陰陽師として知られる安倍晴明を祀る神社。境内には、五芒星や陰陽道にまつわる記号、式神や桃の像など様々な見どころがあります。他の神社では見かけないような個性的なものに出会える不思議な神社です。
陰陽道を感じる境内
京都市上京区にある晴明神社は、その名の通り安倍晴明を祀る神社。堀川通からは一の鳥居をくぐって境内へと入っていきます。
参道の両サイドに立つのは日月柱。陰陽を表す「日」と「月」が象られた柱です。
二の鳥居と重なるように立つのは四神門。その昔、晴明へ来客がここへ訪れると、自動的に門が開閉したという伝説が残っています。現在は、自動ドアにてその伝説が再現されている・・・とのことですが、常時開門モードでした。
四神門の名の通り、石柱には青龍・白虎・玄武・朱雀といった四神が描かれたプレートが取り付けられています。
戻橋と式神
境内に入るとすぐに目に入るのが旧・一條戻橋。現在の一条戻橋は晴明神社より少し離れた所にありますが、この境内にある橋は、平成7年にかけなおされる以前の橋を再現したもの。欄干親柱は実際に使用されていたものであるそうです。
なぜ境内に橋があるのでしょうか?実この橋と晴明には深い関係があります。
晴明は式神と呼ばれる精霊を使役していたとされていますが、奥さんが式神の顔を怖がったため日常では戻橋に隠していたそう。この再現された橋の傍にも式神の像が置かれていました。
もっと妖怪のような姿かと思いきや、割と人に近いルックス。目はバッキバキでアゴは割れてますが、そんなに怖くもないような気もします。
五芒星とキキョウ
一の鳥居の扁額には社紋である「五芒星」が描かれています。この紋は、陰陽道に用いられる祈祷呪符のひとつ。
五芒星をモチーフにした五角形の井戸は、晴明が念力で水を湧かせたという伝説が残る晴明井。一角に水が流れる口があり、その年の恵方を向いています。毎年立春の日に向きが変わるそうです。
手水には造花のキキョウがたくさん。社紋である五芒星はキキョウの花をモチーフにしているといわれており、「晴明桔梗」とも呼ばれています。
晴明と桃に挟まれた本殿
参道の奥には拝所があり、その奥には本殿が鎮座しています。この建物は明治38年に造られたものであるそう。
拝殿向かって左手に鎮座するのは安倍晴明公像。安倍晴明の肖像画を元に作成された像で、印を結んで天体観測を行う姿を現しています。陰陽師=不思議な術を使うというイメージが強いですが、実際の陰陽道は天文学や暦を知り、それを使って吉凶を占うというものであったそう。
向かって右にはモモの像。陰陽道において桃は厄除け・魔除けの果物といわれており、このモモの像は厄除桃と呼ばれています。さわって厄を撫で付けることができるため、ぴかぴかな姿。授与所では、桃の厄除け守りも扱っていました。
安倍晴明のエピソード
塀には、安倍晴明の様々なエピソードがイラスト付きで掲載されています。読んでいくと、晴明にどのような出来事があったかがわかりとても面白いです。
印象的だったのは、ライバルの道摩法師(芦屋道満)と法力を競った話。二人は箱に入った夏蜜柑の数を、中身を見ずに当てるという勝負を行います。道摩法師は16個と正解を見抜きまが、晴明はネズミが16匹と見当違いな回答をしてしまいます。読み誤ってしまったかに見えましたが、箱を開けてみるとなんと16匹のネズミが飛び出します!晴明は術で夏蜜柑をネズミに変えてしまったのでした。
こちらは末社である齋(いつき)稲荷社。晴明の母親は、和泉国(現在の大阪府)にある信太の森のキツネ「葛の葉」であったという伝説が残されています。また、晴明がお稲荷様の生まれ変わりであるという説もあるため、稲荷信仰と結びついて祀られている場所も多いそうです。
参拝はもちろん、いろいろと学べることも多い神社でした。とても小さな境内なので、参拝だけなら10分程度、じっくり境内散策しても30分程度あれば充分です。
アクセスと拝観情報
地下鉄の今出川駅より徒歩約12分。目の前にはバス停《一条戻橋・晴明神社前》があります。神社ですが参拝自由ではなく開門時間が9:00~17:00と決められているのでご注意ください!
参拝時間 | 9:00~17:00 |
---|---|
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.seimeijinja.jp/ |
※掲載の情報は2023年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント