アイドルしろくまとゾウのファミリー『とべ動物園』(砥部町)

愛媛県

様々な種類の動物に会える大きな動物園。ライオンやサイといった人気な動物はもちろん、他では見かけないようなレアな生き物も多くじっくりと楽しむことができます。アイドルホッキョクグマのピースと、家族で飼育されているアフリカゾウ、伝説を持つカバは必見です。

訪問日:2021/12/10(金)

愛媛のまじめな動物園

四国を代表する動物園・とべ動物園。松山の市街地からバスで30分ほどの位置にあります。

とべ動物園の前身は、1953年に道後公園内に開園した愛媛県立道後動物園。周辺への環境問題や拡張の難しさから1988年に現在の位置に移転、愛媛県立とべ動物園という名でオープンしました。

公式HPには、当時のエピソードが丁寧に記載されています。引越しのために動物を捕獲する際の苦労話はとっても面白いです!

開放的なパノラマ展示

園内はアメリカストリート、ベアストリートなど10のエリアに別れており、160種類、760点もの動物たちが飼育されています。

多くの動物は、広々とした敷地内でのびのびと暮らしています。柵や檻の無い展示もあり、写真を撮りたい方もばっちり楽しめます。ライオン、キリン、シマウマというサバンナラインナップを一度に写真に撮ることができるのもとってもユニーク。

案内板や解説パネルもとっても豊富。特にマップは右側に拡大表示もあってとっても見やすく工夫されています。

ユニークないきものたくさん

ペロペロと食事中のミナミコアリクイ。2021年11月に高知県立のいち動物公園から来たばかり。立ち上がる威嚇のポーズが有名ですが、さすがに飼育下ではなかなかお目にかかれなそうです。

悠々と泳ぐカバのハグラー。かつてアメリカから輸入される途中、横浜にて脱走、運河を3日間も泳いでいたという伝説の持ち主。昔のやんちゃな心が残っているのか、今でもかなりアクティブに動き回っていました。

凛々しすぎるヒクイドリ。鋭い爪や立派なトサカがとってもカッコイイ鳥です。現生する鳥類では、ダチョウに次いで重く、アジアでは最大の鳥類とのことです。

そしてヒクイドリにそっくりなこちらはパプアヒクイドリ。ヒクイドリに2つあった喉の赤い肉垂が、1つなのがポイント。別名ヒトニクダレヒクイドリとも呼ばれています。実は、日本ではここだけでしか飼育されていないレアな生き物なのです。

アイドルのホッキョクグマ

とべ動物園のアイドルがこちら、ホッキョクグマの「ピース」。日本で初めて人工哺育に成功したホッキョクグマで、その飼育の様子はテレビで紹介、一躍人気者に。2021年の12月で22歳を迎えました!

真っ白でキレイだけど、ホッキョクグマってけっこうあちこちの動物園にいるよなぁ、なんて思いながら眺めていたところ、こちらに背を向けてぺったんこ座りをはじめました。

やばいです・・・!真ん丸のおしりがたまりません!

もうずっとピースを見ていたくなりました!さすがアイドル、人間のツボをしっかりと把握しているのでしょうか。すっかりピースの虜になってしまいました。

お隣にはバリーバというもう一頭のホッキョクグマ。こちらはピースのお母さんで2021年12月で31歳を迎えたそう。国内最高齢のホッキョクグマは神戸市立王子動物園の「みゆき」なのですが、バリーバとの年の差はわずか17日。これはほぼ日本最年長ですね。

アフリカゾウのファミリー

ホッキョクグマと並び、注目したいのがこちらの大きなゾウさん。

動物園でゾウってそれほど珍しくはありませんが、実はここで飼育されているゾウはポピュラーなアジアゾウではなく、アフリカゾウ。アジアゾウよりもひとまわり大きくがっしりとしたカラダ、大きく三角形の耳などの特徴があります。

アジアゾウに比べると飼育が難しく、展示している動物園はそれほど多くありません。さらに、こことべ動物園では、唯一のファミリー飼育に成功しています。子供のゾウが遊んでいる姿はとってもほほえましいです!

ご当地アニマル

私は、その動物園がある地域に暮らす動物を勝手に「ご当地アニマル」と呼んでいます。とべ動物園ならではの動物として挙げたいのがこちら。

ただの馬に見えますが、こちらはノマウマという愛媛県北部の今治市野間地方で育てられてきた在来馬。小さな馬ですが、力が強く駄馬(荷物を運ぶ馬)として重宝されてきました。肩高120cm以上は軍馬として伊予松山藩に買い上げられ、それ以下は農家へと払い下げられていたそう。

同じくご当地アニマルと呼べそうなのが四国や九州に暮らすニホンジカの亜種、キュウシュウジカ。本州で見かけるホンシュウジカとの区別は難しそう。

ニホンカワウソの剥製も展示されています。かつては日本各地に生息していた動物ですが、環境の悪化や狩猟によって次第にその数は減っていきます。やがて四国のみに範囲を狭め、最終的に絶滅してしまいその姿を見ることができなくなってしまいました。とべ動物園の前身である道後動物園では、このニホンカワウソを世界で初めて一般展示していたそう。

実は生き延びていた、なんてことはないでしょうか。各地で目撃情報はあるものの、その多くは飼育下から逃げ出したユーラシアカワウソ。「中型の哺乳類が人目に付かずに生息し続けていることは考えにくい」とされているようです。
人の手が入っていない山間部が多い四国ならば、どこかで生き伸びているんじゃないかなと希望を持ちたくなります。

アクセスと営業情報

松山市駅よりバスで約30分。車の場合は松山ICから約10分、松山市駅のあたりから約25分ほど。

動物園あるあるですが、一部の動物は16:00頃より獣舎内に入ってしまいます。早めの来園がおすすめです。

開園時間 9:00~17:00
休園日 月曜、年末年始
料金 500円
公式サイト https://www.tobezoo.com/

※掲載の情報は2021年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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