森の中のTAROワールド『岡本太郎美術館』(川崎市)

神奈川県

生田緑地の広い森の中に立つ、岡本太郎のアートミュージアム。彼の世界を体感できる絵画や彫刻など、様々な作品がたっぷりと揃っています。理解しようとすると難解に見えますが、リラックスして見るとカラフルでユニークな作品群。きっと大人も子供も楽しめる内容です!

訪問日:2025/12/7(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

森の中のアートミュージアム

川崎市多摩区、小田急線の向ヶ丘遊園駅の近くに広がる生田緑地。広大な森林が広がり、科学館や日本民家園、ゴルフ場など様々な施設があります。

そんな生田緑地の奥地にあるのが岡本太郎美術館。「芸術は爆発だ」のセリフや、EXPO ’70 のシンボル「太陽の塔」で知られる芸術家、岡本太郎の作品をコレクションしたミュージアム。

岡本太郎所有の作品352点が川崎市に寄贈されたことに伴い建設計画がスタート、平成11年(1999年)にオープンしました。斜面に合わせて、地中に作られています。

建物の傍にそびえ立つのはシンボルタワーの《母の塔》。白くそびえる塔の上に多数の人型が集まる、高さ30mにおよぶ巨大な作品です。岡本太郎の意図を忠実に再現したものであるそう。

岡本太郎作品を多数展示

広々としたエントランスホール。中央には脚や頭はあるけど人のカタチをしていない《縄文人》が置かれています。

入館料は大人500円。自動券売機にて、キャッシュレス決済も可能でした。返却式のコインロッカーも多数備えています。

展示室入り口を進むと、まずは赤の部屋から。真っ赤で鋭角的な部屋の壁には、壁には太陽の顔のレッドバージョンとTAROの文字が。

常設展は、一部の作品を除き期間によって展示作品が変わるようです。訪問時はこちらの展覧会となっていました。

「岡本太郎 生きることは遊ぶこと」
会期:2025年10月28日(火)〜2026年03月29日(日)

絵画や彫刻、さらには写真まで、何事に対しても全身全霊で挑み続けた岡本太郎の様々な作品が展示されていました。

色鮮やかなペインティング

《森の掟》は様々な生き物が集まる作品。にぎやかに見えますが、ジッパーのついた不思議な生き物が人を食べているように見え、周りの生き物はそこから逃げているようです。右奥から左手前に飛び出すような構図は、躍動感たっぷり。

《美女と野獣》に描かれているのは女性と猫。まるでダンスしているかのような、リズミカルな作品です。

ドラゴンボールの集合のようなこちらの作品、タイトルはまさかの《マラソン》。岡本太郎は「生きがいを得るため」にゴルフ、野球、相撲など様々なスポーツを楽しんでおりました。特にスキーはプロ級の腕前で、エッセイ本も出版していたそう。この作品も、マラソンの中で感じたものを芸術に落とし込んだのでしょうかね。

中には、一般的な岡本太郎のイメージから少し離れた作品も。《傷ましき腕》は、大きな赤いリボンと、黒いひもを握る腕がリアルに描かれています。この頃の岡本太郎は、パリで抽象芸術運動に参加しながらも、抽象的な表現に限界を感じていたそう。

《夜》も写実的な女性を描いた作品。淡いブルートーンが作り上げるダークな雰囲気も、カラフルなイメージから離れており新鮮に映る。女性が後ろ手に持つナイフからは、何か深いドラマを感じます。

存在感のあるスカルプチャー

繊維強化プラスチックで作られた、高さ1mほどの《太陽の塔》もあります。ゆっくりと回転しており、背中の第三の顔までじっくりと見学できます。

ほっぺたに手を当てたかわいい姿の《午後の日》。多磨霊園にある「岡本太郎墓地」にも設置されているデザインです。

手前が《顔》、その奥は《ノン》と連なる彫刻作品。縄文時代の偶像崇拝を感じさせる、原始的な作品です。

カラフルに輝くのは《若い時計台》。太陽の塔のような顔を持つ時計台で、体から生えたトゲは手を上げているようにも見えます。実物は東京の銀座に設置れており、その高さは8mほど。

