廃モノ好きのニーズも満たすアートミュージアム『下山芸術の森・発電所美術館』(入善町)

富山県

かつて利用されていた水力発電所の遺構を活用したアートミュージアム。大正時代のレトロな建築は、退廃的な雰囲気を醸し出します。内部は当時使用されていた機械類が整然と置かれており、そこに並ぶアート作品はひときわ輝いて見えます。

営業時間:9:00~17:00
休館日:月曜、翌祝 ※12~2月に冬季休館あり
料金:300円 ※展覧会毎に異なる
見学所要時間:30分
訪問日:2020/7/28(火)

発電所美術館へのアクセス

発電所美術館があるのは富山県の入善(にゅうぜん)町。黒部ICから約15分ほどの所にあります。ETC車の場合、入善PAに併設された入善スマートICを利用すると5分ほどでアクセスできます。

最寄り駅はあいの風とやま鉄道の入善駅ですが、5km程離れているうえ、路線バスもありません。お隣の泊駅からバスで30分のバス停《下山新》から15分ほど歩いてもアクセスできますが、本数は多くなく少しややこしいです。入善駅からタクシーなら15分ほどなので、こちらが一番お手軽かと思います。

なお、宇奈月温泉からも車で30分ほどなので、合わせての訪問もおすすめです。

いかにも美術館といったデザイン性の高い入口に胸が高まります。このゲートはエリアス・トーレスというスペインの建築家が手掛けたものとのこと。

発電所利用の美術館

元々は北陸電力の黒部川第二発電所であった施設を美術館としてリノベーションしたミュージアム。レンガ造りの外観からは、大正時代の香りが漂います。

白い壁に包まれた清潔感あふれる展示室。天井までの高さは10mとかなり広い空間なので、大きな作品でも問題無く展示可能です。

水力発電所であった館内には、発電用の巨大なタービンもアート作品と一緒に並んでいます。「展示されている」というより、まるでテーブルやベンチがあるかのように自然に置かれている様子がかなり独特。

どういった機能があったのかさっぱりわかりませんが、びっしりと並ぶ計器類を見ていると妙に落ち着いた気持ちになります。

壁にはトンネルのような穴が2つ空いています。真っ暗で奥が見えないため、その前に置かれた作品が吸い込まれていきそうです。

※展示室内は写真撮影禁止ですが今回の展覧会は特別に撮影可能でした。

期間で変わる展示作品

2020年7月18日〜8月16日の期間は埼玉県在住の彫刻家・晴柀幸一(はれまき こういち)さんの作品を展示中。無機質な作品群は、まるで初めからそこにあった発電所の部品のように空間に溶け込みます。

さらに舞踏家の奥村万琵(おくむら ばんび)さんとのコラボレーションも開催中。赤い服をまとった姿が、発電所の無骨な背景の中映える。本日は映像による展示ですが、タイミングが合うと実際に生で舞踏を見ることもできるそう。
映像とともに、世界各地で舞う姿を捉えた写真も飾られていました。

企画展示の他にコレクションもいくつか展示されていますが、こちらは撮影NG。蟻が敷き詰められた「絵画の終焉」by 柴田勝造や、黄金に染められた木材で造られた「極楽’ 99-1」by 岡崎忍など、刺激的な作品が多くの展示されていました。

発電所美術館は常設展示を行っていません。訪れるたびに作品は入れ替わるため、目当てがある方はきちんと確認してからの訪問が良さそうです。

博物館の外観と展望塔

発電所美術館の建物の脇には階段があります。少し急斜面ですが、木の屋根がついたとても雰囲気の良い石段。

登っている途中で右を見ると、美術館の全貌がよく見えます。太くうねる錆を纏ったパイプが数本、建物に刺さっている異様な光景。

先ほど館内で見かけた真っ暗なトンネルは、このパイプに接続している様です。きっと発電用の水を流すための導水管ではないでしょうか。

もし発電所の仕組みについて興味がある方は、宇奈月温泉にある黒部川電気記念館へ行くといろいろ知ることができるらしいです!

登った先には芝生が広がり、レンガ風の展望塔が建っていました。

螺旋階段を一番上まで登ると、発電所美術館と周辺に広がる田園風景を見渡すことができます。天気が良い日には、日本海に沈む夕日も見ることができるらしいです!

田んぼの中に住居が点在する様子は、「散居村」と呼ばれる集落形態。富山県で多く見ることができる光景です。


このあとは、すぐ近くにあるもう1つの個性的な美術館へ!

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