人気の江の島エリアに建つ水族館。華やかで幻想的な水中世界を体感できるのはもちろん、マニアックな生き物やその生態を学ぶこともできます。様々なニーズに応える見応えたっぷりな水族館です。
海辺に建つアクアリウム
2004年にオープンした新江ノ島水族館は、海辺に建つ水族館。目の前にはにぎやかなビーチ「片瀬西浜・鵠沼海水浴場」が広がり、海に浮かぶ「江の島」も見渡せる絶好のロケーションです。
展示は基本的に屋内型。大迫力の「相模湾大水槽」や色鮮やかな「クラゲファンタジーホール」、マニアックな「深海Ⅰ・Ⅱ」など様々なエリアで海の魅力をたっぷりと感じることができます。
ちょっとだけユニークな点は、生き物の名前表示に「漢字表記」が併記されていること。「村雨紋柄(ムラサメモンガラ)」、「倍良(ベラ)」など、意外な字面だったりしておもしろいです。
屋外エリアもあり、ウミガメやカピバラなど大型の生き物も多数。イルカショースタジアムもありますが、2023年12月1日から2024年4月15日まで改修工事中。イルカとアシカには出会えないのでご注意ください。
リアリティの詰まった大水槽
入館者を出迎えるのは相模湾大水槽。多様な生き物が暮らす相模湾を再現した大きな水槽です。水族館では定番となる大水槽ですが、ここの大水槽は導入がちょっとだけ異なります。
それは、まず最初に上から見下ろすということ。ガラスの向こうの水槽をのぞき込むと、深い海を覗き込んでいるような気持ちになります。水族館の水槽に対して『まるで海の中にいる気分』といったような表現を見かけますが、下から見上げるよりもこうやって見下ろした方がリアルに海を感じませんか?シュノーケリング経験がある方なら、きっとこの海を覗く感覚が伝わるはず・・・!
このように、上から見るとリアルな海の中を感じることができる相模湾大水槽ですが、下のフロアからみると水族館らしい華やかな海の世界が広がります。リアルとファンタジーが混在しているところがこの水族館の魅力の一つではないでしょうか。
心がこもったダイビングショー
そんな相模湾大水槽、1日に数回ダイビングショーを開催。カメラを持ったダイバーさんが水槽内の生き物たちを映して、その魅力を伝えてくれます。
別のプログラムでは、ダイバーさんとサカナたちのふれあいタイムが繰り広げられます。エサをばらまくエサやりショーかと思いきや、1匹1匹個別にふれあいえさやりを行うという、なんだかほっこりする仕上がり。
小さなマツカサウオがダイバーさんに寄ってきて、それを手のひらに乗せる様子は、まるで小鳥とふれあうかのようなパフォーマンス。
大きなエイやサメともたっぷりふれあってます。こちらは大型犬と遊んでいるかのような姿。
音楽や照明などの派手な演出はありませんが、愛情たっぷりな海の生き物とのふれあいは見ごたえ抜群。とってもハートフルなイベントでした。
身近な魚・シラスの正体
さて、この水族館では、江の島名物なサカナも見ることができます。それはシラス!!えのすいでは、2013年にシラスの常設展示が開始。飼育の難しい生き物であるため、世界初であったそうです。
「シラスサイエンス」と題されたコーナーでは、身近でありながらも意外と知られていないシラスの生態を知ることができます。こちらは孵化後約15日のシラス。まったくサカナに見えない姿は、まるでボウフラのようです。
そもそもシラスというサカナはおらず、マイワシやカタクチイワシなどの稚魚のことをまとめて指すそう。
孵化後90日以上ともなると、大きさは10cmを越えるものも。ここまでくるとしっかりイワシの姿となっており、大きな口やドーム状に膨らんだ眼球などの特徴が見えてきます。ちなみに、シラスの寿命は1〜2年であるそうです。
不思議なクラゲの世界
2004年に開設された「クラゲファンタジーホール」。中央にはクラゲが泳ぐ球体水槽、天井にはミズクラゲにような模様が浮かび上がります。
