レトロとモダンのコントラスト!多彩な展覧会が魅力の『京セラ美術館』(京都市左京区)

京都府

2020年にリニューアルオープンした京都市美術館あらため京セラ美術館。歴史的な建築に現代的な要素が加わった建物では、近代の日本美術を中心としたコレクション展や、モダンアートの特別展など様々な展覧会を開催しています。

訪問日:2023/3/26(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

近代と現代が混じる建築

東京都美術館に次ぎ、日本で二番目に古い公立美術館であった京都市美術館。2020年のリニューアルオープンの際に、京セラ株式会社がネーミングライツを獲得、京セラ美術館という名で生まれ変わりました。

帝冠様式と呼ばれる重厚な外観。建築は日本の公立美術館で最も古いそうです。

リニューアルに伴い、入口部分が掘り込まれ「京セラスクエア」というスロープ状の広場ができあがりました。さらにガラス張りの「ガラスリボン」という空間が増築され、カフェやミュージアムショップが入っております。

レトロな建物部分とモダンなスペースのコントラストが非常にユニーク。上下で別の世界にように見えます。

多数の展覧会を同時開催

館内は「南回廊(本館)」、「北回廊(本館)」、「東山キューブ(新館)」と独立した展示室が広がり、様々な展覧会を複数同時に開催しています。目当ての展覧会のタイミングを狙っても良いし、ふらっと訪れても興味のある展示に出会えそうな雰囲気です。

なお、一般的な常設展示は無く、収蔵品はコレクション展というかたちで期間によって違う作品が展示されているようです。また、展覧会のチケットはそれぞれ別々。特別展チケットを買えばコレクション展も見られる、というわけではないので御注意ください。

館内へ進むと、真っ白な広い空間。この左右が南回廊や北回廊の入口、通り抜けると東山キューブへとつながります。

今回は本館 南回廊1階で開催されるコレクション展と、新館 東山キューブで開催される特別展を見ていくことにしました。

京都美術が集まるコレクションルーム

南回廊は収蔵品を展示するためのコレクションルーム。訪問時に開催されていたのはこちらの展覧会。

[2023 春期]コレクションルーム 特集「魅惑の昭和モダン」
2023年3月10日-2023年6月18日

欧米文化が流入していき明治から大正時代。昭和へ入ると、ファッションやライフスタイルにも多く取り入れられ、人々の生活様式はどんどん変化していきます。そんな時代変化の姿を描いた作品を中心に紹介した展覧会。作品の解説に加えて、時代背景の解説もあるため、博物館のような楽しみ方もできます。

展覧会のポスターにもなっているのは丹羽阿樹子さんの《ゴルフ》。着物姿でゴルフを楽しむ女性を描いた作品。和洋折衷なモダンが詰まった作品で、ゴルフコースも日本庭園風になっているのがユニーク。

同じく丹羽阿樹子さんの作品《遠矢》。髪を短くしたモダンガール、通称「モガ」が矢を射る姿を中心にとらえたデザイン性の高い作品です。女性のファッションは黄色いワンピースに黒いハイヒール。当時のモダンなファッションは、今見るとレトロに感じます。

絵画だけじゃなく工芸作品も展示されています。こちらは漆芸家の徳力彦之助さんによる《流線型的なる置時計》。赤いオブジェに見えますが、こちらは時計。描かれたアザミの花の部分が空いており、そこに文字盤が現れるようになっています。実用性よりもデザインに振り切っているように感じますね。

モダンアートに会える東山キューブ

リニューアルオープンとともに新たに追加されたのが東山キューブと呼ばれる建築。文字通り四角形の展示室で、主に現代アートを中心に展示しています。訪問したときに開催されていたのはこちらの展覧会。

特別展:跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー
2023年3月9日-2023年6月4日

気鋭の作家を中心に集めた現代アートの特別展。非常に刺激的な作品が多数集められています。

岩崎貴宏さんの《Out of Disorder》では、黒一色で造り上げられた世界が屏風の様に広がります。深い地層は長い年月を表しているのでしょうか。よく見ると、素材は黒いタオルや糸などで日常的なものが使用されています。

シルバーに輝く金属の鹿は、高橋賢悟さんの《Re: pray》。その角に咲いた花は、生花を型にはめて作成しているそうです。

コレクションルームでの収蔵品展とはまた違う方向での芸術作品ばかりがそろっているため、2つの展覧会を同時に見ても疲れることなく楽しめました。最初はどちらか1つにしようかなとも思ったのですが、両方見て良かったです!

■晴れの日がおすすめ?
この日は雨か降っていたため、屋内型の施設ということでここに訪問しました!展示作品は天候を気にせず楽しめるのですが、南回廊から入ることができる「天の中庭」は雨のためクローズ、さらに東山キューブの屋上のスペース「東山キューブテラス」もクローズしておりました。景色や建築を楽しみたい方は晴れの日がおすすめです。

アクセスと開館情報

地下鉄東西線の東山駅より徒歩約8分、京阪の三条駅・地下鉄東西線の三条京阪駅より徒歩約16分。

開館時間 10:00~18:00
休館日 月曜、年末年始
料金 展覧会により異なる
公式サイト https://kyotocity-kyocera.museum/

※掲載の情報は2023年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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