バリエーション豊かなイス

展示室に置かれた赤青黄色の椅子、岡本太郎が作った椅子でその名も《ゆったり》。普通の椅子に見えて、独特な座り心地の良さがあります。

他にもおなじみの《手の椅子》、2つ並んだ《駄々っ子》、カラフルなロープ仕立ての《ひもの椅子》など、個性的なイスがたっぷり。どれも実際に座ることができます。

目や口がかわいらしいカラフルなスツールは、ボコボコとしていて座り心地はイマイチ。

これらは《座ることを拒否する椅子》。岡本太郎は椅子について「精神的にも肉体的にも人間と対決し、抵抗を感じさせるのがいい」と考えていたそうです。これらのイスはきっとそんな精神を表した作品なのでしょうね。

岡本太郎の人物像

岡本太郎の人物について学ぶことができる展示もあります。生涯をあらわした年表では、当時の写真やキーワードとなる本人のコトバ、さらに隙間を覗くと、その時代の太郎の作品も見ることができます。

「天才を生んだ天才たち」すなわち、岡本太郎の両親に関する展示も。父である岡本一平は、大正から昭和初期に一世を風靡した漫画家。そして母である岡本かの子は、歌人・仏教研究家・小説家と様々な分野で活躍した人物だったそうです。

一平が描いたかの子の絵にかの子の歌が添えられていたり、かの子が綴り太郎によって装丁された小説も。家族の合作も多数生み出していたのですね。

さらに三人家族をみた川端康成の「日本人の家族としてはまことに珍らしく、お互いを高く生かし合いながら、お互いが高く生きた」という言葉も添えられていました。

なお、かの子の生まれが多摩川のほとり。岡本太郎が生まれたのも、ここ川崎の地なのです。

企画展:タローマン大万博

様々な企画展も開催している美術館。訪問時はこちらが開催中でした!

「タローマン大万博 川崎パビリオン」
期間:令和7年10月28日(火)~令和7年12月14日(日)

タローマンというのは、テレビドラマ『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』のこと。「1970年代の特撮ヒーロー番組」という体裁のもと、 2022年にNHKEテレで深夜に放送されていました。

タローマンが人々を脅かす「奇獣」と戦うというストーリーなのですが、正義の味方かに思えるタローマンは、戦ったり戦わなかったりと自由ででたらめな立ち振る舞い。展示室では、「三大奇獣襲来」の話が上映されており、知らない人でもそのシュールな世界観をその場で体感できます。

奇獣のモチーフとなっているのは岡本太郎作品というのがポイント。「森の掟」「太陽の塔」「午後の日」「傷ましき腕」など、太郎作品のキャラクターが立体化されて街を壊していきます。特撮で使用された造形もたくさん展示されていました。

幼い頃にタローマンのファンであったという(設定)、サカナクション山口一郎氏のコレクションも展示されています。ソフビ人形、ソーセージ、ビデオ、ペナントなど、まるで本当に70年代に販売されていたかのようなレトロな仕上がり。

テレビゲーム版タローマンも!ファミコンらしい横スクロールアクションで、これまたリアル。

タローマンロボになりきれるフォトスポット「ビルかぶりコーナー」もあります。隣のボタンを押すと「ワシのビルが〜!」「社長〜!」という、劇中の定番のセリフも流れてきました。

 


そんなわけでたっぷり楽しんだ岡本太郎美術館。じっくり見ていたら、気がついたときには2時間くらいが過ぎていました!岡本太郎作品を一度に摂取しすぎて、食あたりになりそうです。

出口にはミュージアムショップもあります。太陽の塔トートバッグやフィギュア、午後の日ぬいなど、岡本太郎作品モチーフのグッズがたくさん!

私はうっかりタローマンガチャ回してしまい、「ビルの窓を突く巨人、タローマン」を入手しました!

アクセスと営業情報

前述の通り生田緑地の奥地にあるため、最寄り駅である小田急線の「向ヶ丘遊園駅」からでも徒歩20分以上とそれなりの距離があります。バスを使っても、最寄りバス停の「生田緑地」入口からも徒歩10分ほど。

開館時間 9:30~17:00
休館日 月曜、翌祝、年末年始
料金 500円
公式サイト https://www.taromuseum.jp/

※掲載の情報は2025年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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