温泉が無数にある群馬県の中でも落ち着いた雰囲気の四万温泉。車中泊の旅で日帰り温泉目的に立ち寄りました。夜の温泉街を散策していると、小さな発見がたくさん。名物料理も見つけました。
4大温泉の1つ・四万温泉
群馬県中之条町の山あいにある四万(しま)温泉。四万川の渓流沿いに、温泉口、山口、新湯、ゆずりは、日向見の5つの温泉地区が集まっています。その歴史は古く、源頼光の家来である碓氷日向守定光という人物が山中で出会った童子に導かれて発見したといわれています。(※坂上田村麻呂によって発見されたとの説もあり)
「4万の病気を治す」ことから四万温泉という名で呼ばれるようになったと伝えられており、群馬県民は全員覚えているとのウワサの上毛かるたでは「世のちり洗う四万温泉」と詠まれています。
さらには草津、伊香保、みなかみと合わせて群馬の四大温泉なんて呼ばれ方も。娯楽の多い草津や伊香保に比べると少し大人向けといった印象の温泉街です。
東京からのアクセス
車がある方は、都心から約3時間ほどでアクセス可能。伊香保よりは少し遠いけど、草津よりは近い、そんなイメージです。
車が無い方でも鉄道+路線バスでもアクセスできます。高崎駅からJR吾妻線に乗り換えて中之条駅まで来れば、そこから関越交通の路線バスで40分ほど。
さらに東京駅発の直通バスが出ており、片道3,150円、往復だと5,200円と意外とリーズナブル。1日1往復と本数は少ないのですが、往路は東京駅9:00発〜四万温泉12:30着、復路は四万温泉13:45発〜東京駅17:30着。1泊旅行にはちょうど良い時間です。
さらに、バスタ新宿発の上州湯めぐり号も利用可能。新宿から草津や伊香保へ向かう高速バスですが、こちらは中之条駅にも停車します。そこで路線バスに乗り換えてアクセスするという方法も。
途中でバス乗り換えは少し手間ですが、こちらは1日10本と本数が多いのが魅力です。
往路は「直通バス」で、帰りは「路線バス+上州湯めぐり号」もしくは「路線バス+JR線」を利用すれば、滞在時間をもっと延長することも可能です。
さらに、旅館によっては往復バスと宿泊がセットになったお得なプランもあったりします。
ちょっと1泊温泉旅行に行きたい、でも車無い!なんて人にぴったりの温泉ではないでしょうか。箱根、熱海、草津、鬼怒川、伊香保など、電車やバスで行ける温泉はいくつかありますが、メジャー所は行き尽くしてしまったよなんて人におすすめしたい温泉街です。
夜の新湯地区散策
四万温泉の温泉街は、温泉口、山口、新湯、ゆずりは、日向見の5つに分かれています。
日が暮れて到着した四万温泉の新湯地区。辺りは暗くなってきていますが、少し散策してみることにしました。ほとんどのお店はもう閉店してしまっていますが、都会とは違う控えめな明かりが灯っていてとても風流。川が流れる温泉街は、常にせせらぎの音で満たされています。
河原に建つ石小屋のような建物は、四万温泉に3つある公衆浴場の1つで、その名も「河原の湯」。寸志で利用できるようですが、利用時間が9:00〜15:00と短いのが難点。
こちらは温泉街を代表する建築・積善館本館。
朱塗りの慶雲橋を渡った先にある伝統ある旅館。江戸時代の元禄年間に建てられており、群馬県の重要文化財にも指定されています。もちろん宿泊も可能で、プランによっては意外とリーズナブルに泊まることが可能です。
https://www.sekizenkan.co.jp/
唐突に現れるアート作品も。ただいまの期間は四万温泉を有する中之条町にて中之条ビエンナーレ2019開催中。街中や里山に作品が点在するアートフェスティバルなのですが、この四万温泉もそんな会場の1つ。温泉街に宿泊しつつアート巡りを楽しむのも、この時期ならではの魅力ではないでしょうか。
河川敷の森の中が明るく輝いています。竹を使ったイルミネーションが木々の間に並べられており、夜の森を幻想的に彩ります。
こんこんと湧き出る温泉の源泉を飲むことができる塩之湯飲泉所。塩と付くからにはしょっぱいのかなと思ったのですが、塩気はほとんどありません。香りが少しだけ海の塩のような不思議なお湯です。
日が落ちるとほとんどのお店が閉まってしまうのですが、空いてるところを見つけました。
こちらは篠崎商店。コンビニの無い四万温泉街において、食料品や飲み物、お菓子などいろいろな買い物ができる貴重なショップ。営業時間も長く、朝は8:00頃から夜は19:00頃までやっているそうです。
夕ご飯は名物「だんべえ飯」
時刻は18:00。とりあえずお腹が空きました!1人でも気軽に入れそうな食事処はないでしょうか。
今回私が利用したのは「あすなろ」。バス停のすぐ横、赤い看板が目印です。
ここはとんかつが有名で、四万温泉の中でも肉料理が食べられる貴重なお店。さあ、とんかつ食べよう!そう思ったのですが、メニューを見ていて目についたのは「だんべえめし」。あすなろ名物ということなので、挑戦してみることにしました。
その正体は、具材を載せて食べるお茶漬け。これって奄美大島の鶏飯(けいはん)とほぼ一緒です。
具材は錦糸タマゴ、ネギ、鶏肉、海苔。薄味あっさり系のメニューかと思いきや、スープはしっかり味がついていて美味しい!鶏と豚と野菜がたっぷり入っているそうですが、そのままラーメンになりそうな飲みごたえあるスープでした。
日帰り温泉は「清流の湯」が利用しやすい!
さて、せっかくなので温泉に入りたい!日帰りでも利用できる温泉はあるのでしょうか。
各温泉旅館で日帰り入浴可能ですが、昼だけの利用だったり、夕方早い時間に受付終了だったりと、時間がとても限定されています。
そんな中でも営業時間が長く利用しやすいのが、四万清流の湯。山口地区にある町営の日帰り温泉で、朝10:00から夜21:00まで入浴可能です。料金は2時間500円、4時間800円、1日1,500円と利用時間に合わせて選ぶスタイル。
こちらは、四万温泉の入口にあたる温泉口地区にあります。新湯地区の温泉街からは車で5分ほど、観光スポットの桃太郎の滝や甌穴(おうけつ)群のすぐ近くにあります。
温泉は内湯1つ、露天1つ。夜なので景色は楽しめませんでしたが、虫の声とせせらぎの中入る露天風呂は最高です。
また、広い畳の休憩所があり、風呂上がりもゆったり過ごすことができます。食事処はありませんが、飲み物やおやつ程度の軽食は販売しています。また持ち込みも可能な様子なので、1日コース利用の人は食事は持参するのでしょうかね。
今日は清流の湯の近くの駐車場にて車中泊!
群馬3日間の旅も明日で最終日。明日は四万ブルーと称される、四万温泉の水系スポットからスタートします。
コメント