多くの建築が焼け落ちてしまった火災より6年が経過した2025年11月。復興は進み、ついに正殿が青空の下でお目見え開始!この時期ならではの展示もあり、その建築の魅力をたっぷり体感できるようになっています。
復興が進む首里城
多数のグスクが築造された沖縄県において、最大規模の城。その価値が認められ、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の名称で世界遺産にも指定されました。
沖縄本島を代表する人気観光地のひとつであり、車が無くてもゆいレールでアクセスできるところも魅力的。沖縄到着日や最終日にも訪ねやすいスポットです。
そんな首里城ですが、2019年10月31日未明の火災により、正殿を始めとする多くの復元建築と収蔵・展示されていた工芸品が焼失してしまうという事件がおこりました。
復興に向けて2022年11月3日に起工式が行われ、2026年秋の完成を目指して現在も復旧作業が続けられています。2025年10月末、これまで長い間建屋に覆われていた正殿が、約6年ぶりに姿を表すことに。
今回、大東島めぐりの帰り道、那覇で少し時間があったので見に行ってみることにしました!那覇空港からゆいレールで約30分の首里駅に到着、そこから徒歩15分で守礼門が見えてきます。

その先にある園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)。門の形をしていますが人が通る門ではなく、国王が外出する際に道中の安全祈願を行った礼拝所で、神への「礼拝の門」なのです。進行方向左手にあるのですが、見逃しやすいのでご注意を!

数々の門を抜けて
石段のさきにある歓会門。「歓会」は歓迎するという意味で、冊封使などを歓迎するという意味で付けられました。石造りの門の上に木造の櫓が乗っていたのですが、現在は改修中でした。

続く瑞泉門。すぐ脇にある龍の頭の湧水「龍樋(りゅうひ)」にちなみ、「立派でめでたい泉」という意味の「瑞泉」を冠しています。石垣と一体化した姿が迫力のある門です。

3っつめとなる漏刻門の漏刻とは水時計という意味。門上の櫓の中に水時計が設置されていたのがその名の由来です。

抜けた先は眺めの良いひろば。けっこう上ってきたな、という感じがします。

4っつめの門が広福門。「福を行き渡らせる」という意味を持ち、王朝時代にはこの建物の中に2つの役所がおかれていました。現在は有料区域のチケット販売所でもあります。

有料エリアへ
広福門の先にある広場が下之御庭(しちゃぬうなー)。首里城正殿のある「御庭(うなー)」へ入る前の広場で、正殿前で行われる様々な儀式の控え場として使用されていました。ここには大龍柱補修展示室が設置されています。火災を耐えて、補修が完了した2本の「大龍柱」を展示。今後は新しく製作するための見本として活用されるそうです。

最後の門が奉神門。3つの入口を持ち、向かって左側は薬や茶煙草を取り扱う部屋、右側は城内での儀式の際に使用、中央の門は限られた身分の高い人だけが通れる門でした。現在は有料区域のチケット確認場所。向かって左側を通り抜けます。

奉神門の先にあるのが御庭(うなー)。かつてはストライプが美しい広場となっていましたが、改修工事中で仮囲いの白い壁に囲まれています。すき間から、正殿が見えるぞ!

龍頭棟飾と鬼瓦
工事現場を囲む白い仮囲いには、工事の経過が写真付きで紹介されています。

こちらは実物大の龍頭棟飾(りゅうとうむなかざり)。シャチホコのように屋根の両サイドにのせる、焼き物を組み合わせて造った飾りです。よく見ると、左上に実物がちらっと見えるという演出も。屋根の上だと小さく見えますが、実際は横幅3.4m・高さ1.6mと、めっちゃ大きいのです。

続いて鬼瓦の展示も。龍頭棟飾と同じく、正殿屋根に配置される装飾。鬼瓦といいますが、首里城では「鬼」ではなく「獅子」がモチーフ。ここに置かれているのは、令和で復元した鬼瓦の実物。6体製作し、選定した4体を正殿屋根に配置、残る2体がここに置かれました。

