手賀沼の畔に立つ、鳥をテーマにしたミュージアム。手賀沼で見られる鳥はもちろんのこと、世界中の様々な鳥の剥製も見ることができます。カラフルな羽毛を持つ鳥や体の大きな鳥など、個性的な鳥たちの姿に引き込まれます。
手賀沼の傍に建つ博物館
千葉県の我孫子市や柏市にまたがる手賀沼(てがぬま)。その湖畔には、非常に珍しい鳥専門のミュージアム、その名も鳥の博物館があります。
外観は鳥要素ひかえめですが、よく見ると銀色のジャイアントモアの彫刻が立っています。
市立の博物館であるため、入館料は300円と格安。受付のそばには鳥類史上最大であるエピオルニスの卵がおかれており、自由にさわることができます。
卵の隣には、市の鳥の剥製。この鳥の名前、みなさまご存じでしょうか?
正解はオオバン。アヒルやカモとは異なるクイナ科の鳥で、黒い羽毛に白い頭、大きな脚が特徴です。都内などでも見かけることがあるので、名前を覚えておくとアピールの機会は多いですよ!(筆者体験談)
四季を表すジオラマ
2階の展示室に広がるのは手賀沼を再現したジオラマ。大きくすらっとしたアオサギやダイサギ、悠々と泳ぐハシビロガモやカイツブリなど、様々な鳥の姿。よく見ると、クイナやカワセミもいます。
このジオラマが示しているのは、手賀沼の冬。繁殖期を北の国で過ごした鳥たちが渡ってくるため、実は冬というのは最も鳥たちでにぎわう季節なのです。
続けて春の姿。田植えが始まると、シギやチドリが多く集まります。白と茶色のカフェオレみたいなカラーリングのアマサギやツバメは、南国で冬を過ごしてこの時期に戻って来ます。
ヨシ原が生い茂る夏。東南アジアで越冬したオオヨシキリが渡ってきて、ヨシの中に巣をつくり子育てがはじまります。
秋は一番鳥が少ない季節。春や夏を過ごした鳥たちが南国へ飛び立ち、冬を越す渡り鳥もまだ飛来しておらず入れ替わりのシーズンなのです。ということで、カワセミやハクセキレイなど、渡り鳥ではない留鳥たちが目立ちます。
迫力ある絶滅種たち
鳥類の始まりとされているのが、1億5千年前に生息していたとされる始祖鳥。爬虫類の特徴も大きく残しており、恐竜から鳥への進化をつなぐ生物として非常に重要な存在です。化石のレプリカに加えて、ヒヨドリやゴイサギの羽を使用した復元模型も。
ジャイアントモアの骨格標本。高さ3m以上、鳥類史上最も背の高い鳥であったそう。まるで恐竜のような存在感です。
その隣に立つのはディアトリマの復元模型。6000万年前に生息していた大型の鳥です。がっしりとした体格に大きなクチバシ。かなり強い鳥であったことが想像できます。ちなみにこの模型、羽毛はエミューのものを使用しているそう。
こちらはドードーの復元模型。マダガスカルの近く、モーリシャス島に生息していましたが、乱獲により1670年頃には絶滅してしまいます。剥製などは残っていないため、古い絵画や文献を元に、ダチョウやニワトリなどの羽を使用して再現したそうです。
圧巻の鳥類標本
圧巻なのが、こちらの鳥の剥製のお部屋。展示室の四方の壁がガラス張りになっており、日本や世界の鳥たちがずらりと並んでいます。その数はなんと約270点!!
ダチョウ、ヒクイドリ、エミューなど大型のものから、イワツバメやエナガなどちいさな鳥まで、多種多様な鳥たちが並んでいます。それぞれ分類毎に並んでおり、生息地などのちょっとした解説もあり。
色もカタチも個性的な鳥たち。見たことあるけど名前がわからなかった鳥を知れたり、動物園でも見れないような鳥の姿に出会ったりと、見応え抜群の展示室です。
ユニークな世界の鳥
ということで、私が気になった鳥をご紹介。
ひときわ目を引くのは、長く伸びた羽が美しいオオフウチョウ。これはオスに見られる飾り羽で、一夫多妻制であるそう。急にギラついてる感じに見えてきました。
まるで恐竜みたいなツメバケイ。南米のアマゾン川流域に生息している鳥で、ヒナの羽にツメがあり木をよじ登ることができるそうです。さっき見た始祖鳥に通じるものがありますね。
力強い姿のノガン。太い首やそこに生える逆毛から貫禄のある鳥です。地上を走ったり、のど袋を膨らませた求愛ディスプレイを行うことも。アフリカ、アジア、オーストラリアなど広い範囲に生息しており、日本での観察記録もあるようです。
親指くらいしかないとっても小さな鳥を見つけました。名前はブロンズエメラルドハチドリと、なんだかゴージャスなネーミング。ハチドリ科は鳥類で最も小さく、羽を高速で動かして花の蜜や虫を食べます。
鳥って姿も生態も様々でめっちゃ面白いです。この剥製の部屋、何時間でもいられる気がします!!!
一晩泊めてもらえないでしょうか・・・?
アクセスと営業情報
開館時間 | 9:30~16:30 |
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休館日 | 月曜、年末年始 |
料金 | 300円 |
公式サイト | https://www.city.abiko.chiba.jp/bird-mus/index.html |
※掲載の情報は2024年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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