かつての中学校をリノベーションしたアート交流施設。情緒あふれる木造校舎にて、ユニークな展覧会やワークショップを開催しております。個性的で優しいスタッフさんも魅力的なスポットです!
廃校リノベーション系の施設
西会津国際芸術村は2002年に廃校となった旧新郷中学校の木造校舎を活用して、2004年にオープンしたアートスポット。英語表記の”Nishiaizu International Art Village”の頭文字を取り、「NIAV」とも呼ばれています。
ここは、海外アーティストが住み込みで作品を制作したりと、アートを通じて国際交流が行われる場所。展示会やワークショップも開催されているため、一般人でも見学することができます。入館料は無料で、スタッフのお姉さんがとても丁寧に館内の説明をしてくれました。
館内は木造校舎の趣がそのまま残っています。ビニールのスリッパ、きしむ木の廊下など、経験したことがなくても懐かしく感じるから不思議です。
充満するあの日の面影
あちこちに残る小学校の面影は、それだけでも充分な展示。廊下の手洗い場も学校らしさを感じるポイントです。
おもむろに置かれているのは視力検査の装置。この「C」みたいな記号、ランドルト環っていうんですよね。
職員室にはピアノや各種パーカションが置かれています。ミキサーなどの音響設備も整っているため、確実にライブが開催されるている模様です。
廊下に置かれた逆さメガネ。かけてみると、天地がひっくり返った世界に。ただでさえノスタルジックな世界である館内に、さらに異世界要素も乗っかるため摩訶不思議ワールドに迷い込んだ気持ちです。
この木造校舎は、戦後の何も無い時代に地元の人々が自らの手で作り上げたものであったそう。生徒さんはもちろん、きっと多くの人の思いが詰まっているのでしょうね。
校舎を活かしたユニークな企画展
ここでは、年に数回の企画展・イベントを開催しています。私が訪問した2024年5月は、こちらの企画展が開催中でした。
会期:2024年4月26日(金)〜6月30日(日)
谷川俊太郎さんの書籍『ことばあそびのうた』をテーマに、町内の「けいぼく・アート書道教室」の方々が作成した様々な作品を展示しています。
書道といっても、半紙に書かれたものだけでなく、墨を擦り続けるシーンや炭を垂らしているところを映した映像作品も。動きのある展示は目を引きます。
ぶら下がるたくさんの「の」と「の」と「は」と「な」。シンプルな文字ですが、人それぞれ書き方が違うため見比べてみると面白いです。
教室の中央に鎮座する不思議なオブジェ。ツノをはやした龍の頭にも見えるし、ウミウシやイモムシにも見える。
床と壁に貼られた大きな半紙。そこには様々な文字や線が自由に描かれています。漂う墨汁の香りに、書道バッグを持って通学路を歩いていた小学生の頃の記憶が呼び覚まされました。
書道のルールにとらわれず自由に書かれている言葉。よく見ると、アスパラにとりつかれた人を見つけてしまいました。
あの人物もスタッフ!?
さて、注目したいのが入口に置かれたスタッフさん情報。お名前と顔写真の下に、「今、います」「今、出かけています」といった在館情報が表示されています。おひとりだけ「いつでもいます」という、住んでいるのではないかという方も。
そんな中、一人気になったのは「上ノ畑ニ居リマス」の表示。
よく見ると、お名前が「宮沢賢治」だ!!!!
スタッフさんに伺った話によると、かつて建物全体を使って宮沢賢治の「注文の多い料理店」の演劇が開催されたそうです。来館者は部屋をめぐっていろいろと注文され物語の世界を体感できるという、没入型のイベントであったそう。それ以来、宮沢賢治は上の畑にいるそうです・・・!!!
アクセスと営業情報
道中は案内も少なく少々不安になりましたが、Google Map通りに進めばたどりつくことができました!
開館時間 | 10:00~17:00 |
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休館日 | 月曜、火曜 ※祝日除く |
料金 | 300円 |
公式サイト | https://nishiaizu-artvillage.com/ |
※掲載の情報は2024年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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