虎ノ門のビル街に鎮座する都市型神社。ビルと一体化したような境内は、ヒノキの香りがあふれる落ち着ける空間となっています。四神が守護する鳥居や、縁結びの御利益がある結神社など見どころも豊富です。
ビルを抜けて向かう神社
高さ約115mの高層オフィスビルの虎ノ門琴平タワー。その入口には大きな鳥居がそびえ立っています。
鳥居の先は、柱だけのピロティ。日陰の広い空間にはベンチがあり、人々の憩いの場といった雰囲気。境内には自販機もあるので、腰かけて休んでいる人を多数見かけました。なお、このビルの1階部分には社務所が入っております。
この神社は、万治3年(1660年)に讃岐丸亀藩の藩主・京極高和が、芝・三田の江戸藩邸に金毘羅大権現を勧請したのがはじまり。延宝7年(1679年)、京極高豊の代にこの虎ノ門の地に遷座。当時は「金毘羅大権現」という名でしたが、明治時代に神仏分離令が施行されると「金刀比羅宮」に改称します。
主祭神は大物主神と、讃岐に配流された崇徳天皇。海上守護、五穀豊穣、招福除災などの神として信仰されています。
ヒノキの香りが漂う社殿
ピロティを抜けた先には、現代建築からうって変わって趣のある社殿。太平洋戦争の戦災により焼失してしまいましたが、昭和26年(1951年)に権現造りにて拝殿と幣殿が再建されました。
総尾州檜造りであるため、あたりにはヒノキの良い香りがあふれています。都会で感じる機会のあまりない芳香は、ここだけ別の世界のような空気。
この建築を担当したのは伊東忠太。日本古来の建築を見直し、日本で最初の建築史家とされる人物です。他にも築地本願寺、平安神宮、湯島聖堂など、多数の神社仏閣を手掛けています。
こちらは神楽殿。駐車場へつながるスロープの上に建っており、まるで浮いているかのような姿。毎月10日には、ここで里神楽が奉納されているそうです。
四神が守る銅鳥居
社殿の前にそびえるのは。文政4年(1821年)に奉納された銅鳥居。明神型鳥居と呼ばれるタイプの鳥居であり、左右の柱上部には四神の彫刻が施されています。
向かって左側の柱には、青龍(上)と玄武(下)。柱に巻き付く様に一体化したカタチで彫られることの多い龍ですが、ここでは鳥居とは分離しており、まるで舞い降りたかのような姿。
向かって右側の柱には、朱雀(上)と白虎(下)。こちらもまた立体的な作品です。
四神というのは四方の守護神。青龍は東、玄武は北、白虎は西、朱雀は南を守っています。
良縁祈願の結神社
本殿に向かって右側には、結(むすび)神社があります。江戸時代、良縁を求める多くの女性により厚い信仰を集めていた神社であり、現代においても多くの人に信仰されています。
当時は髪の一部切り取ったり、折り紙を持参して、社殿や周辺の木々に結び付けるという参拝が行われていました。
現在は社務所にて「良縁祈願セット」(800円)をいただき、それに含まれるヒモを結び付けるのが参拝方法。多くの人の願いが込められた真っ赤なヒモが多数結ばれておりました。
アクセスと参拝情報
・東京メトロ銀座線の「虎ノ門駅」2a出口より徒歩1分
・東京メトロ日比谷線の「虎ノ門ヒルズ駅」A1・A2出口より徒歩3分
・東京メトロ丸ノ内線、千代田線の「霞ケ関駅」A13番出口より徒歩5分
この記事は神社の東側の桜田通り(国道1号線)側から入ったためビルのピロティを通り抜けましたが、西側から入ると鳥居の先にすぐ社殿となります。
開門時間 | 境内自由 |
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公式サイト | http://www.kotohira.or.jp/ |
※掲載の情報は2023年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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