モダンな寺院に静かにたたずむ『池袋大仏』(池袋駅)

東京都(23区)

池袋に大仏様があるのってご存知でしょうか!?実は2018年に建立されたまだまだ新しい仏様なのです。池袋の街に溶け込む現代的なビルディングに鎮座しており、気軽に拝観することができます。

訪問日:2022/3/13(日)

都会に溶け込む寺院

池袋東口の路地裏にそびえるこちらのビル。むき出しのコンクリートとたくさんの植物、そして周囲を取り囲むように張り巡らされたフェンスがかなり独創的なデザインをしています。

まるでおしゃれなデザイナーズマンションみたいですが、こちらはなんと日蓮宗の寺院。松栄山 仙行寺というお寺になります。

もともとは木造の本堂を備えていましたが、東日本大震災によって損傷してしまいます。そのため、2018年にこのようなモダンなビル型寺院へとリニューアルされました。

この寺院は、「池袋大仏」という名の仏様を安置しております。ビルの一階の道路に面した門をくぐると、すぐに大仏殿となっています。拝観料は不要、手続きも不要なので、ふらっと立ち寄りやすい大仏様です。

大きな木彫りの大仏

薄暗い照明の中、浮かび上がる池袋大仏。身丈は4.6m、床面からの高さは5.5mとなかなかの大きさ。

この池袋大仏の最大の特徴は木彫りであるということ。大佛師である渡邊勢山氏によるもので、木曽檜を使用して作り上げられました。塗装などはされておらず、木の暖かみをダイレクトに感じることができます。

台座部分をよく見ると・・・・あれ、台座がありません!壁に設置されているのか、まるで宙に浮かぶような姿となっています。

三十二相ってなに?

お釈迦様の優れた特徴を三十二相と言います。

よく知られているものは、おでこにある点「白毫相(びゃくごうそう)」や、頭頂部が少し盛り上がっている「頂髻相(ちょうけいそう)」などなど。

この池袋大仏にもそんな三十二相が多く取り入れられています。

なお、大仏や絵画などに取り入れることができるのは三十一相まで。三十二相のうちの一つである「梵音声(ぼんのんじょう)」は仏様の声を指します。そのため、表現することができないのです。

参拝者が合掌して題目を唱えることでそれを補い三十二相を完成させる、といったような記載も見かけました。

※ここでは梵音声という記載でしたが、「梵声相(ぼんじょうそう)」という表記の方が一般的なようです。

周辺で見つけたもの

大仏様のすぐ隣には雑司ヶ谷七福神の花の福禄壽が安置されています。須弥壇には、華やかな福禄壽像の姿が。通常は老人の姿で描かれることが多い福禄寿ですが、ここではかわいらしい御姿。法華経を通してそのお姿を具現化しているそうです。

高さ60cmほどの小ぶりな浄行菩薩像も。手を合わせて安らかな表情を浮かべています。

よく見ると頭部や肩の部分は、セメントで補修されているようです。かつて東京大空襲の際に、お寺の堂宇はすべて焼失してしまいました。しかし、この菩薩像は破損しながらもその原型を残していたとのこと。

お香や御札などを扱う売店があるのですが、その隣には駄菓子屋さんが。餅太郎やコーラガム、きなこ棒やモロッコヨーグルなど懐かしのラインナップが勢ぞろい。参拝記念にお一ついかがでしょうか。

アクセスと営業情報

池袋駅の東口より徒歩5分。ジュンク堂の裏側、シアターグリーンのすぐ隣にあります。

今回私は大仏様のみの拝観でしたが、スタッフさんに尋ねると上階の本堂なども見学させてもらえるそうです。

 

拝観時間 10:00~17:00
料金 無料
公式サイト http://www.sengyoji.jp/index.html

※掲載の情報は2022年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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