土岐川(ときがわ)に暮らす豊かな生き物を展示した小さな水族館。飼育数は多くありませんが、スタッフさんが丁寧に解説してくれるため見応えは充分。自然生物の魅力を発見できるスポットです。
小さな自然ミュージアム
岐阜県南東部から愛知県を経由し伊勢湾へ流れる土岐川(庄内川)。この土岐川観察館は、そこでとれたサカナを展示している小さな水族館です。まるで事務所みたいな外観をしており、知らないと素通りしてしまいそうです。真っ白なので、カラフルにペイントしてみたくなります。
小さな水槽が並ぶ館内。「何か気になる生き物はいますか?」とスタッフのお兄さんがめちゃめちゃ丁寧に生き物解説してくれます。館内講座や、フィールドでの自然観察会などの学習イベントも多く行っているそうです。
カワムツとヌマムツ
こちらは西日本に多く生息している川魚・カワムツ。
そしてこちらはカワムツにそっくりなサカナ、ヌマムツ。カワムツはヒレが黄色っぽいのが特徴ですが、見分けるのはなかなか困難です。もともとは全てカワムツと扱われていましたが、2000年に別種と判定されヌマムツという和名が付けられました。
どちらも初夏になるとオスが赤く「婚姻色」を発します。11月の訪問でしたが、カワムツは赤く色づいており、とっても鮮やかです。
ユニークなドジョウ
土岐川では主に4種類のドジョウが見ることができます。
砂利に溶け込んでいるアジメドジョウは6cmくらいの小型の種類。漢字では「味女(あじめ)」と書き、その名の通り食用にもされているそうです。
こちらはホトケドジョウ。底に沈んでいる他のドジョウと異なり、浮き袋があるため普通のサカナのようにスイスイと遊泳しています。休むときも水草の上に乗っかっており、たくさんのホトケドジョウが実るドジョウの木ができあがります。
かわいいカメさん
砂利に潜っているスッポン。長く首を伸ばし、鼻先を水面に出して呼吸しています。土岐川には多く生息しており、普通に川辺で見かけることができるそう。光の当たり具合でなんだか神秘的な生物にも見えてきました。
体長5cmくらいの子供スッポンもいました。小さいながらもそのフォルムは完成しており、めちゃめちゃかわいいです。スッポンは他のカメに比べると甲羅が柔らかいのが特徴。その代わり、体重が軽く機動性に優れています。
つぶらな瞳のクサガメ。悪臭を発することで有名ですが、飼育しているとあまり臭わなくなってきたそう。飼育員さんの予想では、食べているものが原因で臭くなっているのかもしれないとのことです。
このクサガメ、日本の在来種と考えられていました。しかし、江戸時代より前には記録が無く、化石も見つかっていないそう。現在では、朝鮮半島から人の手によって持ち込まれた野生化したのではないかと考えられています。
外来種問題も・・・
日本各地の河川と同様に、土岐川もまたブルーギルやオオクチバス、ライギョなど多くの外来種が生息しています。
ミドリガメことミシシッピアカミミガメもやはり多く生息しているそう。神社の池やお城のお堀、日本庭園などのシチュエーションで見かけることが多いため妙に和風なイメージが付いていますが、実際は名前の通りアメリカ原産の生き物です。
こちらはカガミゴイ。食用としてドイツから輸入されたため、別名ドイツゴイとも呼ばれております。食用とはいえ、可食部が少なく定着はせず、一部が野生化してしまったそう。ウロコが背びれと尾びれの一部にしかないのが特徴的で、キラキラととってもきれいです。
外来種が多いとはいえ、関東の利根川や多摩川に比べると非常に在来種が豊富に感じます。
アクセスと営業情報
JR中央線の多治見駅から徒歩20分。車の場合は、中央自動車道の多治見ICから約10分ほど。
休館日:月曜
料金:無料
同じく多治見市の観光スポットである美濃焼ミュージアムや、モザイクタイルミュージアムとセットで訪問するのもおすすめです!
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