渋沢栄一ゆかりの地に立つ建築『渋沢史料館&青淵文庫』(北区・王子)

東京都(23区)

渋沢栄一がどのような人物か、いったい何をしたのかを知ることができるミュージアム。読み物が中心ですが、非常に細かく紹介されています。青淵文庫と晩香盧という、かつて栄一に寄贈された2つの建築も見学することができます。

訪問日:2024/9/7(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

飛鳥山の博物館の1つ

近代日本の礎をつくった人物として知られる渋沢栄一。設立に尽力した抄紙会社(王子製紙)のすぐ傍にある飛鳥山に邸宅をかまえていました。

現在も庭園跡が残る公園内には、渋沢史料館という博物館が建てられています。1982年に開館、1998年に本館が完成しました。入館料は300円で、屋外の旧渋沢庭園にある「青淵文庫(せいえんぶんこ)」+「晩香盧(ばんこうろ)」も見学可能です。

また、紙の博物館・北区飛鳥山博物館との3館共通券も800円にて販売しています。

渋沢栄一を深く知る

1階が受付で、2階が常設展示室。「渋沢栄一をたどる」というテーマのもと、江戸時代末である1840年から昭和初期である1931年までを生きた渋沢栄一のヒストリーが写真とパネルがびっしり並んでおります。

渋沢栄一が描かれた新日本銀行券一万円札のAA000005AA番も展示されています。日本銀行から寄贈されたものであるそう。

春と秋の年2回ほど企画展示も開催。訪問した際は、渋沢栄一肖像展Ⅱが開かれていました。様々な画家や彫刻家が描く渋沢栄一の姿がずらりと並んでおり、渋沢栄一という人物をビジュアルで感じることができる企画展でした。(※撮影禁止)

時系列で知る活動歴

武蔵国榛沢郡血洗島村(現在の深谷市)に生まれ論語や剣術に勤しんだのち、尊王攘夷運動へ。一橋家へ仕官し幕臣になったり、パリ万博へ赴いたりと様々なできごとが。NHK大河ドラマ「晴天を衝け」を見ていた人は、文字を追うと様々なシーンが浮かんでくるはずです。

明治維新後は様々な事業に参画。実業家としての実力を如何なく発揮していくのです。

還暦を迎えると男爵へ。企業の相談役や政府の委員など大きな影響力を持つ存在になります。社会公共事業にも多く取り組んでいきました。

ちなみに、各展示の上部に配置されたネイビーの数字は「渋沢栄一の年齢」。時系列毎に、非常に細かく紹介されています。各年齢ごとにびっしり詰まった出来事、どれだけ濃厚な人生を歩んでいたのでしょうか。

洋風茶室・晩香盧

資料館の目の前には旧渋沢庭園が広がっています。庭園自体は入園無料なので、公園を散歩する感覚で散策することができます。

園内にあるのは茶色のタイルがおしゃれな家屋風の建物。こちらは晩香盧(ばんこうろ)と名付けられた洋風の茶室。栄一の喜寿(77歳)を祝って清水組(現・清水建設株式会社)より寄贈されたもので、1917年に竣工しました。

渋沢史料館の入館券を持っていれば中に入ることができますが、注意すべきは素足不可・靴下が必要ということ。普段は念のため靴下を持ち歩いているのですが、こんなときに限って忘れてしまいました!(あるある)

靴下は100円にて販売していますが、窓からみるだけでも充分に感じたので今回は外からのみ。

ちなみに晩香盧の名は、バンガローの音にあてはめ、栄一の自作の詩である「菊花晩節香」からとったそうです。

美しい洋館・青淵文庫

晩香盧の近くに建っているのが、青淵文庫(せいえんぶんこ)。栄一の傘寿(88歳)と子爵陞爵を祝い、竜門社(現・渋沢栄一記念財団)より贈られた建築で、1925年に竣工しました。(※陞爵(しょうしゃく)=爵位が上がること)

伊豆天城産の白色安山岩である月出石が貼られた外壁が重厚な雰囲気。

館内はちょっとした博物館。渋沢栄一はもちろん、青淵文庫と晩香盧の両方を手掛けた建築家・田辺淳吉についての展示もあります。

「文庫」の名の通り、もともとは論語など様々な書籍・資料を収蔵する予定でしたが関東大震災によりそのほとんどか焼失。主に接客の場として利用していたそうです。

来客を迎えるためか、ゴージャスな雰囲気のお部屋も。シャンデリアやステンドグラスに加え、壁や床、天井部分にも装飾が施されています。

ステンドグラスのデザインは、渋沢家の家紋「違い柏」、祝意を表す「寿」、竜門社を表す「竜」という3つのモチーフが埋め込まれています。

さてさて、お次はすぐ隣の北区飛鳥山歴史博物館に行ってみますね!

アクセスと営業情報

・JR京浜東北線の「王子駅」南口より徒歩5分
・東京メトロ南北線の「西ケ原駅」より徒歩7分
・都電荒川線(東京さくらトラム)の「飛鳥山」より徒歩4分

開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜、翌祝 ※臨時休館あり
料金 300円
公式サイト https://www.shibusawa.or.jp/

※掲載の情報は2024年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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