熱泥がコポコポと盛り上がる不思議な地獄。不規則に発生して一瞬で消える「坊主」を上手く撮るには根気と運が必要。きれいな坊主を撮影できたらかなりラッキーです!
長い歴史を持つ地獄
鬼石坊主地獄は、別府に多数存在する地獄の中でも歴史が深い地獄。天平5年(733年)頃に編まれた「豊後風土記」には「口の経、丈餘、湯の 色黒く、泥常に流れず」との記載があります。さらに、元禄7年(1694年)に訪れた貝原益軒の「豊国紀行」に「円内坊 地獄とて熱湯あり泥土なり」、寛政7年(1795年)には脇欄室が「函海魚談」で「泥を躍し、湯を起こし」と記録しています。
様々な書物にその姿が描かれてきた地獄であり、1910年に海地獄が観光地としてスタートすると、それに次いで「坊主地獄」という名で観光地獄としてオープン。一時閉鎖していた時代もありましたが、2002年に「鬼石坊主地獄」としてリニューアルオープンしました。
別府地獄組合にも入っているので共通券でめぐることも可能です。なお、すぐ近くに「天然 坊主地獄」という非常に名前の似た地獄がありますが、別の施設ですのでご注意ください
飛び出す坊主たち
海地獄は海のようなブルーの地獄、血の池地獄は真っ赤に染まった地獄、とイメージしやすいですが、坊主地獄とは何でしょうか?おびただしい数の坊主に囲まれて説法を説かれる、とかでしょうか。
正解はこちら。ボコボコと吹き上げる熱泥がまるで坊主の頭の様に見えることから名付けられたのです。
園内には坊主プールが4ヶ所ほどあり、それぞれで坊主が次々と登場してきます。
撮影難易度は高め
この坊主地獄、撮影難易度はけっこう高いです!
丸く盛り上がったところをばっちり撮影したいところですが、そのタイミングはかなり不規則。出現頻度こそ高いものの、盛り上がるのは一瞬であるため、確認してからシャッターを押したのでは手遅れ。
写真フォルダはこんな写真がいっぱいになってしまいました。
タイミング良く撮れたとしても、必ずしも丸い坊主になるとは限らないのも問題。こんな不思議な塊みたいになってしまうこともしばしば。
動画で撮影して、スクリーンショットするのが良さそうです。
坊主以外の見どころ
こちらは「鬼の高鼾」。噴気孔から吹き出す蒸気は、鼾(いびき)に聴こえることから、鶴見颪の寒さに震えた鬼たちが石の布団にくるまってうたた寝していた場所とされています。ゴーゴーという音は、たしかにいびきに聴こえないこともないです。
温泉を利用した足湯があります。円形で広々としているので、ゆったりと休むことが可能。疲労回復と安眠効果が期待できるそうです。
さらに奥には、日帰り温泉施設「鬼石の湯」も備えています。露天風呂をそなえた大浴場や、貸し切りの家族風呂がそろっているとのこと。
一休み こびり
坊主地獄の入口には「一休み こびり」というお店があります、名物の地獄蒸しプリンや地獄ゆで卵など、地獄らしいラインナップがそろう。
プリンや卵は他でも見かけますが、おおいたブランドの地鶏を使用した「冠地どりまんじゅう」はなかなかレア。
豚じゃない肉まんはとっても新鮮!さっぱりとしたお味にゴボウの風味がよく効いています。春雨も良い食感です。なお、揚げ物と蒸し物は10:00〜15:00と時間が短めなのでご注意を。
園内は狭く見どころはそれほど多くないので見学時間は15分ほどあれば充分。ただし坊主撮影に取り憑かれるとあっという間に時間が経過してしまう可能性があるので、写真を撮るのが好きな方は少し長めに滞在時間をとっておくのがおすすめです。
アクセスと営業情報
JR別府駅西口から亀の井バス鉄輪行きに乗り約20分、バス停「海地獄前」下車後、徒歩1分。
車の場合は大分自動車道別府ICから約2分ほど。駐車場は目の前に海地獄と共有の無料駐車場があります。
海地獄のすぐ隣にあります。海地獄のチケットカウンターは並んでいることも多いので、先にこちらで共通券を購入するという作戦も。
開館時間 | 8:00~17:00 |
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定休日 | 年中無休 |
料金 | 450円 |
公式サイト | https://oniishi.com/oniishi-bouzu-jigoku/ |
※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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