築1200年の五重塔と静謐な奥之院『室生寺』(宇陀市)

奈良県

宇陀の室生山中に静かに建つ室生寺。国内で2番目に古い五重塔や、平安時代頃に造立された仏像など深い歴史を感じる古刹です。長い石段を登った先にある奥之院では、立派な懸造りの位牌堂や壮大な眺めを楽しめます。

2021/9/18(土)

真言宗の寺院

室生川に架かる太鼓橋を渡った先に拝観受付があります。

室生寺は、奈良時代の末に、興福寺の賢憬(けんけい)というお坊さんが桓武天皇の勅命を受けて建立。興福寺の末寺として興隆していきます。

江戸時代に入ると興福寺を離れ、真言宗の寺院へ。昭和39年には真言宗室生寺派の大本山となります。

明治39年まで真言宗の総本山である高野山は女人禁制でしたが、この室生寺は女性でも参詣することが可能でした。そのため「女人高野」という別称でも知られています。

(※天武天皇の勅願によって、役小角が建立、弘法大師が整備したとの謂れもあるようです。)

迫力ある参道

まず目に入るのは大きな仁王門。赤と青の仁王像が、訪れる人に睨みをきかせています。力士像のまわりには、奉納されたわらじがたくさん。

続いて見えてくる石段は、鎧坂(よろいざか)。ゴツゴツとした石段は、まさに鎧という表現がぴったりハマります。案内によると、鎧の草摺(くさずり=腰回りに垂れている部分)に似ていることからこの名がついたそうです。

両サイドには肉厚な葉が印象的なシャクナゲがたくさん植えられています。4月中旬~5月中旬にはピンク色の花が、あざやかに石段を彩ります。

情緒あふれる諸堂

茅葺屋根の弥勒堂。堂内の中央には、奈良時代末から平安時代初期に作られたとされる弥勒菩薩立像が安置されています。また、鬼を従えた役小角像の姿も見ることができます。

石垣の上にせり出した「懸造り」という建築様式の金堂。平安時代初期の作といわれる釈迦如来立像、薬師如来立像、文殊菩薩立像が安置されています。

延慶元年(1308)に建立された本堂。木々に包まれた姿は威厳を放っています。堂内では本尊である如意輪観世音菩薩を安置。六臂(6本腕)で片足を上げて座る非常に個性的な仏像で、大阪の観心寺・兵庫の神呪寺(かんのうじ)とあわせて、日本三如意輪に数えられています。

日本で2番目に古い五重塔

室生寺のシンボルとも呼べるのが、本堂の側に佇む五重塔。石段の奥で木立に包まれる姿は荘厳です。

苔むした檜皮葺の屋根が歴史を感じさせてくれます。室生寺の境内で最古の建築物で、延暦19年(800年)頃に建てられています。国内に五重塔は多数存在していますが、この塔は法隆寺塔に次ぐ2番目に古い塔。1200年前からこの場所に立っていると考えると、壮大な歴史ロマンを感じます。

その高さは16mで、国宝・重要文化財に指定された屋外の木造五重塔としては国内最小とのこと。とはいえ、実際に目の前に立ってみると、小さいといった感じは全くしません。

奥之院への道のり

五重塔の裏手には奥之院へと続く道が続いており、片道約10分ほどで登ることができます。なお、この奥之院までの道の閉門時間は15:30と早めなのでご注意ください。

立派な杉の木立に包まれた道は、歩いていると心地よい。砂利と石段で歩きやすくはなっていますが、いったん下った後に上りとなるためなかなかハードな道のり。傾斜はかなり急ですぐに息が上がってしまうため、飲水は持ってきた方が良いです。

木立の向こうに見えてくる柱で支えられたお堂は、位牌堂。先ほどの金堂よりもはるかにスケールの大きな懸造りで、崖に沿うように柱が連なっています。

位牌堂と御影堂

石段を登りきると、位牌堂へと入ることができます。麓の町や室生川を見渡せる絶景の展望台。吹き抜ける風が心地よく、ベンチもあるためひと休みすることもできます。

位牌堂の奥にあるのが弘法大師像を安置する御影堂。通常は閉扉しておりますが、毎月21日には御開帳となり、拝観することができるそうです。

寄棟屋根のてっぺんには、石の置物のようなものが設置されています。こちらは露盤宝珠といわれるもの。飾りであり、雨を防ぐ「雨仕舞い」の効果もあるようです。

新設された寳物殿

受付のすぐ近くには寳物殿(ほうもつでん)があり、入山料+400円で拝観できます。

2020年に公開されたばかりのため、非常にきれいなミュージアム。平安時代に作られた十一面観音立像や、鎌倉時代に作られた十二神将立像といった仏像や、室町時代の金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅も展示されています。

薄暗い照明の中で静かに佇む仏像は、とっても神秘的でした。部屋数はほぼ一部屋とコンパクトなので、あまり時間が無い方でも気軽に立ち寄れます。(※内部は撮影禁止でした)

アクセスと見学所要時間

近鉄大阪線の室生口大野駅からバスで14分ほどのバス停《室生寺》から徒歩5分ほど。バスの本数は1時間に1本程度です。

車の場合は国道165号線から10分ほど。専用の駐車場は無く、近隣の民間駐車場を利用します。相場はだいたい500〜600円くらい。お店を利用すれば無料ということろもちらほら見かけました。

見学所要時間は、五重塔までなら30分程度、奥之院&寳物殿まで含めると1時間程度見ておいた方が良いです。

拝観時間 9:00~16:00
入山料 600円
公式サイト http://www.murouji.or.jp/

ちなみに受付すぐのところにトイレがあるのですが、びっくりするほどキレイ!ウォシュレット付きで、蛇口からはお湯が出ます。

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