・・・全然見つかりません!!

当時の自分の記事を読み返しても、正確な場所が記されておらず。「きっと、昔の自分は読者に探す楽しみを残すためにあえて正解は書かなかったんだろうな」と、過去の自分の怠慢を肯定しつつも、Web検索をスタート。なんとか見つけた情報によると先ほど登った「裏坂登り口」が怪しいです。

二之丸から坂道に入ったすぐ直後のポイントにて、ついに見つけました!!

こちらが石段をよじ登る小人です。石段のすき間より飛び出したエノキの根っこなのですが、これは疑うことなく小人の姿。

うっかり横から見てしまうと、魔法が解けてしまうのでご注意くださいね!

アクセスと営業情報

南海線の「和歌山市駅」から徒歩約15分

開館時間 9:00~17:30
休館日 年末年始
料金 410円
公式サイト http://wakayamajo.jp/index.html

※掲載の情報は2025年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました