見応え抜群!自然も歴史もつまったミュージアム『沖縄県立博物館・美術館おきみゅー』(那覇市)

沖縄県

自然や文化を集めた総合博物館だけでなく美術館も併設と、様々な要素がつまった沖縄最大のミュージアム。模型や剥製を多用した立体的な展示は、知識がなくても楽しめます。那覇空港からゆいレールでアクセスできるので、沖縄到着日に訪問するのにもおすすめです。

2018/10/5(金) ※掲載内容は当時のものです

駅チカな観光スポット

沖縄県立博物館・美術館、通称『おきみゅー』。前身の沖縄県立博物館からリニューアルされ、博物館と美術館の複合施設として2007年に誕生しました。城(グスク)をイメージして作られたという重厚な外観は、2008年にグッドデザイン賞を受賞したそうです。

美ら海水族館やおきなわワールドなど、沖縄の人気観光スポットは車かバスで行く場所が多いのですが、このおきみゅーはゆいレールおもろまち駅から徒歩10分ほど。モノレールのみでアクセスできる貴重な観光スポットです。

さらに、完全屋内型というのもポイント。悪天候時でも問題なく楽しめる場所は、台風接近時などに重宝します。

今回私も、台風接近により他の場所へ行けなくなったための代替スポットとして訪問しました。昨日は午前中のみの開館となっていましたが、本日は午後から開館。助かりました・・・!

カラフルなミュージアム

入館するとすぐにキレイなエントランスのお出迎え。広々とした空間は、屋内なのに開放感抜群です!ここから博物館と美術館に別れています。(今回は時間の都合で博物館のみの訪問です。)

博物館サイドの入口は、とってもカラフル。壁には青い海、床下にはサンゴ礁と鮮やかな沖縄の色が詰まった空間です。

デジタル技術を駆使した展示は、まるでテーマパークのアトラクションみたいなわかりやすさ。「沖縄県立博物館・美術館」と、名前だけ聞くと固そうなイメージですが予備知識がなくても楽しめるスポットです。

レア生物大量の自然

様々な展示があるなかで、目を引くのは自然エリア。独自の進化を遂げた生き物が多数暮らす沖縄の島々。やんばるや西表島の生き物が映像や剥製で紹介されています。

樹上にいる哺乳類はケナガネズミという日本最大のネズミ。その体長は30cm、尾を含めると60cmにもなるそうです。よく見ると、木にへばりついているヤンバルヤマナメクジの姿も。体長10cmを越える恐怖の巨大ナメクジです。

アオサギ(左)、コサギ(右)に挟まれているのはムラサキサギ(真ん中)。首は赤褐色・体は紫と、とても色鮮やかなサギ。基本は中国など海外で繁殖し、春・秋に沖縄を中心とした西日本に飛来する渡り鳥。数件ですが、沖縄での繁殖も確認されているらしい。

知られざるアカマタ

ウミガメの子どもを補食しているのはアカマタというヘビ。普段は山に暮らしていますが、孵化の時期を狙って砂浜に降りてくるらしい。ときには、頭を砂に突っ込み、まだ地上に出て来ていない仔ガメを補食することも。外の世界を知る前にヘビに飲み込まれてしまうなんてかわいそう・・・ついついウミガメサイドで考えてしまいますが、アカマタだって生きるために捕食しているのですよね。

沖縄の蛇といえば何といってもハブが有名ですが、こちらのアカマタもかなり個性的なヘビ。体長は最大で2mにも及ぶ大型のヘビで、クマやオオカミといった大型の肉食哺乳類がいない沖縄において食物連鎖の頂点に君臨しています。ちなみに無毒です。

ウミガメの産卵地をめぐって、雄同士は「コンバットダンス」という不思議な動きで闘争する習性があるそう。

独自の信仰スタイル

生物の多様性と同じく、文化も独特な沖縄。こちらは沖縄全域でよく見かける石敢當(せっかんとう)。ここに置かれている石碑タイプ以外にも、表札のようなプレートタイプや石柱タイプなど、そのカタチは様々。非常に多くの場所に設置されているので、知らず知らずのうちに目にしている方も多いのではないでしょうか。

その正体はT字路の突き当たりに設置される魔除けです。街中を走り回るとされている魔物マジムンは曲がることができないため、T字路があると突っ込んできてしまいます。この石敢當を設置しておけば、マジムンはこれにぶつかり砕け散ります。

沖縄全域で見ることができる御嶽(ウタキ)。琉球神道において、神が存在、または訪れる聖地。内地における神社のようなイメージですが、社殿や御神体も無く、空間そのものを祀っています。御嶽の奥にはイビと呼ばれる聖域がありますが、そこには香炉が置かれているだけ。

不思議な笑顔のミルク様。石垣島などの八重山諸島で信仰されている、仏教の弥勒(ミロク)信仰と、沖縄の古い信仰が混ざりあって生まれた神様です。弥勒という神様は、日本では弥勒菩薩として女性の姿で描かれることが多いのですが、台湾などでは布袋様の化身とされています。このミロク様も福耳や笑顔が布袋さまそっくりです。

漁や輸送に使われた伝統的な舟サバニ。もともとは木をくりぬいて作る丸木舟で、風の力を上手く利用して進んでいました。現代では、強化プラスチックであるFRP製、エンジン装備の舟として息づいているそう。また、風力と人力だけで走る「サバニ帆漕レース」は、毎年座間味島~那覇間で開催されています。

アクセスと営業情報

ゆいレールのおもろまち駅から徒歩10分ほど。那覇空港からバスを利用した場合は、乗車30~40分ほどのバス停《おもろまち3丁目》から徒歩10分ほど。

開館時間 火・水・木・日:9:00~18:00
金・土:9:00~20:00
休館日 月、年末年始
料金 博物館常設展:530円
公式サイト https://okimu.jp/guide/information/

実物や模型、剥製など立体的な展示は非常に見やすく、とっても面白い博物館でした!沖縄観光の最初にここへ行くと、その後いろいろな発見に出会えそうです。金曜と土曜は開館時間が長いのも訪問しやすいポイントです。

 

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