マイントピア別子① 鉄道に乗って行く鉱山観光『端出場(はでば)ゾーン』(新居浜市)

愛媛県

かつて銅山としてにぎわいを見せた別子につくられた鉱山系のテーマパーク。リアルに再現された坑道内部には、江戸時代の工夫の人形やジオラマ、ユニークな体験コーナーが詰まっています。周辺に点在している産業遺産も見ごたえ充分です。

訪問日:2021/12/10(金)

鉱山のテーマパーク

マイントピア別子は、かつて稼働していた別子銅山の跡地を活用したテーマパーク。園内は「端出場(はでば)ゾーン」「東平(とうなる)ゾーン」の2つのエリアに分かれています。

本館のある端出場ゾーンでは、観光列車に乗って行く観光坑道やレストラン、温泉、砂金採り体験など様々なコンテンツが集まります。道の駅マイントピア別子も併設されており、多くの人でにぎわいます。

東平ゾーンには東平歴史資料館や銅板レリーフ体験ができるマイン工房、そして迫力の産業遺産が残されており「東洋のマチュピチュ」とも称されています。

2つのゾーンは約10kmほど離れております。車で25分ほどかかるため、時間配分にはご注意を。

今回の記事では端出場ゾーンの鉱山観光に焦点をあててご紹介させていただきます。

列車に乗って鉱山へ

端出場ゾーンの観光のメインとなるのが、旧火薬庫を改造してつくられた観光坑道。

坑道の入り口は受付から少し離れているのですが、なんと鉱山観光列車に乗って行くのです!本館1階にてチケットを購入したら、2階にある開運駅へ。列車は毎時00分/20分/40分と20分おきに発車しています。

乗車するのは、かつて別子鉱山鉄道として運行していたた蒸気機関車「別子1号」をひとまわり小さく復元した車両。煙を上げて走る姿は、雰囲気抜群です。

車内では案内音声が流れるのですが、担当しているのは「新居浜ふるさと観光大使」である声優の水樹奈々さん!明るく元気な声で別子銅山について解説してくれます。

乗車時間わずか5分で観光坑道の入り口となる幸運駅に到着。そこから少し歩くと、すぐにレンガが積まれた坑道の入口が見えてきます。

人形がはたらく坑道

観光坑道の全長は約333m、30分程度の道のりです。当初は人の手によって掘り進められており、人形を使ってその様子が再現されています。

手作業で掘り進める掘子(採鉱夫)と、カゴを背負った負夫(運搬夫)。しっかりとエイジング加工された衣服がリアルですね~。なお、手に持っている照明は、サザエの貝殻でつくったものだそう。

鉱石を掲げている人形。こちらは「切上り長兵衛」という人物で、別子銅山の発見者といわれています。笑顔に見えるのは、発見した喜びを再現しているのでしょうかね。

この長兵衛は各地の鉱山にて働いた経歴を持ちます。”切上り”という名は、鉱山を上向きに掘り進むのが得意だったことからついたそうです。

日本各地にある鉱山ですが、発見者がわかっているのってすごくレアな気がしますね。

わかりやすいジオラマ

こちらは排水を行う様子を再現したジオラマ。採掘を続けていると、水が溜まって作業を妨げます。それを防ぐため、手動のポンプを何段も連結で組み合わせて、何人もの人がひたすら人力で汲み上げていたそう。

近代化が進む明治以降は立体的な巨大ジオラマで再現。ボタンを押すガシャガシャした蒸気機関のBGMとともに、ロープウェイや機関車が動き回ります。

このジオラマ、細かいところまですごく作り込んであります。機関車の進む先には鉄橋もあったりして、見ていてまったく飽きません!でも、お賽銭が供えられているのは謎です。

充実の体験コーナー

終盤に突然現れる遊具。遊びながら体験できる遊学パーク。索道のゴンドラに乗ったりして遊ぶことができるエリアです。

子供向けかと思いきや、大人でも楽しめる体験も!こちらの削岩機体験は、ボタンを押すとドドドッかなりの勢いで機械が動き出します。これ、なかなか激しいです!続けていると、岩が割れていくといった演出もあります。

さらに、先ほどジオラマで見かけた手動の汲み上げポンプも3基ほど設置されています。実際にレバーを上下に動かしてみると、なかなかの重労働。当時の苦労が偲ばれます。

がんばって汲み上げた水はパイプを流れてグリーンの「鹿威し」へとたまっていきます。一定量までためきると水車に水が流れこみ、取り付けられたベルが鳴るという仕掛け。せっかくならベルが鳴るまでやるぞ!とがんばってポンプをシュコシュコ。さわやかなベルの音が鳴り響いたとき、めっちゃ達成感ありました。

こちらの椅子みたいなものも、実は体験コンテンツの一つ。何だかわかりますか・・・?

正解は「座ってビックリ!動く岩」。その名の通り、座るといきなり動いてびっくりする岩です。謎過ぎるアトラクションですが、友達と来たらこういうのが一番盛り上がるのですよね。

歩いて帰ろう

帰りの列車は05/25/45分に発車します。実は、列車に乗らず歩いて帰ることも可能!道中にはいくつか見どころもあるようなので、歩いてみることにしました。
(※歩いて帰る際のルート入口は通常チェーンで閉ざされています。幸運駅のスタッフさんに告げると通してもらえます。)

すぐに見えてくるのは1915年に開通した第四通洞。通洞というの鉱山におけるもっとも主要な水平坑道のこと。長さは約4,600mで、レンガ積み姿が雰囲気あります。

第四通洞の目の前にある橋は四通橋。現在渡ることはできませんが、かつてはトロリー電車が走っていたそう。

あっというまに本館へと戻ってきました。ゆっくり歩いても10分弱でした!

おまけで、マイントピアのすぐそばにある旧端出場水力発電所。1912年に完成した、別子銅山の電力増強のための発電所です。ぱっと見、かなり保存状態が良さそうに見えます。そのうち内部公開とかしないでしょうかね・・・?

これにて端出場ゾーンはおしまい。次回は東平ゾーンについて書きますね!

アクセスと営業情報

松山自動車道の新居浜ICより約10分。

営業時間 9:00~17:00(最終受付15:50) ※12/1~春休みは10:00から
料金 1,300円
公式サイト https://besshi.com/

※列車に乗るため、営業時間に比べて最終受付時間が早めに設定されています。時間配分にご注意ください。
※掲載の情報は2021年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

マイントピア別子② 山の上に広がる夢のあと『東平(とうなる)ゾーン』(新居浜市)
かつて鉱山都市として大いににぎわいを見せた別子銅山。多くの産業遺跡が残る中でも、シンボルと呼べるのが東平ゾーンに残る索道基地跡&貯鉱庫跡。山上に広がる石積みの姿は、「東洋のマチュピチュ」とも形容されています。

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