館内に江戸のまちが再現されており、歩きながらその空気を感じることができる博物館。八百屋や船宿、さらには多数の屋台が出ており、江戸っ子の気持ちになって散策を楽しむことができます。
江戸が広がる博物館
下町情緒が残る深川エリアに立つ深川江戸資料館は、江戸の暮らしを体感できるミュージアム。
エントランスの導入展示室では、山東京伝、伊能忠敬、佐久間象山など、深川ゆかりのある人物の紹介から。
先へ進んでいくと、吹き抜けの大きな空間に江戸の街が広がっています。天保年間末期(1840年頃)の深川佐賀町の一角を再現したものであり、ここがメインの展示室。
2階建ての土蔵、高くそびえる火の見櫓などがずらりと並んでいます。天井はガラス張りとなっており、太陽光が降り注ぐ。よく見ると、屋根の上にネコの姿も。
情緒あふれる町を散策
下のフロアに降りて、江戸のまちを散策してみることに!ほぼ全ての建物は中に入ることができます。
こちらは八百屋。ニンジン、ネギ、レンコンなどの季節の野菜に加えて、タマゴや漬物も販売しています。品物を見ていると、当時の食生活が見えてきますね。
中に入れるだけでなく、靴を脱いで座敷に上がることも。そろばんと大福帳で番頭気分も味わえます。
ちなみにここは「舂米屋」。春の米?と思ったのですが、よく見ると漢字が異なっています。これは臼と杵で舂(つ)いて精米したお米のこと。店内には足踏み式の精米器も置いてありました。
町の傍を流れる隅田川は、実際に水が張られています。猪牙船(ちょきぶね)という人や物を輸送していた舟が浮かんでおり、雰囲気抜群な川辺です。
すぐそばには升田屋と相模屋という2軒の船宿が。宿と付きますが宿泊施設ではなく、舟の貸し出しを生業とするお店のことです。
長屋の共同スペース
共同生活を行う長屋もあり、そのすぐそばには、共同スペースがあります。そこには赤い幟の福徳稲荷神社や、洗濯などを行う井戸などが。
こちらの扉は厠(かわや)。真っ暗な中に穴が空いており、ちょっとコワイ。防犯のために扉は下半分だけであり、溜まった排出物は汲み取られて肥料として利用されていたそう。
広場にあった木枠、中を覗いてみると割れたお皿や丼が!不燃ごみの集積所、ということでしょうかね。このあとどのように処理していたのか、気になるところです。
わくわくする屋台
目を引くのは、町中に出店している屋台。しゃがまないと見えない小さな屋台に並んでいるのは、大きないなり寿司。食品サンプルが置かれているのでイメージしやすいです!
天ぷらの屋台もあります。大皿に乗るのは芝海老、穴子、ハマグリの天ぷら。薄衣でとっても美味しそうです。
こちらは蕎麦屋の屋台。2つの柱が立つだけであり、他の屋台と比べるとだいぶ形状が異なっています。
どうなっているんだろうと思い中を覗くと、左右の柱の部分には蕎麦を茹でる釜や、そば猪口、丼などの道具や食材がキレイに収納されています。
大人一人で担いで運べて、何か変形させることなくそのまますぐ営業に移れるというおそるべき機能美。キッチンカー、そして立ち食いそばのルーツを見た気がしました。
そして、天ぷらと蕎麦と稲荷寿司がものすごく食べたくなりました!!
アクセスと営業情報
都営地下鉄大江戸線・東京メトロ半蔵門線の「清澄白河」駅A3出口より徒歩3分
開館時間 | 9:00~17:00 |
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休館日 | 第2・4月曜日、年末年始 |
料金 | 400円 |
公式サイト | https://www.kcf.or.jp/fukagawa/ |
※掲載の情報は2024年12月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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