武神を祀る『石清水八幡宮』はエジソンともかかわりがあった?(八幡市)

京都府

平安京を守護するために男山山上に造られた歴史の深い神社。時の権力者をはじめ、武神として名だたる戦国武将からも篤い信仰を受けていました。発明王トーマス・エジソンとも関わりがあるそうですが、いったいどういう関係なのでしょうか。

訪問日:2021/9/24(金)

武神を祀る神社

京都の裏鬼門である西南の方角を守護する石清水八幡宮。創建は860年という歴史深い神社で、「やわたのはちまんさん」として親しまれています。

朱色にゴールドの装飾がきらびやかな楼門。ここから続く御本殿は「八幡造」という建築様式で作られており、現存する中で最古であり最大といわれています。

御祭神は東御前に神功皇后、中御前に応神天皇、西御前に比咩大神。この三神を総称して八幡大神として祀っております。八幡大神は武神として信仰されており、織田信長、豊臣秀吉、豊臣秀頼、徳川家光ら多くの大名によって社殿の修復や造営が行われてきました。

刻まれているのは黄金のハト。鳩は八幡大神の使いとされており、各地の八幡宮でもハトをモチーフとした様々なものを見ることができます。

境内の見どころ

御本殿のまわりに張り巡らされた塀は、天正8年に織田信長が造営したとされており信長塀と呼ばれています。土壁の中に幾重にも瓦が埋め込まれており、耐久性を高めています。

御本殿の裏手に植えられたおがたまの木。招霊の木とも呼ばれる御神木で、一円玉硬貨にも描かれている木です。一円玉と一緒に写真撮ろうとしたのですが、こんなときに限ってお財布には1枚もありませんでした・・・。

御本殿の石垣のうち、一箇所だけ不自然な角度で切り取られた部分があります。こちらは鬼が来る方角へと向けた鬼門封じ。牛の角を持ち、虎の毛皮をまとった鬼が東北からやってくるのを防ぐために、このように面を向けているそう。試しにコンパスを当ててみたのですが、ぴったり東北を向いていました。

参道上にある一ツ石。かつては馳馬や競馬の出発地点、ひそして百度参りの地点でもあります。勝負石とも呼ばれており、勝負運上昇を祈ってか一円玉がたくさん供えられていました。

広がる京都のパノラマ

少し歩くとケーブルカーの山上駅があり、そのすぐ隣には展望台が設置されています。石清水八幡宮は男山という山の山頂にあるため、眺めは抜群。そよ風が吹くとても心地よい広場で、心が落ち着きます。

京都中心部、宇治、嵐山とかなり広い範囲を見渡せます!そびえる京都タワー、比叡山、伏見稲荷大社。ズームレンズや双眼鏡があると、かなり色々な景色が楽しめるのではないでしょうか。

きっと昔はもっとすっきりとしており、神社やお寺、京の都がはっきりと見渡せたんじゃないかな。

エジソンとの意外な関係

駐車場の近くにはエジソン記念碑が建てられています。一見すると全く縁が無さそうに感じますが、石清水八幡宮とエジソンにはいったいどのような関係があるのでしょうか。

19世紀の半ば、電気を使った白熱照明の開発に多くの発明家が取り組んでいました。ジョゼフ・スワンという科学者が白熱電球の開発に成功するも、フィラメント(電気を通して光を放つ部分)の寿命が短く、実用には耐えないものでした。

そこでトーマス・エジソンは木綿糸のフィラメントを使用するも、40時間程度で消えてしまいます。更なる長寿命化を求めて様々な素材で試行錯誤を繰り返す中、ふと日本からのお土産として研究所にあった扇子が目に止まります。
骨の部分に使用されていた竹でフィラメントを作成したところ、寿命を飛躍的に伸ばすことに成功します。
エジソンは日本や中国で様々な竹を仕入れて研究を続けます。その結果、最も長持ちしたのが「八幡竹」であったそう。

そんなエジソンの遺徳を偲ぶために建立されたのがこの記念碑。さらに、エジソンの誕生日である2月11日にはエジソン生誕祭を、命日である10月18日にはエジソン碑前祭を斎行しております。

遠く離れたアメリカのエジソンに日本の竹が伝わるというのもなんだか運命的・・・。直接エジソンと神社に関係があるわけではありませんが、八幡宮で大切に育てられていた竹が世界中の夜を照らしたと考えると胸アツです!

アクセスと見学所要時間

最寄り駅は京阪本線の石清水八幡宮駅。そこから石清水八幡宮参道ケーブルへ乗り換えます。基本は1時間に2本程度の運行なので、時刻表は確認しておくのがおすすめ。

山麓駐車場は有料で1回500円。ケーブルカー乗り場までは徒歩5分ですが、自力で登ると30分近くかかってしまいます。

しかし、山上駐車場は無料!すれ違い困難な細い住宅街を抜けていきますが、社殿のすぐ近くまで登ることができます。時間が無い方や体力に自信が無い方はこちらを利用するのが良さそうです。ただし、お正月などの混雑時は規制がかかる場合もあるそうです。
(※公式サイトにはなぜかこの駐車場の記載がありません。住宅街を抜けるため、近隣への配慮でしょうか・・・?)

見学所要時間は【さくっと参拝だけなら20分】、【展望台含めてゆっくりまわって1時間】くらいでした。

開門時間 6:00~18:00
公式サイト http://iwashimizu.or.jp/top.php

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