ヨーロッパ現代彫刻からオリエント古代美術まで『松岡美術館』(港区・白金台)

東京都(23区)

古代から現代まで、多彩なコレクションを収蔵・展示する私設のアートミュージアム。静かで落ち着いた雰囲気なので、自分のペースでゆったりとアート鑑賞したいときにおすすめの美術館です。

訪問日:2025/8/24(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

白金台のアートミュージアム

松岡美術館は昭和50年(1975年)にオープンした私立美術館。もともとは新橋にありましたが、平成12年(2000年)に現在の白金台の地に移転しました。

創設者は、松岡地所創立者の松岡清次郎。彼の集めたコレクションを展示するためのミュージアムとして開かれました。館内では1階に3部屋、2階に3部屋と合計6つの展示室があります。

1階
展示室1:古代オリエント美術
展示室2:ヨーロッパ現代彫刻(エミリオ・グレコ、ヘンリー・ムーア)
展示室3:古代アジア彫刻(中国、クメール、)
2階
展示室4:東洋陶磁コレクション、企画展示室
展示室5:企画展示室
展示室6:企画展示室

館内は一部の作品を除き基本的に撮影OK!ただし、シャッター音がNGなので、無音カメラアプリを用意しておくのがおすすめ。

多彩な彫刻作品

来館者を出迎えるのはエミール=アントワーヌ・ブールデル《ペネロープ》。トロイア戦争にてギリシャを勝利に導いた英雄オデュッセウスの妻をテーマにした作品です。腕を組み、あごに当てたポーズは悩ましく、何かを憂いているような佇まい。

《ミネルヴァ》《ゼウス》《アフロディテ》《アルテミス》といった、古代ギリシャ・ローマ彫刻も並んでいます。いずれも作者は不明ですが、長い歴史を持つ古代の彫刻。風格が漂います。

エミリオ・グレコ、ヘンリー・ムーアの作品も多数展示されていますが、残念ながら撮影禁止。また、人気No.1というネコの彫刻、ディエゴ・ジャコメッティ《猫の給仕頭》も撮影禁止でした。

ミステリアスな古代美術

中国・クメール・インドなどの古代東洋彫刻や、古代オリエント美術など、様々な地域の古代美術作品を収蔵しています。美術館でありながら、まるで古代博物館のような楽しみ方もできます。

横たわるのは古代エジプトの彩色木棺。金色に染められた顔面、身体にびっしりと描かれた獣の頭部を持つ神々の姿など、細部まで見応えたっぷり。上下のパーツが開いた状態で展示されているため、内部に描かれた絵も見ることができます。

不思議なポージングな彫刻は、東インドのヨーギニー。四臂の姿で描かれている女神は、2本の腕の指をくわえています。

菩薩半跏思惟像は、3世紀頃のガンダーラ仏教彫刻。広隆寺や中宮寺の半跏思惟像の源流と考えられる像です。松岡美術館は国内屈指のガンダーラコレクションとして知られており、この像がいちばん最初に入手したものであるそう。

企画展示:松岡動物園

ここでは様々な企画展示も開催しています。訪問した際に行われていたのは、こちらの展覧会。動物をテーマにした、非常にとっつきやすい内容です。

開館50周年記念 おいでよ!松岡動物園
前期:6月17日(火)〜8月17日(日)
後期:8月19日(火)〜10月13日(月・祝)

ずらりと並んでいるのは古代エジプトの彫刻作品。聖牛アピス、ネコの姿をしたバステト、ライオンの頭を持つセクトメ、ハヤブサの姿のホルスなど、神として崇められた動物たちが揃っています。

色鮮やかなラクダやウマ。中国・唐の時代に作られた陶器の動物たち。デフォルメされることなくリアルな姿は、骨格や筋肉を理解した上で制作されていることが見て取れます。

館内にあった不思議なフォトスポット。金色の額の中に入って、絵画のような写真を撮ることができます。タイトルは「ヒト」!!この自分が展示されちゃう演出もまた、動物園っぽいですね!

都心とは思えないほど、ゆったりと楽しめる美術館。なお、日曜の昼間にもかかわらず来館者は私以外に3名ほど。各展示室がほぼ貸切状態であり、静かな中でじっくりと鑑賞することができました!

アクセスと営業情報

JR目黒駅東口より徒歩約15分。東京メトロ白金台駅より徒歩約6分

開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜
料金 1,400円
公式サイト https://www.matsuoka-museum.jp/

※掲載の情報は2025年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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