「冥界への入口」、なんとも魅力的なフレーズに感じてしまうのは私だけではないハズ。今回ご紹介する六道珍皇寺は、かつて冥界へつながるとされていた寺院。いったいどのような伝説が残っているのでしょうか。
あの世へつながる寺院
かつて冥界への入口があると考えられていた地に建つ寺院、六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)。
この辺りは平安京の墓所「鳥辺野(とりべの)」に至る道であったのがその由来。六道珍皇寺にて野辺の送りの法要を行い、故人に最後の別れを告げる場所であったのです。
お墓ときいてもそこまでおどろおどろしいイメージに感じないのは現代の感覚。当時は火葬に費用がかかることから、遺体を野ざらしにする風葬が行われていました。飢饉や疫病により、多くの人が命を落とすこともあった時代、次々と運ばれる遺体が積み重なり、腐乱したり白骨化した様子はこの世とは思えない光景だったのではないでしょうか。
閻魔大王に仕えた小野篁
閻魔堂では江戸時代につくられたという等身大の小野篁立像が安置されています。格子の一部が窓になっており、そこから覗くカタチで拝観できます。
平安初期の官僚である小野篁(おののたかむら)。昼は朝廷に出仕、夜はなんと閻魔大王に仕えていたという不思議な伝説が残されている人物です。
小野篁が作ったと伝わる閻魔大王坐像も見ることができます。写真撮影禁止ですが、境内に貼られていたポスターにその姿が写されていました。
閻魔大王に仕えていたとされる篁の作る閻魔大王像。きっと本当にこんな顔だったのでしょうね。
冥土通いの井戸
本堂内部は非公開で特別公開期間のみ拝観することができます。そのはずが、なぜかたまたま開いており内部を少しだけ見せてもらえました。
このお寺には、小野篁が冥府へ通う際に利用していたという井戸が残されていますが、本堂の奥に広がる庭園内にあるため、特別公開期間以外は見ることができません。
諦めかけていたのですが、本堂向かって右側に注目!小さな格子窓があり、石庭を覗くことができるのです。気が付きにくい場所にあるので、知らないと見逃してしまうかもしれません。
ちらっと見える井戸は、冥土通いの井戸と呼ばれています。井戸が異世界に繋がるなんて、井の中の蛙もびっくりです。
遠過ぎてよく見えない、そんな方のために写真も貼られていました。
特別公開時は、本堂内部から庭に降りることが可能。井戸を近くで見ることができ、中を覗くこともできるそうです。いったいどうなっているのでしょうかね。
黄泉がえりの井戸
冥土通いの井戸で冥府へ行った小野篁、帰りは別のルートで帰ってきていたようです。そんな黄泉がえりの井戸も残っています。境内の外へ出て東側へまわると、木戸が設けられています。
柵の隙間から覗いてみると、先ほどの「冥土通いの井戸」と同様にちらっと見え・・・ない!!
こちらも特別公開時は近づくことができるようです。
実はここは旧境内地であり、この井戸も平成23年(2011年)に発見されたもの。比較的最近見つかったのですね。
そんなわけで、京のミステリースポット、六道珍皇寺でした。気になったので、訪問した方の記事などを見ていると、冥土通いの井戸は柵の手前にあったそう!もう少し手前にカメラを向けていたら写真撮れたっぽいです!もし訪問される際は、もっと手前を覗いてみてくださいね!
アクセスと拝観情報
京阪電車の「清水五条」駅より徒歩8分、阪急電車の「河原町」駅より徒歩15分。
拝観時間 | 境内自由 |
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拝観料 | 無料 |
公式サイト | http://www.rokudou.jp/ |
※掲載の情報は2025年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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