進化を続ける古参展望タワー『通天閣』(大阪市浪速区)

大阪府

大阪のシンボル・通天閣は、ただの展望タワーではありません!明治時代の面影を残しつつ、体験型設備やスリル満点の屋外展望台のオープンなど進化を継続。今なお多くの人を惹きつける“生きた名所”なのです。ところで、ビリケンが日本生まれじゃないのご存じですか?

訪問日:2025/6/28(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

新世界のシンボル

通天閣は大阪市浪速区にある展望塔で、その名は「天に通じる高い建物」という意味を持ちます。

初代通天閣は明治45年(1912年)に建てられ、凱旋門とエッフェル塔を模したデザインで話題を集めました。しかし昭和18年(1943年)に火災で解体され、戦時下での鉄材供出により撤去されてしまいます。

現在の二代目通天閣は昭和31年(1956年)に再建されたもの。再建当時は高さ103mで、当時の大阪のランドマークとして親しまれていたそう。

設計者は内藤多仲(ないとう たちゅう)。「東京タワー」や「名古屋テレビ塔」など、数多くの高層塔を手がけた人物で、「塔博士」とも称されています。彼が手掛けた6つのタワーを「タワー六兄弟」と呼び、通天閣はその一つに数えられております。

<タワー六兄弟>
・名古屋テレビ塔(1954年)
・通天閣(2代目)(1956年)
・別府タワー(1957年)
・さっぽろテレビ塔(1957年)
・東京タワー(1958年)
・博多ポートタワー(1964年)

通天閣は、六兄弟で2番目に造られたタワー。東京タワーよりもお兄さんなのです!

混雑にご注意を

そんな通天閣は、今も大人気な観光スポット。ということで、非常に混雑します!

今回は土曜日の朝10:00オープンに合わせて訪問したところ、既に大行列ができていました。日時指定の前売り券がWebで購入できますので、事前に用意しておくのをおすすめします。日時指定券があっても入場まで少し待ちがあったので、時間には余裕を持っていくのが良さそうです。

待機中にぜひ見てほしいのが、頭上に広がる天井画。色鮮やかなクジャクと花、こちらは初代通天閣に描かれていたものを復刻したそう。

よく見ると「クラブ洗粉」「クラブ歯磨」「クラブ化粧水」「クラブ白粉」の文字も。地元の化粧品メーカー「中山太陽堂」(現:クラブコスメチックス)が掲出していた広告であったそうです。

内部へ進み待機中に目に入るのはタワースライダー。全長60mの超ロングすべり台で、1回1,000円で体験できるそう。こちらもオンライン予約可能なので、事前予約がおすすめです。

展望台からの眺め

展望台へ向けてエレベーターに乗ると、そこは星空広がるファンタジックな空間。そしてそんな夜空に浮かぶのはビリケンさん!ビリケンってずっと大阪生まれだと思ってたのですが、実は海外生まれなんですよね!この話はまた後ほど。

エレベーターを降りた5Fは、高さ87.5mの展望台!東側は「あべのハルカス」や「大阪市立美術館」、「天王寺動物園」が見渡せます。よく見ると、草原を歩くキリンが見えたりもします。

西側は「さきしまコスモタワー」や「天保山観覧車」といったランドマークが立ち並ぶ。なんとなくUSJらしきポイントも見えます。

他にも、北側からは「道頓堀」方面や「大阪城」、南側はすぐ目の前に「スパワールド」などが見えます。見どころがたっぷりでとっても楽しいです!

入場時に行列だったので混雑が不安でしたが、館内はそれほど混雑せず快適。おそらく入場人数を適切に絞っているのでしょうね。

スリル満点の屋外展望台

展望台はさらに先があります!

5階のインフォメーションカウンター内に受付があり、ネオンが輝く階段を登った先には・・・。

2015年にオープンした特別野外展望台「天望パラダイス」!その名の通り、本当に屋外の展望台。高さ100m程とそれほど高いわけではありませんが、この開放感は圧倒的です!!

さらに、2019年に新たに設置されたのが跳ね出し展望台「TIP THE TSUTENKAKU」。空に突き出した展望台はスリル満点!

「スカイツリー」や「東京タワー」、「渦の道」などで見かけたガラス床はぜんぜん平気な私でも、こんな突き出したポイントでのガラス床はドキッとします・・・!

地上から見ると、こんなところにいます。タワーのてっぺんから突き出したデッキは、見ているだけでもドキドキしますね!

なお、屋外にはこんなものも設置されていました。

こちらは大声測定器。こんな開放的なロケーションにて全力で叫べるなんて、最高過ぎます!120デシベル超えたら飛行機のエンジンクラスとのこと。ここに来たら、ぜひ挑戦してみてください!

ルナパークと初代通天閣

展望台から出口となるエレベーターで3階へ降りると、ちょっとしたミュージアム。ジオラマや展示パネル、映像を通して、新世界や通天閣の歴史を学ぶことができます。

ここでは、かつてこの地にオープンしていた「ルナパーク」の情報がたっぷり!1903年から1923年まで営業していたという遊園地。動物園と遊園地が組み合わさった姿で、様々なアトラクションや温水プールなども備えた一大レジャースポットであったそう。そんなルナパークの再現ジオラマも見ることができます。

そびえ立つ初代通天閣は、現在とは異なるデザイン。「凱旋門とエッフェル塔を模したデザイン」というのも頷けます。

海外生まれのビリケンさん

通天閣といえば、忘れてはならないのが「ビリケンさん」。幸運の神様として知られ、足の裏を撫でると願いが叶うと言われています。

5Fの展望台に鎮座している現在のビリケン像は3代目。初代は前述のルナパーク閉鎖とともに行方不明、2代目は音楽バンド「イーゼル芸術工房」のメンバーになっているそう。

このビリケンさん、アメリカの芸術家・フローレンス・プレッツが夢で見た姿を描いたもの。日本には1909年頃に伝わり、大阪の繊維会社・神田屋田村商店が商用キャラクターとして使用し人気を博します。ルナパークオープンにともない園内に設置されて名物になりました。

てっきり大阪生まれのキャラクターかと思っていたのですが、実はアメリカ生まれなのでした!

アクセスと営業情報

開館時間 10:00~20:00
休館日 月曜
料金 一般展望台料金:1,200円+特別屋外展望台:300円
公式サイト https://www.tsutenkaku.co.jp/

※掲載の情報は2025年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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