このエリアは、いわゆる「映える」クラゲがたくさんのファンタジックなコーナー。こちらのたっぷりと泳いでいるのはクリサオラ・プロカミア。真っ白でふわふわしており、まるで雲みたいな姿です。
クラゲファンタジーホールとは異なり、よりマニアックな種類やリアルな生態を学べるのが「クラゲサイエンス」というエリアもあります。こちらは5mmほどの小さなナデシコクラゲ。2012年に深海から見つかった種類であり、まだその名も仮称であるそう。なんと、日本初展示とのことです。
この他にも常時数十種類を展示しています。このとき見ることができたのは、エダアシクラゲ、ベニクラゲモドキ、オオタマウミヒドラ、エダクダクラゲ、ヤワラクラゲ、ヒトツクラゲ、フタツクラゲ、シミコクラゲなどなど。今までの水族館巡りでそれなりにいろいろな種類のクラゲを見てきましたが、見たことも聞いたことも無いクラゲがたくさん。奥深さを実感しました。
マニアックな深海生物
多数の見どころのあるえのすいですが、深海生物に関する展示も非常に豊富。「深海Ⅰ」というエリアには、摩訶不思議な深海生物がずらりと並んでいます。
こちらの白い生物は、ゴエモンコシオリエビ。カニのような外見ですが、エビだったのですね・・・と思いきや、実際はのヤドカリの仲間であるそう。名前も気になりますが、目を引くのはその生態。胸に生えた毛でバクテリアを育て、それを食べるという、ちょっと笑ってしまうような胸毛栽培を行っています。
木の枝のように見えますが、こちらはサツマハオリムシという生き物。口も胃袋も無いためものを食べることができませんが、海底に発生するガスを体に取り入れ、共生している細菌の作り出すエネルギーを利用して生きているそう。
えのすいに来たならぜひ見ておきたいのがエノスイグソクムシ。もともとはダイオウグソクムシとして飼育されていましたが新種と判明、2022年にエノスイグソクムシという名が付けられました。といっても、ダイオウグソクムシとの区別は非常に難しく、生きている状態で見分けるのは困難であるそう。そのため、表記されていた名前も「エノスイグソクムシもしくはダイオウグソクムシ」となっていました。
園内の奥地にある「深海Ⅱ」というエリアでは、有人潜水調査船の「しんかい2000」を展示しています。
1982年より潜航開始、20年以上にわたって1,411回もの潜航を行ってきました。深海の環境調査や、「ハオリムシ」「ユノハナガニ」といった深海生物の発見など、多数の研究成果を残しています。
新登場の「あわたん」
こちらの不思議ないきものは、えのすいのキャラクター「あわたん」。えのすいで生まれたという泡の妖精です。
ショップでは多数のあわたんグッズを販売中。着ぐるみが登場するグリーティングの開催もあったりと、なかなか力が入っています。
「えのすいには行ったことあるけど、こんなキャラクターいるの知らなかった!」なんて方も多いハズ。このあわたんは2021年4月デビューという、まだまだ生まれたてなのです。
出口のショップの隣には、その名を冠した「あわたんカフェ」があります。
カレーやしらす丼などのメニューに加えて、「あわたんのシチュー」「あわたんのトロピカルぷちパンケーキ」など、あわたん関連メニューもたくさん。
こちらは「あわたんドリンク」。あわたんのカタチをした容器に入っており、味はライチカルピスとライチソーダの2種類。頭にストローを挿すところがとってもユニークです。
アクセスと営業情報
・小田急江ノ島線の片瀬江ノ島駅より徒歩5分
・江ノ島電鉄の江ノ島駅より徒歩15分
・湘南モノレールの湘南江の島駅より徒歩15分
開館時間 | 10:00~17:00 ※時期によって変更アリ |
---|---|
休館日 | 年中無休 |
料金 | 2,500円 |
公式サイト | https://www.enosui.com/ |
※掲載の情報は2023年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント