江の島に点在する3つのお宮めぐり『江島神社』(藤沢市)

神奈川県

「奥津宮(おくつみや)」「中津宮(なかつみや)」「辺津宮(へつみや)」の3つの宮を総称したのが江島神社。8本腕の弁財天や池に降り立った龍神、八方睨みのカメなどインパクトのある光景が続きます。かなりの石段を登ることになるので、飲み物や熱中症対策はお忘れなく。

訪問日:2020/8/15(土)

階段だらけの険しい参道

江の島弁天橋を渡り青銅鳥居をくぐるとお土産物屋さんや食事処が立ち並ぶ賑やかな参道へ。

そこを抜けると、大きな朱の鳥居が姿を現します。

この鳥居の左側には有料のエスカレーター「江の島エスカー」乗り場があります。エスカレータにお金を払うのに抵抗がある方もいるかと思いますが、江の島は階段が多く非常に体力を使います。ケーブルカーに乗るつもりで利用するのもアリです。

朱の鳥居のすぐ奥には大きく立派な瑞心門。まるで龍宮城のようなデザインは、その名も「竜宮造り」という建築様式。漆喰塗りの門の上に入母屋の屋根が乗ります。

篤い弁天信仰「辺津宮」

参拝者を最初に出迎えてくれるのは辺津宮(へつみや)田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)を祭る神社です。

辺津宮目の前の白龍銭洗池には白い龍神が鎮座しており、その前には賽銭箱が設置されております。賽銭投げのコントロールが試される仕様で、なかなか難易度は高めです。

八角形のお堂は弁天堂こと奉安殿(ほうあんでん)。内部に入るには拝観料200円が必要です。

堂内には、8本腕で剣を持った勝運の神・八臂弁財天と、琵琶を携えた音楽芸能の神・妙音弁財天が安置されています。

神社やお寺で見ることができる弁財天像は「8本腕」と「2本腕」の2つのタイプがあります。前者は戦闘神、後者は芸能神としての性格が強く表れています。

弁財天像の他にも十五童子像や5弦琵琶、白蛇が浮き出た石なども展示されており、小さな宝物館といった雰囲気です。

美のご利益たっぷり「中津宮」

続いて市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)を祭る中津宮(なかつみや)。木々に包まれて朱色の社殿が映えます。創建は853年、その後何度も改築が行われ、現在の社殿は平成8年に改修されたもの。

縁結びの願いが込められた絵馬がずらりと並ぶ。その後ろに描かれているピンク色の曲線は、弁財天の羽衣をイメージした中津宮のマーク。

美肌守、美形守、美髪守、美白守、美笑守と、美容に関する5つのチャームお守り。「よくばり美人守」と呼ばれており、ベースの美人守ストラップに、希望する美のチャームを付けて完成させます。それぞれご利益を象徴したイラストが描かれているのですが、美白守がとってもシュール。

こちらは水琴窟。地中に瓶が埋まっており、流れる水が雫となって落ちることで反響した音を辺りに響かせる。涼やかな音色で心が和みます。

カメが見守る「奥津宮」

江の島神社の社殿で最も奥にあるのが奥津宮(おくつみや)。宗像三姉妹の長女、多紀理比命(たぎりひめのみこと)を祭ります。

龍と弁財天が描かれた大きな杓文字が両サイドに並びます。これは、弁財天の琵琶と似ているから奉納されるようになったそう。

なお、江島神社とならび日本三大弁財天に数えられる宮島の厳島神社でも杓文字が土産物として人気です。これは、かつて修行していた僧が島の発展のために弁財天の琵琶に似たしゃもじを土産として売り出したことに由来しています。江島神社の杓文字も、この影響を受けて奉納するようになったのではないでしょうか。

拝殿で天井を見上げると、そこには亀の絵が。ぎょろっとした目が印象強いこの亀は「八方睨みの亀」。江戸琳派の祖である画家・酒井抱一が描いたものですが、なぜ亀を選んだのかはわかっていないそう。社務所では、この亀をデザインした交通安全守も扱ってます。

よく見ると拝殿にも木彫りの亀が施されていたり、すぐ近くには亀石と呼ばれる石があったりと、奥津宮は亀と関りが深いお宮です。

龍神を祭る「龍宮」

奥津宮の隣には青銅の龍が守る岩屋・龍宮があります。読み方は「りゅうぐう」ではなく「わだつみのみや」。これは読めませんでした・・・!

内部に入ると赤と金の派手な社殿が。向かって左の柱には金色の昇り龍が装飾されています。通常、逆側には降り龍が描かれていることが多いのですが、ここでは左側のみ。さらに左下を見ると、また違う龍も置かれています。

本来ならば対となる龍がなぜこの配置なのか。これは絶対何か意味がある気がするのですが、調べてもわからず。ご存じの方いましたら教えてほしいです。

江ノ島には5つの頭を持つ五頭龍の伝説や、鎌倉北条家にまつわる龍神伝説が伝わっています。

詳しくは江の島岩屋の記事にて。

ドラゴンが潜むラストダンジョン『江の島岩屋』(藤沢市)
多くの観光名所が集まる江ノ島で、最も奥地にある洞窟。修行の場であり、信仰の対象でもあった岩屋は、深い歴史を持っています。この洞窟には龍神伝説が残っており、最深部には光に照らされた龍が待ち構えています。 営業時間:9:00~18:00 ※季節によって異なる 料金:500円 訪問日:2020/8/15(土) アクセスにおすすめな「べんてん丸」 江の島岩屋があるのは、江の島の最奥地。稚児ヶ淵の...

今回私はべんてん丸という連絡船で稚児が縁へ渡り、奥津宮→中津宮→辺津宮の順で巡りました。このルートだと、ほぼ下りでめぐることができるため、とっても快適に江島神社を参拝することができます。

鳥居を順にくぐってお参りしたい、そんな方は日よけ対策や水分補給を忘れずにご用意ください!

※明日からは岡山、香川、広島、山口、愛媛と瀬戸内海をめぐる旅がはじまります!

コメント

タイトルとURLをコピーしました