海辺の高台に建つ酒列磯前(さかつらいそさき)神社。爽やかな風が吹き抜ける境内には、生い茂る樹木のトンネルや伝説の名工作と伝わる彫刻、さらに海が見える鳥居など見どころがたくさん。
長い歴史を持つ神社
茨城県のひたちなか市に鎮座する酒列磯前神社は、856年創建という長い歴史を持つ神社。中世に一度廃絶してしまったようですが、水戸藩2代藩主・徳川光圀によって復興、3代藩主・徳川綱條により1702年に現在地に遷宮されました。
御祭神は少彦名命。医療薬学の祖神であり、酒を造る術を考案された醸造の神としても信仰されています。
この神社は、岩礁に立つ「神磯の鳥居」が有名な大洗磯前神社と兄弟社としても知られています。車で20分ほどの距離なので、合わせての参拝がおすすめです。
生い茂る参道の樹叢
鳥居の先に続くの300mほどの参道には、樹齢300年を越える樹木が広がっています。ここは「酒列磯前神社の樹叢(じゅそう)」として茨城県の天然記念物に指定されています。
ヤブツバキ、スダジイ、オオバイボタ、ヒサカキなど様々な木が生い茂る。タブノキは無数に分かれた枝を天まで伸ばし、存在感抜群です。
そして、夏場はセミのオーケストラが上演中!!左右からも上からも聴こえてくるサラウンドは、騒がしいけれど妙な心地良さがあります。
情緒あふれる木造建築
そんな樹叢を抜けた先にあるのが拝殿。参道とは打って変わって開放的な空間が広がっており、空気が変わったのを感じます。
この拝殿の見どころが、唐破風の拝飾部分に彫られたリスとぶどうの彫刻。日光東照宮の眠り猫などで知られる江戸時代の名工・左甚五郎による作品と伝えられています。
拝殿の奥にあるのは、流造の本殿。木でできた玉垣の隙間から覗いてみると、緑と黄色のカラーリングが鮮やかな狛犬が見えました。
境内の見どころ
参道入り口の石垣はもともと燈籠が立っていた場所。関東一といわれる大きな燈籠であったそうですが、残念ながら東日本大震災の際に倒壊してしまい、現在は修繕のための奉賛事業が行われています。
この石は、水戸藩9代藩主・徳川斉昭が「ヤンサマチ」という競馬祭を見る際に座ったと言われるお腰かけ石。ちなみにこの祭りは1929年頃まで続いていたそうです。
参道から少しだけそれたところには、海の見える鳥居があります。鳥居の向こうには雄大に広がる太平洋や静かな漁港、その先の工場地帯まで見渡せます。なんだか別の世界を覗いているような気分になれる場所でした。
幸運の亀さん像
参道に置かれているのは、かわいらしい亀の姿の像。こちらは幸運の亀さんと呼ばれています。
この神社では、ジョイフル本田ニューポートひたちなか店内の宝くじ売り場にて、年末ジャンボ発売日に祈願祭を開催しているそう。そんな中で、高額当選された方が奉納したというのが、この亀さん。当たりますようにと参拝してから、金運のお守りを受け、その後この像を撫でると金運を招くことができるそうです。
ジョイフル本田ニューポートひたちなか店は、神社から車で10分ほど。ひたち海浜公園のすぐ目の前にあります。あれ、「ジョイフル本田ってなに!?」っていう声が聴こえてきたような気がします。
ジョイ本の知名度は茨城県外ではそれほど高くないので、県民の皆様ご注意くださいね!
アクセスと営業情報
ひたちなか海浜鉄道湊線の「磯崎」駅より徒歩10分。車の場合は北関東自動車道「ひたち海浜公園」ICより約10分、「ひたちなか」ICより約10分。
「ひたち海浜公園」ICは混雑することが多いです。渋滞になっている場合は素通りしてその先の「常陸那珂港」IC(終点)で降りるのがおすすめです。
参拝時間 | 参拝自由 ※授与所は8:00~16:00 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://sakatura.org/ |
※掲載の情報は2024年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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