能取湖(のとろこ)の南部には日本屈指のサンゴ草大群落があります。9月頃になると地面を覆いつくす赤い絨毯となり、訪れる人々を楽しませてくれます。赤さを強調した、写真の加工についてもちょっとだけ触れております。
夏の終わりが狙い目
秋の北海道に訪れる際、ぜひとも見てみたいのがサンゴ草。夏の終わりから秋にかけて真っ赤に染まる植物で、群生地へと向かえば一面に広がる赤い絨毯を見ることができます。
サロマ湖、野付半島、厚岸湖などで見ることができますが、中でも見ごたえがあるのが網走市に広がる能取湖の卯原内(うばらない)地区。良いタイミングで訪れれば、視界一面に広がる赤い絨毯を見ることができるそう。
今回、9月末に北見・網走へ訪問することができたので、これは見逃せない!ということでレンタカーを借りてやってきました。「日本一サンゴ草群落地」と書かれた木の看板が目印。目の前の駐車場には、多数のレンタカーに加えて観光バスも訪れていました。
長く伸びるウッドデッキ
すぐ目の前に広がるのは、赤く染まったサンゴ草。
ここ卯原内地区の特徴は、なんといってもウッドデッキ。駐車場からまっすぐに伸びた木道が整備されており、気軽に歩いてサンゴ草を観察することができます。
100mほどとそれほど長くはありませんが、様々な角度から眺めることができます。画角はもちろん、太陽の向きも微調整可能なので、写真撮影のしやすさもポイント。あえてウッドデッキを入れて撮るのもおすすめです。
訪問した9月末は肌寒い季節であったため大丈夫でしたが、Google Mapのクチコミを見ると「蚊が多い」との書き込みが多数。気になる方は虫よけのご用意をお忘れなく。
サンゴ草ってどんな植物?
サンゴ草は、ナデシコ目ヒユ科の一年草。厚岸湖にて発見されたことから、正式名称は「アッケシソウ」といいます。強い耐塩性を持っていることから、海岸付近に広がる塩性湿地に多く自生しています。
なんとなくコキアのようなフサフサした姿をイメージしておりましたが、よく見ると葉っぱが1枚もありません。ついつい赤くなった植物を見ると「紅葉」といった表現を使いたくなりますが、赤く染まっているのは茎であるため正確には紅葉ではないのです。
(※習慣的に植物が赤く染まる現象を「紅葉する」と表現したりしますので、そこまで気にしなくて良いかもしれません)
ちなみに、ヨーロッパでは食用としても利用されるそう。塩味があるため、茹でてそのままでイケるらしいです。「シーアスパラガス」とも呼ばれていることから、アスパラのような扱いなのでしょうかね。
赤く見せるには加工も重要
さて、散々「真っ赤な絨毯」といった写真を掲載してきましたが、実はここまでの写真はばっちり加工しております。
特に「彩度」を上げて、赤の発色を豊かにしておりました。
リアルな体験談をお届けするブログを自称している以上、このままではちょっと問題があるかなと思いますので、加工ナシの写真も掲載しておきますね。
私が訪問した際はそれほど真っ赤というわけではなく、赤褐色といったレベル。旅行メディアで見かけるほどの赤さはありませんでした。天候や成長具合によってはもっともっと赤く見えることもあるとは思いますが、赤さを過剰に期待するのは要注意かもしれません。
とはいえ、これほどまでサンゴ草が広がっている場所は滅多にないので、非常にレアな光景であることに違いはありません。
他の植物の侵入に弱いサンゴ草ですが、この卯原内では他植物を抑制して、この大群落を維持しているそうです。
■大曲湖畔園地もおすすめ
サンゴ草シーズンとなる9月は「大曲湖畔園地」にてヒマワリ&コスモスも見ごろを迎えています。車で15分ほどの距離なので、合わせての訪問がおすすめです。
アクセスと営業情報
網走駅より常呂行きのバスで約18分、バス停「サンゴ草入口」下車後徒歩5分ほど。
車の場合は網走駅より約15分、女満別空港より約20分。
開園時間 | 見学自由 |
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料金 | 無料 |
※掲載の情報は2023年9月時点のものです。
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