そして正殿の裏側へ。こちらからは、正殿の全貌をばっちり拝むことができます。早く正面からも見てみたいものです。

今だけの復興展示室
仮設感のある建物は、首里城復興展示室。復興に関する様々な展示が広がる、今だけの展示スペースです。

首里城正殿の工事の進捗にあわせた映像や解説パネル、試作品等を展示しています。

令和の復元の漆は、写真左の「久志間切弁柄(くしまぎりべんがら)」を使用しています。古文書に久志間切という地域で採取された弁柄を使用したと記されていたため、それに忠実に再現されました。右に置かれた「平成の復元時」に使用した弁柄と比較すると、より深い赤色であることがほんのり感じ取れます。写真では全然伝わらない気がしますが・・・。

御差床龍柱の石膏原型と試し彫り。正殿の御差床(うすさか)に置かれていた、龍の彫刻が施された柱。古い写真を参考に石膏原型を造り、試し彫りをしてから仕上げたそうです。

「御差床(うすさか)」ってどんなだっけ?すっかり忘れてしまっていたので、2018年の写真を引っ張り出してきました!正殿の2階にある国王の御座所。玉座の両サイドに龍柱立ってますね!

試作品が展示された世誇殿
火災を免れた世誇殿(よほこりでん)は、琉球王国時代に未婚の王女の居室として使われていた場所。国王がこの世を去った際に、次期国王の即位の儀礼が行われた建物でもあります。

ここもまた、復興展示スペースとなっており、首里城正殿を復元した試作品を展示しています。

こちらは先ほども登場した龍頭棟飾の1/5石膏原型。検討の初期段階のものであるため、現在復元されたものとは少し形状が異なっています。試行錯誤のあとが見える展示です。

この散らばったパーツは高欄石獅子。首里城正殿に実際に設置されていたもので、瓦礫の中から見つけられました。手で触れるてその質感を体験することができます。

東のアザナとショップ
東のアザナ展望台も開放されています。正殿の裏にある白銀門を抜けた先がその場所。

石段を上った先に広がるのは首里の街並み。首里城で最も標高が高い地点で、海抜約140m。吹き抜ける風が気持ち良いです!

そして、なんといっても正殿をはじめとした建築が見渡せるのがポイント。正殿は裏側からですが、うねる石垣との組み合わせがたまりません!
東のアザナから戻ったところにある石垣に囲われたスペースは、女官たちの浴場である湯屋。女官たちはここでお湯を沸かし、別の場所にある王様のお風呂に運んでいたそう。

御内原で奉公する女官たちの日常生活の場であったと考えられている女官居室。現在はミュージアムショップとなっています。

うっかり首里城のアクリルスタンド買っちゃいました!!最近、ご当地アクスタ集めがマイブームなんです。

継世門を目指す帰り道
さてさて、首里駅への帰り道は北西にある守礼門からではなく、南東にある継世門へ!正殿からだと、こっちの方が近道なのです。
途中で見つけたのはガマ遺構。戦時中に掘られてものかと思いきや、18世紀の古地図には記載があったそう。ウシヌジガマという名で、女官たちの息抜きの場であったという伝承もあるようです。

平成30年2018年に再建された美福門。かつて正殿が南を向いていた際の正門であったそうです。現在は通り抜けはできず、目の前を横切る感じです。

最後は継世門。かつて国王がこの世を去った際、その跡継ぎがここと美福門を通り、世誇殿で王位継承の儀式を行ったことに由来します。

ここから首里駅までは徒歩10分ほど!正殿からここまでの道中にはスタッフさん以外観光客は皆無。お急ぎかつ混雑を避けたい方は、正殿へ向かう際に利用するのも良さそうです。
そんなわけで復興が着々とすすむ首里城。完全復活まであとわずかでした!
ちなみに、2019年を含めて合計5回も焼失しております。その辺りについては、以前書いた首里城の記事にて。

アクセスと営業情報
ゆいレール「首里駅」より徒歩15分。意外と駅から離れているので、時間配分にはご注意ください!
| 開場時間(有料区域) | 8:30〜19:00 ※7~9月は8:30〜20:00 |
|---|---|
| 料金 | 400円 |
| 公式サイト | https://oki-park.jp/shurijo/ |
※掲載の情報は2025年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。


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