遊び心たっぷりな埋め木探しが楽しい『西本願寺』(京都市)

京都府

御影堂・阿弥陀堂と迫力ある巨大建築が並ぶ西本願寺。境内には煌びやかな唐門や、新選組と所縁のある太鼓楼など様々な見どころがあります。注目したいのは木造建築の随所で見ることができる埋め木。ユーモアたっぷりのモチーフがとっても楽しいです!

訪問日:2023/3/27(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

早朝拝観がおすすめな

京都駅からほど近く、巨大な瓦屋根が印象的な寺院。西本願寺の通称で知られていますが、正式には龍谷山 本願寺という浄土真宗本願寺派の本山です。歴史的な建築を多く残しており、1994年には、世界遺産「古都京都の文化財」にも登録されました。

仏教系の大学として知られる龍谷大学(りゅうこくだいがく)は、もともと西本願寺の13代宗主である良如が境内に開いた学寮をルーツとしています。

立派な御影堂門(ごえいどうもん)が境内への入口。西本願寺は拝観料が必要なく、無料で開放されています。

開門時間は5:30と、他の寺院よりも早く開きます。ということで、今回は早起きして朝7:00頃に訪問してみました。まだ参拝者の姿は少なく、朝の空気がとっても清々しいです。

■境内ツアー「お西さんを知ろう!」
西本願寺では、お坊さんによる境内案内ツアー「お西さんを知ろう!」が毎日開催されています。時間は10:00, 11:30, 13:45, 15:30の1日4回、各回約30分とのこと。無料で参加できるので、より詳しく知りたい方はこの時間に訪れるのも良さそうです。

巨大建築・御影堂

御影堂門をくぐると目の前に広がるのは超巨大な御影堂(ごえいどう)。宗祖である親鸞上人の木造、本願寺歴代宗主の影像を安置するお堂です。

間口62m、奥行き48m、高さ29mという規模、目の前に立つとその迫力に圧倒されます。この建築は1636年に再建されたもので、国宝に指定されています。

なお東本願寺の御影堂は間口76m・奥行き58m・高さ38mなので、西本願寺よりもひとまわり大きいです。ただしそちらは1895年に再建されているため、築造年に200年以上差があります。

光輝く阿弥陀堂

御影堂に向かって右側には渡廊下が伸びております。この廊下もまた国宝に指定されています。

渡った先にあるのは阿弥陀堂。ご本尊の阿弥陀如来像を安置するお堂で、本堂にあたる建築です。1760年に再建されたもので、もちろん国宝に指定されています。

御影堂よりは少しだけ小さいですが、それでもかなりの巨大建築。間口45m、奥行き42m、高さ25mと、普通の寺院で見かけるお堂よりも遥かに大きいです。

お堂内部もかなりの広さ。本尊である阿弥陀如来の木像を中心に、両脇にインド・中国・日本の七高僧の内、法然聖人と聖徳太子の影像など多数の像が安置されています。2022年3月に修復を終えた内陣は、14万枚もの金箔が使用されてまぶしいほどに輝いていました。堂内は撮影禁止なので、ぜひ現地でご確認ください!

境内の見どころ

巨大な御影堂と阿弥陀堂ばかりに目が行ってしまいますが、境内には他にも見どころが多数あります。

その一つがこちらの唐門。安土桃山時代の豪華絢爛な装飾が残る門で、こちらもまた国宝に指定されています。彫刻の見事さに日の暮れるのを忘れることから「日暮らし門」とも呼ばれているそうです。

この唐門、御影堂向かって左奥にあるのですが、少々目立たない場所にあります。見逃しやすいのでご注意ください。

こちらは太鼓楼。ときは幕末、池田屋事件以降隊士が増えた新選組、屯所が手狭になったため、この本願寺へ移設。その際に、北集会所とこの太鼓楼を使用していたそう。北集会所は姫路の亀山本徳寺に移築されているため、この太鼓楼が唯一新選組の足跡を感じることができるポイントなのです。

この太鼓楼、一度門の外へ出ないと見ることができません。唐門と同様に非常に見逃がしやすいのでご注意ください。

境内の東南隅には、滴翠園(てきすいえん)という日本庭園があります。ここには金閣、銀閣とともに京都三名閣の一つとして数えられる飛雲閣が建っているのですが、通常は非公開とのことです。

埋め木探しに挑戦

西本願寺に来たら、ぜひとも挑戦したいのが埋め木探し!!

埋め木というのは木材の割れ目などを修復するために挿入された木片のこと。木造建築では珍しいモノではありませんが、ここ西本願寺の埋め木はなかなかユニーク。なんと、「とっくり」のカタチをしています。

思ったより簡単に見つけることができて一安心。と思ったのですが、この埋め木、めっちゃたくさんあります!!!

「ひょうたん」「富士山」「なすび」など、様々なモチーフの埋め木が。遊び心が詰まっており、探すのが楽しすぎます・・・!

私の一番のお気に入りはこちらの「おさかな」。45cmという大物です。ちゃんとおめめが付けられていてとってもかわいらしい。

そんな埋め木探しをしていたら、違うものも見つけてしまいました!

雨水を受けるための天水受けを支えるように置かれているのは天の邪鬼。御影堂が再建された1636年より、約400年もの間この天水受けを支えているそうです。

アクセスと拝観情報

JR京都駅から徒歩15分、梅小路京都西駅から徒歩10分ほど。

近くに名前が似ている東本願寺がありますが、あちらは真宗大谷派の寺院と宗派が異なっています。とはいえ徒歩で行ける距離であり、同様に早朝から開門していますので、合わせての訪問もおすすめです。

拝観時間 5:30~17:00
料金 無料
公式サイト https://www.hongwanji.kyoto/

※掲載の情報は2023年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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