忽那諸島 Part 2 巨大サボテンとシーグラス『二神島』(松山市)

忽那諸島

中世には忽那水軍の一族である二神氏の本拠地であった島。とても静かな島内は、時の流れがゆっくりに感じます。浜辺でのシーグラス探しや、名所でありつつもなかなか見つからない大サボテンなどいろいろな発見がありました!

訪問日:2021/12/12(日)

二神島ってどんな島?

二神島(ふたがみじま)は、忽那諸島の南西に位置しています。面積は2.13㎢・周囲8.9km、人口はわずか100人ほどの小さな島です。

二神島に向かうには、松山市にある三津浜港か高浜港より、中島汽船が運航する高速船orフェリーに乗船します。フェリーの場合は三津浜港より1時間20分、高速船(西線)の場合は高浜港より49分~1時間16分ほど。高速船西線の一番終点となります。

<今回の行程>
7:40 高浜港発
高速船(下り)
8:56 二神港着
①二神島 1時間32分滞在
10:28 二神港発
フェリー(下り)
10:48 津和地港着
※今回私は2日間で7つの島をめぐる中で訪問しました。全体の計画はPart 1の記事にて。

高浜港で高速船に乗船

まだ薄暗い中、松山市駅から伊予鉄高浜線で約20分の高浜駅へ。港が市街地から近いのがとってもありがたいです。

受付で乗船券を購入したら、始発となる7:40発の高速船に乗船!松山市駅のコンビニで購入した朝ごはんのパンを食べながら、約1時間半の船旅です。忽那諸島にコンビニはありませんので、食事は松山市駅で買っておくのがおすすめです。

高浜港より高速船に揺られて二神島の港へ到着しました。

びっくりするほど人の姿がありません!

港には待合所があり、レンタサイクルを扱っております。料金は1日500円で、申し込み時に保証金1,000円が必要とのこと。

当初、自転車でめぐろうかなと思っていたのですが、スタッフの人が誰もいません!

おそらく電話すれば借りることができるかもしれませんが、あまりにも人の気配が無さ過ぎて不安になったので断念。ということで、港周辺のんびり歩きプランにしました。

集落おさんぽ

港にて観光マップも発見しました!貴重な地図なので、とりあえず写真に撮っておこう。島の奥地にある妙見神社が気になりますが、徒歩で片道40分ほどかかるみたい。今回は滞在時間的に厳しいので断念。

港周辺を歩いていると目につくのは畑に吊るされた鳥よけのディスク。CDよりも一回り大きいのですが、もしかしてレーザーディスクってやつでしょうか!?

見たことのない乗り物を発見しました!三輪の軽トラックのようで、あちこちで見かけます。「忽那諸島にはバタバタと呼ばれる農業車がある」と聞いたことがありますが、もしかしてこれがバタバタなのでしょうか?

こちらは二神簡易郵便局。静かな離島ですが、しっかり郵便局は置かれています。日本各地の郵便局をめぐる「局巡り」という趣味があるそうですが、こういった簡易郵便局も例外なくめぐっていくのでしょうか。

錆に包まれたポッカコーヒーの自販機はまるで時が止まっているかのよう。レモンスカッシュやピーチネクターなど懐かしのラインナップが並んでいます。

植物に包まれたコンクリートの建物は、2009年に休校となった松山市立二神小学校。近くの防波堤には「135年間ありがとう」という記載があったので、逆算すると開校は1874年(明治7年)。学制が発布され日本各地に次々と小学校ができた頃ですね。

二神島の観光名所

港のすぐ目の前にある安養寺。真言宗豊山派の寺院で、目の前には弘法大師像が静かに佇みます。

こちらは宇佐八幡神社。お参りしていこう!と思ったのですが、「きけん」と書かれた電気牧柵が張り巡らされており、立入禁止となっていました。

港から少し歩いたところには、城の山ビャクシン自生地があります。ビャクシンはイブキとも呼ばれており、海岸などに自生する針葉樹。ここでは数十本が群生しておりますが、愛媛県内でこれだけ自生しているのは珍しいそう。

なお、この山には細いロープが垂れ下がっていました。もしかして、上に登ることもできる・・・のかな?

見つからない大サボテン

二神島のちょっとした名物が大サボテン。かなり立派なサボテンが育っているそうですが、まず場所がわかりません。

観光マップなどにも記載はあるのですが、その姿は見えず。うろうろしていると、近くにいたおじさんが声かけてくれました。「サボテン?わからんじゃろ〜家の中にあるけんの〜」「梅田さんおるかな~。見てくるからちょっと待っとって」と、すぐ近くの家の中へと入って行きました。

しばらくするとおじさんが戻ってきました。

「おらんけど入ってええよ。」

ええんか。

というわけで、おじさん立ち合いのもと見せていただいたのがこちらの巨大サボテン!梅田さん家に生えているため、そのまんま「梅田さんちのサボテン」とも呼ばれています。

その高さは5mにも及び、樹齢は160年ともいわれています。植物園の温室ならともかく、小さな離島でこれほど大きなサボテンにお目にかかれるなんて、なんだか不思議です。きっと環境があっているのでしょうね。

このサボテン、昭和42年にはなんと高松宮殿下がご観覧されたそうです。

砂浜でシーグラス探し

海岸線の道を歩いていたところ、軽トラックが停まりおじさんが話しかけてきました。観光で来ていることを伝えると「何んもない島によく来たなー!・・・ところで、この島のウリって何?」と、まさかのアピールポイントを聞かれました!

今探しているところです!と言うと、「シーグラスがたくさん取れて、わざわざ拾いに来るアーティストもいるよ」という情報を教えてくれました。

シーグラスというのは、海岸に流れ着くガラス片のこと。波にもまれることで丸っこい姿に変わり、曇りガラスのような優しい色合いをしているのが特徴です。インテリアやクラフト材料として人気があります。

ということで、テトラポットが並ぶ名もなき海岸にて私もシーグラス探しに挑戦!

めっちゃある!!

いろんな色、大きさのものがあっちこっちにたっぷり。拾う人が少ないのでしょうね。水槽に入れたらキレイになりそうなので、いくつか持って帰ることにしました~。

シーグラス拾いって初めてやってみたのですが、こんなに簡単に見つかるものなのでしょうか?もしかして、これぞ二神島のウリだったりするのではないかな・・・?

世界の雑誌に掲載?

港に戻ってきたので、フェリーに乗って次の津和地島へと渡ります。これにて二神島の散策はおしまいなのですが、島について調べていたところ、面白い話を見つけたので最後にちらっと共有させてください~。

この二神島、アメリカの雑誌NATIONAL GEOGRAPHICに掲載されたことがあるそう。

ナショナル ジオグラフィックといえば世界レベルで有名な雑誌。日本でもあまり知られていない離島ですが、本当に掲載されていたのかついつい疑ってしまいます。

どうやら1972年5月号とのことなので、半信半疑で調べてみました。すると、イエローストーン国立公園やエジプトの首都カイロに並んで「二神島」の文字が!”Living in a Japanese Village ” という見出しのもと、写真やテキストがかなりたっぷりと載っていました。

National Geographic 1972 05
It had to be this one. I need you to take it … you need to accept it.

島の人たちの写真、それはそれは良い顔で写されています!興味のある方はぜひぜひご覧ください。(※二神島は91~116ページあたり)

 

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