新見市にある井倉洞は、迫力ある景観が楽しめる大きな鍾乳洞。あざやかで写真映えするポイントや、巨大な空間、残された伝説など、様々な楽しみ方ができます。周辺の鍾乳洞と比較すると、距離が長くアップダウンも多いため、アクティブに楽しみたい方におすすめです。
渓谷を渡って鍾乳洞へ
駐車場から井倉洞の入り口までは、川沿いの道を5分ほど歩きます。この辺りは井倉峡と呼ばれる景勝地。ダイナミックな断崖絶壁が広がっています。
受付から洞窟の入り口までは橋を渡っていきます。眼下に流れる高梁川の水はとってもキレイ。爽やかな風が流れるとても心地よい道のりです。
断崖から流れ落ちるのは井倉の滝。高さ70mという立派な滝ですが、実は井倉洞にたまる水を排出するために作られた人工の滝とのこと。
冒険気分が楽しめる鍾乳洞
井倉洞は、雨水などの浸食により長い年月をかけてできあがった鍾乳洞。見学可能な部分の距離は1,200mとかなりスケールの大きい洞窟です。
照明はあざやかなカラーのライトアップも多く、神秘的な空間が広がります。すぐ近くの満奇洞と同様に、とっても写真映えする洞窟です。
洞内はひんやりしているのですが、アップダウンが半端ないため思いの外熱くなります。ときには壁に服が擦りそうなところもあるので、汚れても良い服装がおすすめです。
神秘的な洞内の見どころ
洞内には鍾乳石をはじめとして数多くの見どころがあり、それぞれ名前が付けられています。こちらの広い空間は「黄金殿堂」。高さ30mもある地中空間は圧巻です。
迫力ある割れ目から流れ落ちるのは「地軸の滝」。高さ50mにお及んでおり、洞窟内にある滝としては、高さ水量ともにトップクラスとのこと。
この鮮やかな光景は「瀬戸の海」。ブルーとグリーンの照明がミステリアスな雰囲気を引き立てます。
抜群のネーミングセンス
かっこ良いネーミングのものだけでなく、思わずつっこみたくなるようなユニークな見どころもあるのが、この井倉洞のおもしろいところ。
この鍾乳石の名前は「鬼の手袋」。たしかに手袋そっくりのかたち!テカリ具合もまたゴム手袋みたいな質感にみえます。
こちらの立ち並ぶ石筍は「黒い会議」。集まった鍾乳石は、なにか話し合っているように見えます。「黒い」というのは、内容が黒いということなのでしょうか。小説や絵画のタイトルにしてもイメージが膨らみそうなハイセンスな名前です。
さてさて、こちらの通路に突き出した石筍の名前、わかりますでしょうか?
正解は「とうせんぼう」。ときには、そのまんますぎるネーミングのものもあって、非常に楽しいです。
井倉洞にまつわる伝説
洞内の順路は序盤~中盤にかけては登り。そのため、終盤の帰り道はひたすら下り道が続いていきます。
出口にある神社は、阿里佐の宮。ここには悲しい恋の伝説が残されています。
かつてこの地には、茂作と阿里佐という二人の男女がいました。この二人は恋仲であり、仲良く暮らしていたそう。
あるとき、備中松山城から「鶴姫」という美しい姫が里を訪れます。茂作はその美貌の虜になってしまい、鶴姫を追いかけてこの地を去ってしまいます。残された阿里佐は、悲しみに暮れ、最終的に淵に身を投げてしまうのです。
阿里佐の御霊は縁結び、そして悲恋をなくす神として、この宮に祀られています。
なお、鶴姫は自ら武器を持ち、兵を率いて戦った勇猛な女性といわれています。「備中松山城 鶴姫」などのワードで検索すると、いろいろなエピソードがでてきますので、気になる方は検索してみてください。(※「瀬戸内のジャンヌ・ダルク」と呼ばれる鶴姫とは別人なので混同ご注意ください。)
一方、茂作については案内板にも「茂作のその後は誰も知らない」と記されており、謎となっています。茂作はどこへ消えてしまったのか、気になるところです。
アクセスと営業情報
JR井倉駅から徒歩15分ほどでアクセスできる、意外にも駅から近い鍾乳洞。車の場合は岡山自動車道の賀陽ICから約40分。無料の駐車場があります。
営業時間 | 8:30~17:00 |
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定休日 | 年中無休 |
料金 | 1,000円 |
公式サイト | http://www.ikurado.jp/ |
※掲載の情報は2022年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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