煌びやかなおしゃぎりを多数見ることができるおしゃぎり会館。おしゃぎりに関する歴史や文化を実物を通して学ぶことができます。ところで、おしゃぎりってなんでしょうか?
おしゃぎりの博物館
イヨボヤ会館に続いて訪れたのがおしゃぎり会館。「イヨボヤ」も何かわかりませんでしたが、「おしゃぎり」もなんだかさっぱりわかりません。
「おしゃぎり」とは、新潟県の三大祭りのひとつ、村上大祭で曳き回される山車のこと。入館してすぐに見えてくるのは豪華絢爛な3つのおしゃぎり。スピーカーから祭囃子も聴こえてきて、臨場感が高まります。
気になる名前の由来ですが、江戸時代の1734年、お祭りの様子を記録した文書に「しゃぎり屋台も町々はこの頃は初めて種々たくみを尽くし、壮麗を極めて、年々あらたにできたり」と書き残されていることから、おしゃぎりと伝わってきたそう。
3つのおしゃぎり
こちらは上町のおしゃぎり。江戸時代末頃の名工・有磯周斎が制作したものと伝わっており、金箔で彩られた彫刻が見事。
大町のおしゃぎりは、上町に比べるとシックな印象。ですが、やはりこちらも金色の彫刻がたっぷりとあしらわれています。青い屋根は現在修理中とのことです。
3つ目は朱鷺屋台。こちらは町のものではなく、新潟県が展示用に作ったもの。新潟ふるさと村に展示されていましたが、リニューアルに伴い村上市に譲渡されました。イベントの際には実際に曳き回されたりもしているそう。
2階から見る乗せ物
このおしゃぎりは、2階からも見ることができます。高い位置から見ると、また印象が変わってきて面白いです。
気になるのは、おしゃぎりの2階部分に乗せられているもの。こちらは「乗せ物」といい、おしゃぎりそれぞれ異なっています。上町おしゃぎりの乗せ物は羽黒大権現と刻まれた「大梵鐘」。相当な重さではないでしょうか。
大町おしゃぎりの乗せ物は「諫鼓に鶏」。諫鼓というのは、中国で諫言したいものに打たせる太鼓、そこに鶏が乗るということは打ち鳴らされることがないこと、転じて平和の象徴とされます。
朱鷺屋台の乗せ物は、朱鷺に乗る「安寿と厨子王」。悲しい運命に翻弄される姉弟を描いた民話の主人公です。
先導する荒馬
こちらの武者姿の子どもたちは荒馬。同じく村上大祭に登場し、おしゃぎりを先導するカタチで出陣します。浅葱染の衣装に、古羅紗の腹掛を装備し、葦毛・青毛・鹿毛・栗毛といった馬にまたがり町を練り歩くそう。
1588年、村上城主・本庄繁長が出羽庄内を平定し、羽黒山の御分霊を奉じて凱旋したす方を表したものと伝わっており、それぞれ武将を表しています。
よく見ると、武者に扮しているのは子供!地域の子どもたちは、武者姿に憧れたりするのでしょうかね。
村上城に関する展示も
2階の展示室では、村上歴代城主の関連資料や刀剣、甲冑などの歴史資料が展示されています。本庄繁長、武田信玄、伊達政宗といった武将の書状など、堅く見える展示内容ですが、解説もあって非常にわかりやすいです。
こちらは村上城の模型。現在、城跡に再現建築はないので、こういった模型があるととってもイメージしやすいです。
こちらも同じく村上城の模型ですが、戦国時代の姿を再現したもの。調査によると、この頃はまだ石垣が組まれておらず、建築はすべて木造、屋根は茅葺きか板屋根であったそう。
さらに、窓からは臥牛山の山頂に残る村上城の天守台も見ることができます。
村上歴代城主の紹介もあり、おしゃぎりだけでなくお城に関してもいろいろ学べる博物館。村上城の訪問前後に立ち寄るのもおすすめなスポットでした。
アクセスと営業情報
JR村上駅より徒歩20分ほど。
開館時間 | 9:00~16:30 |
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休館日 | 年末年始 |
料金 | 500円 |
公式サイト | https://www.iwafune.ne.jp/~osyagiri/ |
※掲載の情報は2024年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
開館時間「16:30」は受付終了時間のようです。今回16:00過ぎに訪問してあまり時間ないかなと思ったのですが、受付の方が「17:00までは開いてるので、ゆっくり見ていってくださいね」とお声がけしてくれました。
コメント
[…] 新潟県の北部に位置する村上市。祭屋台である「おしゃぎり」や「村上城跡」、海辺に広がる「瀬波温泉」など見どころの多いまちです。 […]