新千歳空港からも近く、国道のすぐ隣にあるのでアクセス良好な滝。知名度は低いものの、迫力ある滝と美しい渓谷が広がり、サクラや紅葉といった四季折々の自然が楽しめる場所です。近くを通った際にはぜひ足を止めてほしいです。
迫力の千鳥ヶ滝
千鳥ヶ滝は、夕張市の「滝の上自然公園」内にあります。駐車場から歩いてすぐのところにある千鳥橋がビュースポット。夕張のイメージにぴったりなオレンジ色をした橋です。
こちらが千鳥ヶ滝!岩にできた溝を、まるでプールのスライダーのように水が流れていきます。変わった形の奇岩と迫力の滝、どちらも楽しめるハイブリッドなスポット。
「浮き輪で流れたら楽しそう・・・」と一瞬脳裏を過ったのですが、水の流れはかなり激しいので、一瞬で転覆してしまうことでしょう。
橋の下にはもっと滝に近づけそうな遊歩道も見えますが、現在立ち入り禁止となっていました。
ダイナミックな竜仙峡
千鳥橋を渡ると、その先は遊歩道。木が生い茂る気持ちの良い道を抜けると、先ほどの千鳥橋と同じカラーリングの滝の吊り橋が見えてきます。一点異なっているのは、こちらは「吊り橋」。けっこう揺れるので、なかなかスリルがあります。
ここから下を見ると、夕張川を囲む崖が遠くまで続いているのがわかります。千鳥ヶ滝を含むこの渓谷は、夕張川の侵食によってできた竜仙峡。その名に相応しい力強い景勝スポットです。
竜仙峡は、アイヌの言葉では「ポンソウカムイコタン」と言うらしい。どういう意味でしょうか?
Webで見つけたアイヌ語辞典で調べてみたところ、「ポン=小さい」「ソー=滝」「カムイ=神」「コタン=集落」という単語がヒットしました。「小さな滝のある神の住む場所」といった感じでしょうか?
千鳥ヶ滝はまったく小さくないのでこの名に少し違和感ありますが、別の滝を指しているのかもしれません。また、昔の千鳥ヶ滝は今よりも小さかった可能性もあります。
サクラスポット
この滝の上公園は、多くのサクラが植えられているお花見スポット。
夕張市の中では南部に位置しているため、市内では最も早く咲くそうです。訪れたGWの最終日、ちょうど良い具合に花が開いていました。
北海道に渡った頃はまだどこもサクラが咲いていませんでしたが、最後の最後でキレイに咲く姿を見せてくれました。旅のラストにここに立ち寄って本当に良かったです!
旅立つ前の関東ではとっくに散ってしまっていましたが、北海道ではまだまだこれから。なんだか季節が1つ戻ったような不思議な気分です。
なお、ここは紅葉スポットとしても人気。カエデやツツジ、ナナカマドといった木々が赤く染まった姿を見せてくれます。
滝の上発電所
滝の上公園を歩いていると目に付くのは、大きなレンガづくりの建造物。こちらは滝の上発電所という、大正14(1925)年に造られた水力発電所です。
北海道炭礦汽船株式会社という石炭の輸入会社が、自家発電用施設に建てたもの。炭鉱の閉山とともに役目を失い、現在は北海道企業局に譲渡されています。
役目を終えたかのような佇まいですが、道営発電所として現役で使用されています。千鳥ヶ滝の上流に見える水平に広がる滝、こちらは水力発電のための取水堰堤。ここから水を流して発電所に送っているそうです。
アクセスと営業情報
滝と言えば山の中にあって車が無いとアクセスが難しい場合がほとんど。しかし、この千鳥ヶ滝はJR石勝線の滝ノ上駅から徒歩7分と、鉄道駅からアクセス良好な滝です。
車の場合は新千歳空港から約40分、苫小牧港から約1時間、札幌中心部から約1時間20分。広大な北海道において、非常に行きやすいスポットです。
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