歴史小説『坂の上の雲』をテーマに掲げる博物館。明治維新から近代国家の形成へ向けた日本のヒストリーを学ぶことができる施設です。ユニークな展示や、安藤忠雄による個性的な建築も見どころです。
坂の上の雲がテーマ
司馬遼太郎の描いた長編小説『坂の上の雲』。松山市出身の秋山好古・真之兄弟、正岡子規の3人が主人公のストーリーで、明治維新から日露戦争まで、激動の明治時代を描いた作品です。
そんな坂の上の雲をテーマにした博物館、坂の上の雲ミュージアムは松山を代表する観光スポットとして人気の施設。松山に来たらぜひとも行っておきたい場所・・・なのですが、1点不安があります。
私は『坂の上の雲』を読んだことがありません。
読んでから行けばそれはそれは楽しめると推測されますが、旅前は準備や事前調査でいっぱいいっぱい。読む時間が確保できませんでした。そんな私ですが、果たして楽しめるのでしょうか?
無機質な建築美
一面にガラスが張られたガラスカーテンウォールは、城山の豊かな自然の景色を写し込みます。よく環境を配慮したカラーリングの建物を「自然に溶け込む建築」といったりしますが、このようなカタチの溶け込み方もあるのですね。
建築を担当したのは、世界的な建築家・安藤忠雄。コンクリート打ちっぱなしの館内からは、彼の作品らしさが滲み出ています。
こちらの階段は中間部分の支柱を省いた構造になっており、「空中階段」と呼ばれています。どこまでも無機質ですが、そんな中に細部まで計算された美学を感じます。
松山と歴史の展示
正三角形につくられた不思議な形の展示室。ここでは、坂の上の雲のフレーズを引用し、それに絡めて松山が紹介されていきます。城下町としての松山や明治時代の教育、道後温泉などの紹介がメイン。「へえ~」となってしまう内容が多く、なかなか面白い。
また、主人公となる正岡子規、秋山真之、秋山好古の生涯や人物の相関図も紹介されています。
日露戦争時に騎兵隊が利用していた日本の在来種の高さを体験できる「体高コーナー」。鞍が敷かれているので意外と座り心地は良いです!
産経新聞に連載されていた「坂の上の雲」がびっしりと貼られた新聞連載の壁。1968年〜1972年にかけ、全1,296回にも渡り掲載されていたそう。さすがに小さいため文字はあまり読めませんが、全てに掲載されているイラストを眺めていくのは楽しめます。
ところで、このケンタウロスは何もの?
知らなくても楽しめる?
作品自体が歴史のストーリーであるため、小説をテーマにした博物館というよりは、「歴史博物館」といった印象。当時の松山の様子や日清戦争、日露戦争の様子などの展示は本編を読んでなくても全く問題なく楽しめる内容です。
ですが、やっぱり展示を読み込むには多少は歴史の知識あった方が良さそう。高校で日本史を選んでいた方は、教科書で見た名前がたくさん出てきてそれなりに楽しめるんじゃないでしょうか。
アクセスと営業情報
伊予鉄環状線の「大街道」停留所より徒歩3分。道には案内板も多く出ているため、迷うことはないかと思います。
駐車場はありませんのでコインパーキングを利用することになります。周辺は繁華街のため少々高めですが、少し離れると1時間100円くらいのところもあります。
開館時間 | 9:00~18:30 |
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休館日 | 月曜 |
料金 | 400円 |
公式サイト | https://www.sakanouenokumomuseum.jp/ |
※掲載の情報は2021年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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