縁結びの信仰集める風流な神社『赤坂氷川神社』(港区・赤坂)

東京都(23区)

六本木や赤坂を見守る赤坂氷川神社。震災や戦災を乗り越えた境内には、江戸の情緒が残ります。縁結びの神様として信仰されており、カラフルな「縁結ひ」や「さくらんぼ結び」など、可愛らしさにもふれることができる神社です。

訪問日:2023/9/17(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

江戸の面影を残す神社

赤坂駅や六本木駅など、多くの駅に囲まれた地に建つ赤坂氷川神社。境内は豊かな自然に包まれており、港区という都会にありながらも喧騒の届かない静かな雰囲気。ほっと落ち着ける神社です。

この神社の創建は951年。東国を遊行していた蓮林という僧が夢のお告げを受け、社殿を建てたのが始まりといわれています。その後、1730年に江戸幕府8代将軍の徳川吉宗によって現在の場所に遷座。今見ることができる社殿は、このときに造られたものです。

時代が変わっても参拝に訪れる人は多数。「芝大神宮」や「神田神社」とともに東京十社の一社として数えられており、十社巡りで訪れる人も多いようです。また、2023年には17年ぶりの開催となった「ジャニーズ成人式」も行われたとのこと。

境内の奥に建つ御社殿は、前述の通り、1730年に徳川吉宗によって建立された江戸時代の建築。関東大震災や東京大空襲を乗り越え、現在に至ります。

<御祭神>
・素盞嗚尊(すさのおのみこと)
・奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)
・大己貴命(おおなむぢのみこと)

9月17日の日曜日に訪問したところ、令和五年 赤坂氷川祭のまっただ中!境内には屋台が連なり、多くの人で大賑わいでした。

境内の見どころ

境内にそびえるのは大イチョウ。推定樹齢400年とのことですので、徳川吉宗が遷座する以前からこの地に生えていたと考えられます。11月下旬に訪れると、鮮やかな黄葉を見せてくれるそうです。

大イチョウのそばに建てられているのは包丁塚。料理人の使い古した包丁を納め、さらに調理した生き物の霊を慰めるため、1974年に赤坂青山料理飲食業組合によって建立されました。

「三拾五貫目」と刻まれた丸い石は、力石。力比べや鍛錬に使用されたと考えられる石で、ここに限らず多くの神社で見ることができます。ちなみにこの石の重さは約130kg。この重さを持ち上げられるのはスゴイです・・・!

境内には山車展示場があり、貴重な「江戸型山車」を見学することができます。本日は赤坂氷川祭の日!展示場からは実際に山車が出てくる姿を見ることができました。

多数の稲荷神社が集合

こちらは4つの稲荷神社を合祀した四合稲荷(しあわせいなり)。1898年に氷川神社周辺の「古呂故(ころこ)稲荷」「地頭稲荷」「本氷川稲荷」「玉川稲荷」という4つの稲荷を合祀。勝海舟が命名したそうです。

さらに1925年に鈴降稲荷と縁起稲荷、1934年に明徳稲荷も合祀。現在は七合稲荷ですね。

四合稲荷のそばには西行(さいぎょう)稲荷。西行五兵衛という男が拾った狐の像を安置したことが由来とされています。 火災除の御神徳があると言われており、別名「火伏の稲荷」とも呼ばれているそうです。

御社殿向かって左に進むと見えてくるのが山口稲荷。終戦後に、赤坂3丁目にあった山口邸から遷座された神社であるそう。

山口稲荷の傍に建つのが桶新(おけしん)稲荷。こちらも終戦後に、赤坂5丁目の「桶屋」より遷されたそう。

合計すると10もの稲荷神社が集まっています。いずれも氷川神社周辺のいなり神社を遷座したものですが、この赤坂の町にはなぜそんなにも多数の稲荷神社があったのでしょうか。氷川神社の公式HPによると、江戸時代には稲荷神の勧進が流行しており、多くの稲荷神社が建立されたそうです。考えて見ると、都内に古くから残る神社は複数の稲荷神社を祀っているところが多い気がしますね。

カラフルな紙に願いをこめる「縁結ひ」

境内を歩いていると、扉の開いた建物が目に入りました。

中に置かれていたのはカラフルな紙がたくさん結ばれた格子。こちらは縁結ひ(えんゆい)といいます。

かつて神社やお寺の格子に紙を結んで願う風習があり、それにちなんだものであるそう。使用されている格子も、これまで御社殿で使われていたもので、多くの人々の願いを見守ってきたそうです。

この結ばれている紙の色は、季節によって変わります。訪問時は秋の色として「紅葉色(もみじいろ)」「青朽葉(あおくちば)」「梔子色(くちなしいろ)」の3色が揃っていました。

可愛らしいさくらんぼ結び

御社殿の傍に植えられた木には、たくさんの赤い実。よく見ると自然の木の実ではありません。

こちらは「さくらんぼ結び」。ちりめん根付のさくらんぼに、巫女が赤い糸を結び付けた「さくらんぼ」が付いた恋みくじです。

古来より縁結びの木として知られる梛(なぎ)の木が「願の木」となっており、そこに願いを込めて結びつけるそう。参拝客の恋の願いの数だけ増えていくさくらんぼ。豊作ですね。

アクセスと営業情報

・東京メトロ千代田線の赤坂駅6番出口から徒歩8分
・東京メトロ日比谷線、都営大江戸線の六本木駅7番出口から徒歩8分

開門時間 6:00~17:30
公式サイト https://www.akasakahikawa.or.jp/

※掲載の情報は2023年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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