キリンやカバといった人気者な動物だけでなく、華やかな鳥やマニアックな爬虫類など様々なラインナップがそろう動物園。個人的なおすすめはレッサーパンダとホッキョクグマです!
大阪を代表する動物園
あべのハルカスと通天閣に挟まれるように広がる天王寺動物園。1915年1月1日に開園とその歴史は長く、「上野動物園」「京都市動物園」に次ぐ、日本で3番目に古い動物園であります。
入口は「新世界ゲート」と「てんしばゲート」の2ヶ所。今回は、通天閣を訪ねた後、阿倍野駅へ向かうルート上での訪問。新世界ゲートから入り、てんしばゲートから抜けるコースでまわりました。
真夏日の訪問だったので、かなりの暑さ!園内に屋内施設は少ないので、日傘などの熱中症対策はお忘れなく!自動販売機は各所にあるので、水分補給は困りませんでした。
人気者のアニマル
天王寺動物園の人気者といえはカバ。テツオ、ティーナ、ゲンちゃんの3匹が飼育されています。きれいな水を泳ぐカバはとっても爽やか。ティラピアみたいな魚がたっぷり泳いでいるのが気になります。
広々とした原っぱを歩くのはアミメキリン。名前はまさかの「ハルカス」ちゃん。すぐそばにそびえ立つ超高層ビル「あべのハルカス」から名付けられたと思われるこのキリン、実はあべのハルカスを開業した近畿日本鉄道株式会社より寄贈されたそう。
このキリンの暮らすエリアには、他にもエランドやグラントシマウマ、そしてアフリカハゲコウもいるそう。かなり大型の鳥ですが、木々に隠れているのか見つけることができず・・・。ぜひアフリカハゲコウチャレンジしてみてください!
走り回っているチュウゴクオオカミ。実は日本の動物園ではここだけというレアな動物なのです。
オオカミの前で真似する人が多いのか、「遠吠えのまねをしても、仲間以外の声はバレます」との注意書きが!さらに、格下には返事をしないこともあるそうです。
個性的な鳥たち
鳥の楽園と呼ばれる巨大なバードケージもあります。ここ、めっちゃ広いです!!川が流れ橋も架かる、広々とした空間を、シュバシコウ、アオサギ、ゴイサギ、ウミネコなど様々な鳥が暮らしています。
鳥の楽園とは別のエリアにいる大きなツルは、その名もオオヅル。ツル科の最大種であり、全長は150cmにも及びます。真っ赤な頭部と灰色の体があざやか。すらっとした佇まいからも品格を感じます。
ちいさなフクロウは、メガネフクロウ。メキシコ南部からアルゼンチン北部の熱帯雨林に暮らしています。目の周りにメガネのような白い羽毛が生えた印象的な顔をしていますが、それよりも寝ているというのに開いている羽がとっても気になります。
天王寺動物園の鳥といえばキーウィ。ニュージーランドに生息する鳥で、夜行性かつ飛べない鳥として知られています。日本で展示しているのはここだけ!・・・と思っていたのですが、2024年8月にこの世を去ってしまいました。
爬虫類もたくさん
園内には「アイファー(IFAR)」という爬虫類生態館があります。聞き慣れない言葉ですが、無脊椎動物(Invertebrate)、魚類(Fish)、両生類(Amphibious)、爬虫類(Reptile)の頭文字を並べた造語。進化の順というのもポイントです。
赤い砂の上に横たわるのはケニアスナボア(ナイルスナボア)。ソマリア南部、ケニア、タンザニア北部に暮らすボア科のヘビです。ヘビと呼ぶには少し太すぎるような気もします。
こちらはヨウスコウワニ。中国揚子江下流に暮らす小型のワニです。ここでは繁殖に成功しており、幼体が展示されていました。
アメリカ原産のワニガメ。大きな水槽で元気よく泳いでいます。実は1970年にやってきた最古参の動物。正確な年齢は不明ですが、少なくとも55歳は超えているということになりますね!
愛嬌抜群レッサーパンダ
様々な人気動物がいる中でも、特に人気が高いのがレッサーパンダ。とってもアクティブで、立体的に組まれた足場を歩き回ります。
訪問時はちょうどエサの時間。飼育員さんは薄く切ったリンゴを、ガラスにペタッと貼り付けます。すると、レッサーパンダがガラスに向かって手を伸ばしてくれます。超絶シャッターチャンスのはじまりです。
これまで様々な動物園で撮ってきたレッサーパンダ、ここにきて過去イチかわいい写真が撮れた気がします。
アクティブなホッキョクグマ
レッサーパンダと並んで見逃せないのが、ホッキョクグマ。2020年11月生まれのホウちゃんはめっちゃアクティブ!!
唐突に水中にダイブします!!
しかもすぐ上がってきては、またダイブ!飛び込み方も水泳選手の如く頭から飛び込む場合もあれば、後ろ足からドボンと行く場合もあったりとバリエーション豊か。
何度も繰り返す連続ダイブはずっと見ていられそうでしたが、あまりのサービス精神に「もしかして中に人が入っているのでは」という疑惑が生まれてきました。
感じる戦争の歴史
チンパンジー舎のすぐそばに立つ像、こちらはリタとロイドという夫婦のチンパンジー。
リタは昭和7年7月19日に天王寺動物園に入園。頭の良いチンパンジーで、竹馬・自転車・フォークとナイフを使った食事など、様々な芸をマスター。大変な人気者となり、年間入園者数250万人という大記録を打ち立てました。
そんな人気アニマルでしたが、戦時中には花婿のロイドとともに軍服を着せられ戦意高揚に利用されます。2人は子供を授かるも、戦時下の食料不足による栄養失調が原因で死産。その翌日、後を追うようにリタもこの世を去ってしまいます。
この像は、そんな2頭のチンパンジーを偲んで建立されたもの。本来はブロンズを吹き付ける予定でしたが、ここもまた戦時下の物資不足によりコンクリートのままとなっています。
戦時下の動物園の話は上野動物園の出来事を描いた絵本「かわいそうなぞう」で見知っていましたが、この天王寺動物園もまた「戦時猛獣処分」が行われた場所。戦争を乗り越えた歴史を考えてみると、動物園の景色が少し変わって見えてきました。
アクセスと営業情報
■新世界ゲート
Osaka Metro「動物園前駅」「恵美須町駅」、JR「新今宮駅」、南海「新今宮駅」各駅から徒歩5分~10分
■てんしばゲート
Osaka Metro「天王寺駅」、JR「天王寺駅」、近鉄南大阪線「大阪阿部野橋駅」各駅から徒歩5分~10分
開園時間 | 9:30~17:00 |
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休園日 | 月曜、年末年始 |
料金 | 500円 |
公式サイト | https://www.tennojizoo.jp/ |
※掲載の情報は2025年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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